2024年5月17日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

夏期講習 全日程終了 Part3

夏期講習の振り返りシリーズは今回がラストです。中1と小学生の夏期講習をプレイバックし、9月以降にどのような勉強をするのかご紹介します。

      

中1は諸々の都合で、それほど進んではいません。授業時間数が少なかったので、国語の授業は休止し、数学・英語・理科の3科目の授業を行いました。

数学は方程式を指導し、前半は徹底的に方程式の基本計算を積み、後半は方程式の利用を扱いました。「方程式とは?」というところから始まり、等式の性質、整数の計算、小数の計算、分数の計算、比例式と一通りのパターンを練習し、あとは授業時間いっぱい計算練習をしました。中1のはじめの段階で計算を素早く、正確に解く意識を植え付けておくことが重要です。4月の段階に比べれば計算力は大きく高まっていますが、まだまだ現状のスピードと正確性に満足してもらっては困ります。「これでいいや」「もう大丈夫だろう」と思ったとたんに成長が止まります。近くにいる友だちや同じクラスの生徒よりわずかに勉強ができるだけであれば、それは「まだまだ足りない」ということを意味します。残念ながらこの地域の平均的な学力層は、お世辞にも高いとは言えません。平均以下の学力層の中で多少勉強ができたとしても、マクロな視点からすると大して秀でてはいません。ですから塾生には「ちょっとできる」「平均よりできる」というところではなく、「圧倒的にできる」「平均をはるかに超えている」という高みを目指してほしいのです。彼らは現状の計算力に満足しているかもしれませんが、私はそう簡単に満足しません。私が満足した瞬間に、彼らの成績は停滞するでしょう。そして、後半には方程式の利用、いわゆる文章題に入りました。数や代金の計算は問題ありませんが、やはり速さが関わってくるとボロが出てきます(ですから、小学生の段階で速さの根本的な理解をさせておいてください。小学生の勉強次第で、「みはじ」あてはめ型の子どもになるか、思考・分析型の子どもになるかが決まります)。また、方程式の利用では、当たり前ですがすべての解答を記述させています。求めるものを文字に置きかえるところから解答を出すところまでを、すべて書いてもらいます。ここでの記述の手順は、そのまま中2の連立方程式にも、中3の2次方程式にも使えます。中1時点で記述解答の手順を身につけておくことで、来年以降の勉強が軽減されるのです。9月からは方程式の利用の残りを数回指導し、それから比例・反比例へと移ります。小学校でもある程度の時間を費やして勉強しているところですので、スムーズにいけるといいのですがどうなることでしょう。

中1英語は名詞の複数形を前半で扱い、後半ではbe動詞・一般動詞の演習と代名詞を学習しました。名詞の複数形をつくること自体はそれほど難しくなく、someやany、We areとの組み合わせも柔軟に対応できていました。基本的な文のつくり方が固まりつつあるので、今扱っている学習単元だけに集中できているのも理解を促進させている要因なのでしょう(最初の土台を固めることなく先の勉強を進めると勉強効率が大きく低下します)。夏期講習の最後には代名詞の格変化を覚えさせました。いわゆるI/my/me/mineというやつです。まずは順番通り音で覚えてしまって、次に英単語を書けるようにします。なんだかんだ20分ほどですべて覚えていたでしょうか(この時点で大半の中2生を上回っています)。9月からはいよいよ3単現のsを使っていきます。中1英文法の大きな山です。毎年脱落者が多数出るところです。1ヵ月近くは3単現のs関連の指導をする予定です。

理科は中1の化学分野を指導しました。ただし、授業回数が少なかったため、基本をザックリ説明しただけで、問題演習は行っていません。密度や濃度の計算、再結晶や蒸留の実験問題など、ある程度の練習を積んでおかないと間違いなく定期考査では悲惨な結果を生むでしょう(ちなみに近隣のS中学校では昨年度の化学分野の定期考査の平均点は40点ほどしかありませんでした。定期考査対策の中で問題演習をとことん積んでもらうつもりです)。9月からは物理分野に移ります。

夏期講習でほとんど扱っていない国語は、9月からは現代文読解を数回行い、その後から古文に入ります(10月の1か月間は古文を扱う予定です)。11月以降は、現代文読解と古文読解を交互に行うことになります。

社会は9月から世界地理(予定ではアフリカ州から)を扱います

        

小6は何といっても算数での速さの学習がメインです。まずはじめにひとつお知らせしておきます。当塾の小学生の速さの指導において、一度たりとも「み・は・じ(は・じ・き)」について触れていませんし、例のてんとう虫の図も書いていませんし、「速さ=道のり÷時間」という式を指導していません。私が教えたのは、「速さとは、単位量あたりに進む道のりを表したものだ」ということです。すべての計算をそれをもとに進めていきました。決して「速さを求めるためにはわり算をして、道のりを求めるためにはかけ算をして…」ということは教えていません。学校ではてんとう虫の図を書かされるかもしれません。保護者の方が子どもに速さを教えるときには「み・は・じ」を使う方が楽かもしれません。しかし、塾ではそのような教え方はするつもりありません。理由はただ一つ、公式あてはめ型の軽薄な思考をするのではなく、計算の意味や言葉の意味を考えられる子になってほしいからです。「み・は・じ」を使うか使わないかという点においては、塾業界でよく議論されますが、当塾の方針として小学生の授業では「み・は・じ」を指導することはないということをご理解ください。公式とやらを提示しない状況でも、子どもたちは計算のしかたを考えることができます。「時速40kmで3時間走るときの道のり」であれば、「1時間当たり40km進むから、3時間だと3倍の距離進むよね」と変換できます。「20分で1600m進むときの分速」であれば、「分速というのは1分あたりに進む道のりだから、1600を20でわればいいじゃん」と考えることができます。「み・は・じ」を子どもたちに教えることは、子どものためを思っているように見えますが、実は子どもの考えるチャンスを奪っているのではないでしょうか。「速さとは、単位量あたりに進む道のり」という知識だけできちんと計算ができている彼らを見るとそう思わざるを得ません。

      

小5の算数は予定通り、図形の角、偶数・奇数、倍数まで進みました。図形の角はたし算・ひき算が多いところで苦戦するかと思われましたが十分解けており、生徒の計算スピードの向上に感心しました。偶数・奇数はおおむね簡単にクリアしていましたが、「4桁の整数のうち、いちばん大きな偶数を求めなさい」などの問われ方をすると若干苦戦していました。先の速さの考え方と同様に、小学生の授業では特に「言葉の意味を考える」ということを徹底しています。すぐに理解できない問題に出会ったときに、指導者が1から10まですべてを教えるのではなく、生徒自身に言葉や文を分析する練習を積ませるのが当塾の小学部です。一方的に教わった「思考の仕方」「判断の仕方」などあっという間に消え去ってしまい、次も、また次も同じように指導者からの教えがなければ理解することができなくなってしまいます。それに対し、自分の頭で考え、理解し、発見したものというのはそう簡単には失われません(国語の授業でも難しい言葉が出てきたら前後の文脈からその言葉の意味を予想させます。そしてその予想があっているかどうか生徒自身に辞書を引かせて確かめます)。倍数は難なく突破し、公倍数(最小公倍数)も手順通りに求めることができています。9月からは約数・公約数、そして分数の計算に入ります。約数・公約数は、倍数よりハードルが高くなりますが、生徒の計算力があれば問題ないでしょう。分数の計算のメインは通分です。分数の計算がろくにできない中学生も多いですが、そうなってもらっては困りますので、たっぷり練習を積む予定です。

      

また、小学生には作文を書いてもらいました。作文のテーマはいくつかあったのですが、全員が「行ってみたい国」について書いていました。それぞれにその国に行きたいユニークな理由がありましたし、私の知らないことも生徒が知っており、私にとっても生徒のことを知ることができるいい機会でした。

        

これで夏期講習の振り返りは終了です。夏期講習の最初の2~3日は私も授業ペースや授業時間数に慣れておらず、40日間という夏期講習の日程に途方の無さを感じていましたが、終わってみれば非常に濃く、あっという間の夏期講習でした。夏期講習前には公立入試まで230日以上あったのが、今や188日にまで減りました。私立入試までは150日を切っています。この時間の減るスピードの速さに、誰よりも私が一番驚いています(これは年齢を重ねたせいもあるのでしょうか)。とにかく、受験生だけでなくすべての学年において、9月からの授業では「時間」というものを意識して指導していくつもりです。時間の使い方だけでなく、時間のつくり方、時間の不可逆性についても話していきます。

         

      

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