2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

2018福岡県公立高校入試分析⑤(英語編)

いよいよ最終科目、英語です。入試問題を一人で分析し、記述するのは初めてだったので想像以上にエネルギーを使います。しかし、指導者は、子どもたちに、模試や定期考査の後に反省するように言っているわけですから、高校入試問題を見て指導者がその年の受験指導の反省をするのは当然なことです。良くも悪くも来年の受験に生かしていかなければならないのです。

 

英語ですが、大きな変化があるわけではありませんが、大問の一つひとつがやや解きにくくなっています。大問ごとに見ていきましょう。

 

【リスニング】

今年から配点が増えた分、出題傾向に変化がみられるという予想でしたが、やはり変化があったようです。問題1が選択肢も音声で読み上げられたため、焦ったかもしれません。質問と選択肢自体は平易なものですので落ち着てい取り組めば問題ないでしょう。問題2は(2)の英文がやや長く、情報を整理しなければなりません。「Yoko cannot go to the festival on May third」をきちんと聞けるかが点数を分けるところです。問題3はおなじみの会話文なので慣れたものでしょう。問題4は長文を聞いて情報を整理していきます。問題文中に絵があるのでそこに書き込んでいけばよいでしょう。英文を見る限り、難しい単語、表現があるというわけではありません。リスニング力は耳の良さではなく、文法力と英語のリズムに対する慣れが大きいですので、地道に練習していくしかありませんね。

 

【大問1:対話文選択】

以前までであれば、対話文選択問題は英語が苦手な子の得点源だったのですが、最近はそう簡単にはいかなくなっています。特にC、Dの選択肢は長文化してるので、意味をつかみにくかったかもしれませんが、それでも単語を丁寧に追っていけば正解できるはずです。2の赤ちゃんが生まれたという内容はあまり見かけないので少し新鮮でした。「直前だけ」「直後だけ」をみて解くのではなく、「直前と直後の内容を吟味して」解かなければならないのが大変です(とはいっても、他の大問に比べて簡単です)。

 

【大問2:対話文読解】

大問2、大問3と読解問題が続きますが、個人的にはこちらの大問2のほうがややこしいなと感じました。問1の並べ替えには若干のひねりがあり、①のone of 複数は問題ないのですが、②の接続詞thatの省略は難しかったかもしれません。形容詞の後ろについて「~なので」を表すthatで、この場合くだけた会話なので省略されているようです。きちんと構文を理解して正解できた子はどのくらいいるのでしょうか。問2も内容を理解していないと書けないので難しいです。問3の(1)もよくわかんないけど、2語の複数形の名詞を書いたら正解したという人も多いのではないでしょうか。(2)も文章やその流れを把握していなければ解けません。結局、表現力とかコミュニケーション力とかいろいろ言われますが、ちゃんとした英文を読めないと話にならないということです。

 

【大問3:エッセイ読解】

将来の夢に関するエッセイはよくありますが、やや内容の把握には苦労したと思われます。山崎直子さんがディスカバリー号に乗って宇宙に行ったのが2010年で今から8年前ですので、時代の流れの早さを感じます。問1は答えとなる部分だけでなく、主語・動詞をきちんと書きなさいという問題です。三単現や過去形に注意が向いておらず間違ってしまった子は、大反省をしてください。高校入学後においてどの科目にも言えることなのですが、英語に関しては特に注意力の欠如は致命的となります。問2の具体的な内容が書かれている箇所は見つけやすいのですが、日本語に直すのが厄介ですね。特に2つ目の英文はbringの第3文型と関係代名詞を組み合わせているので、ぎこちない訳になったかもしれません。それでもかまいませんが、意訳してより自然であればベストです。問3motivatedの言い換えはそれほど難しくないでしょう。もともとpowerなんて言葉は中学生が食いつきそうなものですし、その後のセリフにThank you.とあるので何となく正解できたと思われます。問4は内容一致問題です。5の選択肢はすぐに選べますが、2の選択肢は少し難しく感じるかもしれません。全体的に、文脈、内容をある程度理解していなければ解けない問題が多いので、英語力を鍛えていきましょう。文法や単語を軽視していないで、毎日こつこつ取り組むことが重要です。

 

【大問4:自由英作文】

選んで書く形式は久しぶりの登場です。4年ほど前に「海が好きか山が好きか」という問題がありましたが、それ以来でしょうか。書きやすそうなほうを選べばよいのですが、どちらも変わらないかもしれませんね。8点分ありますので確実にものにしたいところです。

 

英語が得意な子は満点近くを取ることができるでしょうが、苦手な子は全く歯が立たない(特に大問2以降)可能性はあります。定期テストの前しか勉強せずに培った細切れの知識では、受験英語には対応できないということを頭に入れて日々の勉強に取り組んでください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。