昨日は模試を行いました。終了後には軽いお説教を挟み、自己採点・解き直しを実施し、その日のうちに傷口を塞ぎます。よく言われますが、模試は解くことに意味があるのではなく、弱点を発見し、そこを克服することに意味があります。テストを解く時間は約5時間ありますが、その後に反省も解き直しも何もしなければ問題を解いた5時間はほとんど無駄な時間に終わります。模試後に何もしないのであれば、その5時間はゲームでも、買い物にでも使ったほうがマシです。その方が豊かな休日を過ごすことができるでしょう。ということで明日の授業で模試の類似問題をさせてみて、どれだけ傷口を塞いでいるか確認することとしましょう。
生徒の答案を見ていると、300点中200点を切る生徒には共通点があります。それは「ぱっと見の印象」に簡単に騙されることです。例えば社会の問題でグラフが3つ並んでいたら早々と諦める、古文ははなから諦める、理科の実験問題は文章が長いからどうせ読んでも分からないだろうと諦めるなど、戦う前から「なんかこれは難しそうだから」という理由で諦めていきます。読んでみれば大して難しくないにも関わらず、簡単に点数を放棄するのです。また、記号選択問題でも、「なんとなくそれっぽい」選択肢にやすやすと騙されます。選択肢の出だしだけ見て判断してしまうのでしょう。きっとこの選択肢に騙されるだろうという選択肢にものの見事に騙されていると、これからの情報社会において、この子は悪意のある情報に騙されることなく生きていけるのだろうかと不安になります。受験で学んだ知識を大人になって発揮することはあまりありませんが、「正しく問題を読み取る」「何が書かれているのか把握する」「問われていることに答える」「簡潔にまとめる」「相手が理解できる文章を書く」「論理的に説明する」などという部分に関しては、大いに応用できるものです。受験勉強を正しく戦うことが、社会に出たときに必ず有益なものになると確信しているからこそ、塾生には十分すぎる努力をして受験本番を迎えてほしいのです。
模試後にはいろいろとダメ出しをしましたが、褒められる点もありました。そのうちの一つは作文です。作文が非常にうまく書けるようになっています。もちろんこの時期の模試ですので、作文テーマが典型的で、簡単であることは否めませんが、自分の意見とその根拠を表現を変えて繰り返し伝えたり、譲歩の構文(確かに…だが、~)を使ったりと、引っかかる点が少なく、すらすらと読み進めることができるものが多くなっています。確実に点数が取れるところで、確実に点数を取れるようになっているのは大いに成長を感じるポイントです。
ただし、全体的に知識量が足りません。特に社会と理科の知識不足はこれから3教科の足を引っ張ることは間違いありません。暗記が嫌なのは分かりますが、必要な知識をほぼほぼ暗記していないのに合格することなどありえません。どこかのタイミングで暗記漬けにしないと取り返しのつかないレベルにきています。よって、近日、暗記漬け?暗記祭り?暗記地獄?とやらを開催する予定です。