2024年5月17日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

思考力を試す問題を1つ

冬期講習では、全国入試から「これは受験生に解かせたい!」と思う問題を選んで挑戦してもらっています。その中から、平成31年度の大分県公立入試を1題。思考の引き出しがある子とそうでない子で正答率に差が出るような問題です。

    

問 はなこさんの班はトンガについて調べ,日本にかぼちゃを輸出していることを知った。下の資料は,大阪府中央卸売市場におけるかぼちゃの月別産地別取扱高(2016 年)を示したものである。資料中の( S )に当てはまる国として最も適当なものを,ア~エから1つ選び,記号を書きなさい。

 アメリカ合衆国

 ロシア

 フランス

 ニュージーランド

    

    

    

    

思考力がとぼしい受験生は、「かぼちゃの生産が盛んな国はどこだろう」と考え続けます。そして、「そんなの知らないよ」とさじを投げてしまいます。結果的に、農作物の生産量が多いアメリカやフランスなどを選んでしまうのです。もちろん、米や小麦、とうもろこしなどの農作物や、原油や石炭、銅などの鉱産資源であれば、主要な生産国・産出国の知識は必須です。しかし、受験生の中で「かぼちゃ」についての知識を備えている子はほぼいないでしょう。これは単純知識を問うているのではなく、資料の分析力や思考力を試しているのです。

    

資料から、日本産のかぼちゃの取扱量は、夏ごろ多くなっていることが分かります。そして、日本産の取扱量が少ない冬や春にかけて( S )産のかぼちゃの取扱量が多くなっていることが分かります。これは、日本と( S )の季節が逆であることを意味しており、問題作成者はそこに気がついてほしいと思っているのです。これより、( S )は南半球に位置しているニュージーランドが適切だと判断できます。

     

未知の問題に対して、既知の知識でいかに対応していくのかというのが、昨今の入試の面白さであり、難しいところですね。

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