2024年5月17日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

令和3年度 福岡県公立高校入試分析②(数学編)

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公立入試問題分析、2回目は数学です。形式がだいぶん変わった、難しくなったという噂がありますがいかがだったのでしょうか。見ていきましょう。

      

●大問1

小問集合で、配点は昨年同様に18点でした。

(1)は単なる正負の数の四則計算

(2)は多項式の計算

(3)はルート計算

(4)は2次方程式

ここまではなんてことありません。

(5)の確率は硬貨4枚だったので、樹形図でやると面倒くさいですね。

(6)は2次関数の変域

(7)の反比例のグラフは平成16年以来です。第2象限と第4象限の2か所にかかなければなりません。

(8)の三平方の定理は今年ならではですね。図がない分、間違うリスクが一つ多くなります。辺の比で解くことができました。

(9)の円を用いた角度は、二等辺三角形の底角と円周角の定理を使います。

小問集合はいずれも基本計算・基本問題なので、確実にクリアしておきたいところです。

      

●大問2

予想通り資料の活用が出ました。AとBの資料を比較するというのも予想通りです。

(1)の相対度数はかなり易しいです。わり算と四捨五入する位を間違わなければ…。

(2)は中央値または最頻値を用いてデータを比較する問題です。私であれば迷わず最頻値を使うのですが、塾生は中央値を使っていました。直前に中央値を使う問題を数多く解いたからでしょうか? 難易度は普通です。

資料の問題としては易しめですが、説明するところで失敗する子は多いでしょう。

    

●大問3

これも予想通り文字式の利用でした。

(1)は標準的な証明です。個人的にはもう少し厄介なものを予想していたので、若干肩透かしを食らいました。最初に2m、2m+2と置けるかがポイントです。あとは、計算にうまく乗っていきましょう。普通。

(2)の(A)は直後のn、n+2をヒントに選びます。(B)は実際に計算してから求めることになります。(A)だけでも1点はもらえるので、非常に受験生のためを思った配点ですね。普通。

(3)は連続する5つの整数について調べます。ア~オの数をn~n+4と置いてから考えるのがポイントです。(X)と(Y)に入る候補としては、アとウ、アとオ、イとエ、ウとオの4通りあります(2数の積を求めたときに、nの係数が偶数にならなければならないためです。ここまで絞るのはそれほど難しくありません)。ただし、(P)には1以外の自然数が入るという条件があるため、組み合わせはアとオしか残りません。初めて解く場合は面倒です。受験生の苦しみが容易に想像できます。まあでも、うまい問題です。やや難しい。

(3)の全解はなかなか厳しいですが、(1)と(2)はおさえておきたいところです。

    

●大問4

予想通り時間と道のりについての関数でした。設定としてはなんてことない問題ですが、ところどころにいやらしさがあります。

(1)は9時11分における位置を求める問題です。これまで(3)で出ていた説明問題が、(1)に移ってきたということでしょうか。ポイントは3点です。1つ目は関係式を出すところ、2つ目はx=11を代入して、y=880を求めるところ、3つめは家から900m先にある駅の手前にいることを述べるところです。初めてのパターンだったので悩んだかもしれませんが、説明としてはかなり楽です。普通。

(2)は姉についてのグラフをかくときに使う座標を答える問題です。一見、めんどうくさそうですが、姉のスタートとゴールの点を見つけるだけです。ひょっとしたらAとBを逆にした受験生もいたかもしれませんね。易しい。

(3)は希さんと兄がすれ違った時刻を求める問題です。まずは、兄を表すグラフをかく作業から始めます。居酒屋では「飲んだら乗るな」ですが、関数では「読んだら描かな!」です。兄は家を出て家に帰ってくるまでに33分かかっており、そのうち15分間は駅にとどまっているので、移動にかかった時間は18分です。この18分間で1800mを移動したので、兄は100m/分で移動していることがわかります。兄を表すグラフは傾き100で点(65,0)を通る直線で式はy=100x-6500です。希さんを表すグラフは2点(60,900)、(75,0)を通る直線で式はy=-60x+4500です。これを解いて、x=68.75となり、時刻は10時8分45秒となります。やや難しい。

形式が変わっていましたが、問われていること自体は標準的なものです。

     

●大問5

平行四辺形を用いた平面図形。久しぶりに円を外してきました。円が出ないのは平成22年以来です。円が出ないのであれば平行四辺形と予想していましたが、少々ややこしめの問題が多かったですね。

(1)は与えられた証明の1か所を変えて、別の証明をするという問題です。なかなか対策ができないタイプの問題ですね。カの条件を変えるわけにはいきませんので、必然的に変えるのはエしかありません。普通。

(2)は合同証明です。合同証明は平成17年以来です。四角形ABCDは平行四辺形なので、平行線の錯角と同位角を使って、条件を集めていきます。生徒には、合同が出るとすれば、「1組の辺とその両端の角」か「直角三角形の斜辺と1つの鋭角」と伝えていましたが、対応できなかった子もいたようです。普通。

(3)は四角形の面積を求める問題です。今年は三平方の定理の利用が出せないので、対辺の長さの比、等積変形、相似比・面積比を使う問題しか出せませんでした。私は△HFBの面積を①として、面積を広げていくように解きました。例年に比べてかなり解きやすいですが、それでも難しいでしょう。

      

●大問6

正四角すいと直方体を組み合わせた立体。非常に面倒くさそうな図ですが、どうだったのでしょうか。

(1)は条件に合う辺を探す問題。間違うことはないでしょう。易しい。

(2)は立体から抜き出した台形の高さを求める問題です。相似比より、KJ=2cmだとわかるので、あとは台形の面積を求める式を使って方程式を立てます。普通。

(3)は四面体の体積を求める問題です。三平方が使えない体積の問題であれば、全体から余計なところを引く問題か、別々に求めて足す問題を想像していましたが、今回は前者でした。直方体から三角すいを2個と、四角すいを2個(なお、2個の四角すいは体積が等しいです)を引きます。出てくる値はとてもシンプルなので、すぐに「全体から引く」というやり方に気づくことができれば簡単に、短時間で解けたはずです。難しい。

      

個人的に考える難易度は以下の通りです。

大問1 昨年並み

大問2 昨年並み

大問3 やや難化

大問4 昨年並み

大問5 昨年並み~やや難化

大問6 昨年並み

昨年に比べるとやや平均点は下がると予想します。上位層に子にとっては図形の難問がなくなった分、高得点が取りやすくなったはずです。反対に中下位層の子にとっては、問題の形式に慣れていない分、細かな失敗を重ねてしまったでしょう。付け焼刃のやり方では通用しないということです。

     

来年以降に受験するみなさん!

特に数学に関しては、小学校からの蓄積がなければ、厳しい現実が待っていますよ!!

     

    

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