2024年11月2日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

前傾姿勢をとる

テスト勉強中の生徒のようすを見ていると、姿勢に関して大きく二つに分かれます。「背もたれに背中を付けている子」と「背もたれから背中を離している子」です。二つの姿勢タイプで生徒を分け、それぞれの定期テスト平均点を求めてみると、ちょっとやそっとでは埋められない大きな差があることがわかります。背もたれによっかからない子はおおむね成績がよく、寄っかかっている子はおおむね中下位層にいます。もちろん絶対にそうだとは言えませんが、このような傾向は、私がこれまで在籍した塾でもかなりの頻度で見られます。

    

なぜ背もたれに寄っかかる子は成績がイマイチなのか考えてみましょう。そもそも「背もたれに寄っかかる」ことが「学力低下」を招いているわけではないと考えます。学力が今一つの子は、はなから勉強に費やす時間が少なめです。長時間の勉強をしないため、長時間座り続けるための筋肉、机に向かって前傾姿勢をとり続けるための筋肉、長時間鉛筆を動かし続ける腕・肩・指の筋肉が鍛えられていません。そのゆえ、勉強を続けると自然と楽な姿勢をとってしまいます。その楽な姿勢こそが、背もたれに背中をつける行為なのです。ほかにも、長時間勉強できない子は、左手を机にのせずに、だらーんと垂らしてしまうという傾向もみられます。背中をつけるから勉強できないのではなく、勉強をすることに慣れておらず、長時間の姿勢キープができないために背中を付けてしまうのでしょう。裏を返せば長時間、前傾姿勢で勉強する習慣ができれば改善が期待できます。塾の授業だけではなく、ご飯を食べるとき、学校で授業を受けるときなど、普段から姿勢を正すという意識づけをしていくことが大切です。

     

では、なぜ背もたれに背中を付けてはいけないのでしょうか。私が考える理由は大きく3つです。

理由① 目と机の距離が遠くなるために問題が読みにくくなり、読み間違い等のミスが起こりやすい。問題を解くにしても、丸付けをするにしても、文字と目の距離が大きいとどうしても見間違い、読み間違いを犯してしまいます。

理由② 問題を解くスピードが出にくい。机に向かって前傾姿勢をとると、両腕を机にセットして、顔を上半身で支えることができます。すると、目や顔の位置が安定するため文字をすばやく正確に書くことができます。さらに自然と腕が曲がり、腕の筋肉を使って文字を書くことができるので、筆圧も強くなりはっきりとした文字を書けます。

理由③ 学校の先生に印象が悪く映る場合がある。姿勢なんて気にしないという先生がいる一方で、だらけた態度(あからさまに背もたれに背中をつける姿勢)をとる子には厳しい目を向ける先生もいます。目立つようにたくさん発表する必要はありませんし、わざとらしく先生の話にあいづちを打つ必要もありません。同様に、先生の印象が悪くなるようなだらけた姿勢をとる必要もないのです。

      

姿勢は、注意すればそのときは直りますが、短期間で完全に改善できるようなものではありません。やはりこれまでの長年の習慣や癖が大きいです。常に姿勢を正しなさい、というわけではなく、onとoff、プライベート空間と人の目がある場所での切り替えをすることが子どもたちには求められるのでしょう。

     

     

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