2024年5月17日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

新学習指導要領の足音…

ご存知の通り、中学校では2021年度より新学習指導要領が全面実施となります。今の中1生はこれまでの学習内容と何ら変わりありませんが、問題なのは現小6生、つまりこの春に中学校に入学する生徒です。現小6生は、中3の学年からの新学習指導要領全面実施に伴って、中1・中2が移行措置期間となり、新学習指導要領の一部が入り込んできます。数学であれば、現在は中3で学習している素因数分解を中1で学習し、現在は高校で学習している四分位範囲や箱ひげ図を中2で学習するなどの変化があります。また、理科では、現在中3で学習している2力のつり合いや放射線などを中1・中2で学習することになります。単元によっては、現中1生が学習するより前に、現小6生が学習するものが出てくることになります。とはいっても、数学や理科に関しては、3年間で学習する量が大幅に変化することはなく、どちらかと言えば科目の中の流れを意識した変化だといえます。たとえば現在は、中1でゆれる大地・火をふく大地(いわゆる火山・地震)を学習し、中3で火山災害・自然災害を学習しています。関連事項にもかかわらず、ばらばらになっているこれらの内容を、新学習指導要領では関連事項として中1でまとめて学習していくことになります。

    

最大の問題は「英語」です。小学校での英語学習の影響で、中学校卒業までに覚えるべき単語数、文法事項が大幅に増えます。高校で学習している仮定法や原形不定詞、現在完了進行形などを中学校で学習することになります。正しく勉強すれば難しいものではありませんが、ただでさえ現状の学習内容だけでもいっぱいいっぱいの子が多い英語において量が増えるというのがどういうことなのかを考えなければなりません。小学校での英語指導があるがゆえに、中学校卒業までの学習量が増えているのは言うまでもありませんが、問題はこの春中学校に入学してくる子どもたちが、中学校でのボリューム増加に耐えられる英語力を身につけているのかどうかという点にあります。もちろん小学校でも移行措置期間がとられてはいます。しかし小学校でどこまで英語力を身につけているのかは甚だ疑問です。新学習指導要領では、小学校卒業時点で700語の英単語を習得することを目標としています。はたして、小学英語でそれだけの単語を習得できているでしょうか。また、中学校ではこれまで1200語でよかったのが、1800語に増えています。やるべきことが増えると、中学校では必然的にこれまで以上にスピードアップして学習を進めていくこととなります。きっと現小6生は、中学に入学すると、「小学校で勉強したからできるよね」と言われることでしょう。土台となるbe動詞や一般動詞というものが、「小学校でやったでしょ?」ということで疎かになることもあるかもしれません。本当に小学校で基本を丁寧に教えているのであればいいですが、小学校での英語授業について話しを聞く限りは、根幹となる文法にはウェイトを置いていないようです。であれば、英語の基本であるbe動詞・一般動詞の指導はどこで、誰が行ってくれるのでしょうか。これまで3年間で勉強していた英語を、5年間(あるいはそれ以上)学習するわけですから、正しく学んだ子はこれまで以上に英語力が伸び、その機会が与えられなかった子との差は大きく広がります。

     

学習指導要領が新しくなろうと、小学校で英語を学んでようと、青凜館では基礎の基礎から英語を指導します。I am Ken. I am a student. I am from Japan. という小学生でもわかる文から始めます。理由は二つあります。一つは、小学校での英語を一度リセットして、間違った英語の理解を改めるため。もう一つは、基礎を正しく身につけておくと、高校内容の英語であっても簡単に理解でき、納得して解けるようになるためです。基礎を固めて、そこに積み上げていくというのは当塾の指導方針でもありますが、とりわけ英語に関しては中1での理解のレベルが、ボディーブローのようにじわじわ効いてくることになります。中1の文法を正しく習得した子は、中2・中3でもまずつまづくことはありませんが、中1にサボってしまい、基礎を固めずに進級してしまった子は、英語の学習に必要以上の労力を注がなければ、周りのペースについていくことは難しくなります。親御さんの中には、「何よりも中1の勉強が大事だと思うんですけど、なかなかうちの子は勉強する気が無いようで…」とおっしゃる方もいますが、中1の勉強が大事だとお分かりならば、きちんと中1のときから勉強するように仕向けるべきです。あとから一気にやろうとすると、やるべきことの多さに辟易して、さらに勉強から遠ざかることになります。はじめに「自分も勉強すればできるんだ」という良いイメージを持たせてあげると、その状態を維持するために、勉強する習慣というのが身につきます。初めにも述べたように、この春中学校に入学する新中1生は、中1・中2が移行措置期間となり、中3からは新学習指導要領が全面実施となります。さらに、大学受験では共通テストの本格実施の最初の学年にもあたります。想像以上に子どもへの負担が大きいのが、新中1生なのです。「中3になってから塾に行こう」「部活引退してからでも…」「成績が下がってから…」と考えていると、大変なことになるであろうというのが新中1なのです。是非とも保護者の方には、お子さまが中学に入学する前に「我が子の学力とこれからの教育改革」というものを考えてほしいと思います。中学校生活が始まり、流れに乗ってしまう前に、一度立ち止まって、成績が上がる勉強のやり方、あるいはどの塾に任せるのかというものを模索してください。

    

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