2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

間違いを一般化する

現在、夏期講習生を募集しております。詳しくはこちらの「2019年夏期講習」をご覧ください。不明点はお気軽にお問い合わせください。

       

テストの結果が返ってきています。金曜にはすべての結果が出そろう予定ですので、またこのブログでお知らせします。いまのところ塾生の5教科の平均で400点に乗るかどうか、という点数です(昨年度に比べるとかなり下がっていますね…。とはいっても学習塾の平均としては高いほうではないでしょうか)。前に比べて手ごたえをつかんだ部分もあれば、反対に不十分だったところもあります。十分な反省、振り返りをすることで、次の定期考査、実力テスト、模試、そして受験につなげていくことができます。

      

間違った部分の反省をするときに大事なのは、間違いを局所的にみるだけではなく、一般化しておくことです。例えば「炭酸水素ナトリウムを構成している原子を表す記号をすべて書きなさい」という問題に対して、本来であれば「Na、H、C、O」と元素記号を答えなければならないところを、間違って「Na2CO3、H2O、CO2」と化学式を答えてしまったとします。この場合、間違いを局所的にみてしまう子は、「化学式ではなく、元素記号を書かなければならなかった」ことが原因だと考えます。ところが、根本的な原因はそうではなく、「問題文をきちんと読んでいなかった」ことにあります。確かに、「化学式ではなく、元素記号を書かなければならなかった」というのは正しいのでしょう。ですが、もとをたどれば「問題文を読んでいない」ということが、この子が犯してしまった最大のミスなのです。局所的な反省ばかりをしていると、次に化学式や元素記号の問題が出題されたときには注意が向くかもしれませんが、そこから離れて違う単元や科目の問題、また問題文をきちんと読まずに同様の間違いを繰り返すことになります。「次数を答えなければならないのに係数を答えた」「活用形を答えなければならないのに活用の種類を答えた」「記号を答えなければならないのに語句で答えた」など、間違えるたびに局所的な反省をして、また次に別の場所で間違えて局所的な反省をする。これを繰り返していてはどれだけ時間があっても反省する時間が足りません。大事なのは、具体的な間違いを一般化し、次に生かすことができる形で保管しておくことです。一般化するとは、他の問題にも共通する根本的な部分を確認するといってもいいでしょう。「化学式と元素記号を間違えた」という狭小的で表面的な部分ではなく、もっと深いところに自分の弱さを見出すことです。一般化してみると「問題を読んでいない」という原因ばかりであることに気づき、自分がいかに問題を雑に読んでいるのか、いかに聞かれたことを理解せずに解答しているのかが分かります。「自分は問題を雑に読む傾向がある」という根本的な弱さを自覚できるようになれば、意識が「問題を正確に読む」というところに向いていきやすくなります。反対に狭く、浅い反省しかしていないと、限られた部分にしか意識が向かなくなります。せっかく反省をしても、その反省があまり生きてこないのは、表面的な反省で止まっているからでもあるのです。

      

決して、「化学式ではなく、元素記号を書かなければならなかった」などという部分的な反省をしてはいけないと言いたいわけではありません。しかし、せっかく反省をするのであれば、他の単元や他の教科でも生きてくるような反省をすべきでしょう。そのために間違いを一般化することです。目の前の問題を解くための反省ではなく、これからやってくる同じ原因の間違いを防ぐための応用可能な反省をすべきです。せっかく今回の定期考査でたくさんの✕をもらってきたのですから、それらを無駄にしてはいけませんよ。もらってきた✕は自分の弱さを強く自覚するチャンスなのです。

       

       

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