2024年5月2日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

中1の数学ができないのは、とてつもなくヤバい

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中1の数学ができないことは、理科や社会ができないこと以上に、とてつもなくヤバいということをご存知でしょうか。「数学はほかの科目より難しいから、できなくても(点数が取れなくても)しょうがないよね」と考える子もいるでしょうが、しょうがないでは済まされないぐらい「中1数学ができない」という事実には大きな問題が潜んでいます。

     

当然、中1の数学が中2・中3の数学の土台となるため、中1の内容を軽視していると中学での数学全体が崩壊する危険性が高まります。一度傾いてしまったものをもとの状態に立て直すためには、かなりの時間と労力を費やします。ですから、将来的に数学で足を引っ張りたくなければ、中1の1年間、特に正負の数の計算から方程式まで(当塾では春期から7月までの授業内容)を取りこぼさないようにすることが欠かせません。中1で1次方程式の解法の手順を習得すれば、中2で連立方程式になっても、中3で2次方程式になってもやらなければならない基本作法自体は何ら変わらないことを考えると、愚直に学力を積み重ねることの重要性が分かります。塾に通って、定期考査で90点以上取っている子であっても、まだまだ穴が多く、入試問題を解く力は不十分なのですから、すでに中1で数学が崩壊しつつある子、定期考査で70点に届いていない子は、どこかで気合を入れて取り返しておかないと、どんどん追い詰められて、志望校の選択肢を減らしていくことになります(子ども本人は多くの選択肢があることの重要性をそれほど理解していませんが、まわりの大人は将来の選択の幅が広がることの意味を分かっているはずです。中学校の勉強は、子ども本人がどう思うかということよりも、親が子の将来のために、このままでいいのかを考え、ときには干渉し、必要な手立てを与えてあげられるかにかかっています。近年の大学入試において、人気の私大の合格が難しくなっていることをご存知でしょうか。「最低でも福大」と言われていた福大が、決して最低ラインではなくなってきています。少子化により、大学に入りやすいというのは勘違いで、むしろ人気の大学の競争はこれまで以上に大きくなっているのです。それを知っている大人が、子どもの勉強に対して必要な干渉していかなければ、気づいたときには子どもたちの選択肢が減っていることにもなりかねません)。

       

中1の数学ができないのがヤバい原因はほかにあります。中1の数学は、小5・小6の算数の延長線上、あるいは算数そのままの内容です。たとえば小6の算数では比例・反比例を扱いますが、やること自体は中1の比例・反比例とほとんど変わりません。中学では文字を使って抽象的に表し、負の数まで考えますが、それ以外は何ら変わりません。小学校の時点でグラフも書きますし、文章題にも挑戦します。ゆえに、「中1数学で学習する比例・反比例が苦手」とか、「定期考査で比例・反比例が出たけど、50点も取れなかった」とかいうことは、ただ単に中学校の勉強をサボっただけでなく、小学校の算数も穴だらけであることを意味しています。算数と中1数学の深いつながりは決して比例・反比例だけでなく、文字を使った式も、平面図形・空間図形も、資料の活用にもみられます。このことが何を表すかお分かりですか。中1で学習することの大半はすでに小学校で学習しており、新しく学ぶことなどごくごくわずかしかないのです。にもかかわらず、中1の数学で70点も取れない、全然理解できていない、計算も怪しいというのは、小学校の勉強をひっくるめて身についていないことを表します。中1数学ができないというのは、中学に入って、部活に精を出しすぎたせいで数学ができなくなった、という浅い話ではなく、算数の段階で破綻していたという根深い問題なのです。反対に、算数を正しく、正確に身につけている子は、中1の数学は屁でもありません。やっていることは小学校時代と変わりませんし、何なら方程式をつかえなかった小学校時代よりも、簡単に解を求めることができる数学の方が簡単だと思えるようになります。あらゆる塾で新中1生向けに「中学準備講座」を設けていますが、そこでやるべきことは、正負の数を先取りして、わずかばかりの優越感を覚えることではありません。最大の中学準備講座は、小学校の算数の完全理解をめざすことです。基本計算は大丈夫なのか、文字を使った式をつくれるか、割合を理解しているのか、関数はどうか、図形はどうか、場合の数は、単位変換は、資料を読み取れるか…。このような小学校の算数の穴を塞いでおくことが、数学での脱落を防ぎ、得意科目にするための一番の準備なのです。

         

中1数学で点数が取れないという問題は、そもそも小学校から明示的・黙示的に表れており、それは高校受験、大学受験まで自分の足を引っ張り続けることになります。であれば、まずは取りこぼしをなくすために小学校の算数、あるいは中1の初めから知識や思考を蓄積させることが第一ですが、もし取りこぼしてしまったのであれば、後回しにすることなく、気づいたときにその都度回収していくことが重要です。「中学校になって数学ができない」ということは、そのたった一言では片づけられないほどの問題を抱えていることをご理解ください。

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