2024年5月19日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

標準を上げ続ける

今日は中1生の話です。夏期講習から通っている中1生のA君がいます。今回が初めての青凜館での定期考査対策でした。うちに入塾する前は別の塾に通っており、そのときに挑んだ6月の定期考査では5教科で400点程度という結果でした。そこからうちに転塾して、2週間の学習会を初めて経験しました。5教科のテストのために毎日何時間も勉強したのは、おそらくこれが初めてでしょう。とりわけ、中1はどのようにすればテストの点数につながるのか、何を使ってどう勉強すればよいのかが分からないため、中2生や中3生以上に効率の悪い勉強になりがちです。この2週間の中でも、幾度となく勉強のやり方や教材の使い方を話してきました。問題を解くというストレスのかかる勉強ではなく、頭を使わないただの作業に取り掛かろうとしていたら、私からのストップがかかります。「これから何をするの?」「その勉強で何を身につけようとしているの?」「その勉強が良いやり方かな?」「そのやり方では、時間と労力が無駄になるから、こんなやり方がいいんじゃない?」などと、中学生としての勉強にシフトチェンジすることを目指してきました。例えば、漢字プリントの漢字を覚えるときに、A君は「読み→漢字→読み→漢字…」というように、読みと漢字を交互に横に書き並べていました(画像の左側のような書き方です)。

このやり方ならば、読みを書く必要がありません。ただ単に漢字プリントの読みを見て、ノートには漢字だけを書いていくだけで十分です。もし、ノートに読みを書くならば、まずは読みだけを縦に書いて、その後漢字をその横に書いていくべきです(右側のようなやり方)。読みを見て漢字を書いていくことで、自分のノートが本番を想定したテスト問題に変わるのです。また、縦に読みを書くことで、ノートを折り曲げれば、何度も同じようにテストをすることができます。完璧に書けるようになればそれを消していき、最終的に読みがゼロになれば、それはすべてマスターしたことを意味します。逆に読みと漢字を交互に横に書き並べてしまうと、それは1度しか使えず、せっかく書いた読みを有効活用できません。漢字を勉強するときにまた同じように読みを書くことになるのです。ほかの科目においても一つの勉強を次の勉強に有効活用するという意識は大切です。語句や解法をノートにまとめるときに、大事な言葉をオレンジのペンで書いておくと、後で赤シートを使って隠すことができます。せっかくノートにまとめたことを、ただまとめて終わりにするのではなく、その後に赤シートで隠して確認テストとして活用することができます。中1生にはフリクションのオレンジのペンと赤シートを渡し、それを使って勉強するようにしました。ただ覚える、ただノートに書くではなく、工夫して勉強することを、中学生の早い段階で身につけることは、大きなアドバンテージとなるからです。結果的にA君は5教科で460点以上の成績を取りました。前回からは60点以上アップしています。これまでA君の基準、当たり前というものは400点程度であったと思われます。しかし、今後A君にとっての基準は450点以上ということになるでしょう。すると、これから先、420点でも取ろうものならば悔しくて悔しくてたまらないでしょう。それは400点しか知らない子には到底味わえない感情です。一度でもよい結果の喜び、達成感を知ってしまうと、次も味わいたい、もっと超えたいと思うのは当然です。逆に300点程度の点数に居心地の良さを感じてしまうと厄介です。300点程度であれば、大して勉強しなくてもそこから下がることはなく、自分のプライドは十分に維持されるので、勉強への意欲が湧かず、自分を高める努力を放棄します。もし、子どもに勉強頑張ってほしい、点数を取ってほしいと思うのであれば、中1の最初の段階が重要です。最初の点数を取りやすいときに、ある程度の点数を取るのです。すると、その点数が自分にとっての当たり前、基準となり、中2、中3になっても、その点数を意識した勉強となります。460点を取ったならば、次は460点を取った自分を超えるために必死に努力します。もし、460点を超えられなければその悔しさは大きなバネになりますし、460点を超えればその点数が新たな自分の基準となります。460点以上取ったA君でさえ満足はしていません。私が「今回の結果には満足してるでしょ?」と聞くと、「いや、取れるところで間違えていたので、少し悔しいです」と言っていました。その向上心があれば、これからもっと伸びていきます。きっと彼には今回の定期考査を通して、「自分もやればできるんだ」という大きな自信がついたことでしょう。

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