2024年5月17日
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令和3年度 福岡県公立高校入試分析⑤(英語編)

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今年度の分析もいよいよ最終科目になりました。ラストは英語です。ここ3年程、同じようなパターンの出題が続きましたが、今年はどうだったのでしょうか。

    

今年もリスニングと筆記大問4つの出題でした。筆記の大問2と大問3の配点に若干の変更がありました。

     

●リスニング

受験生に聞くと、模試よりも音声スピードが速く感じたようです。スクリプトを見ての考察ですので、参考程度に見てください。

問題1 英語で読まれる質問の答えとして適切なものを選ぶ問題です。例年、易しいものばかりで出題されますが、昨年の(2)のように正答率の低い問題もあり得るところです。

(1)のLet’s~の応答は、模試でも出たことがありますね。否定の応答であれば難易度は上がりますが、今回は超絶分かりやすい肯定でしたので、ほとんど正解できたでしょう。易しい。

(2)のHow long~の疑問文もそれほど難しくありません。選ぶべき応答もFor two hours.と、非常にシンプルなものでした。易しい。

(3)には間違いを誘うポイントがいくつか散りばめられています。1つ目は、質問の前に前置きがあるので、疑問文が出るのを待たなければならない点。2つ目は、疑問文が間接疑問なので、文頭がDoであり、疑問詞が文の途中に出てくる点。3つ目は、アとイの選択肢でYes、Noをもってきており、間接疑問だと判断できない受験生の間違いを誘っている点。4つ目は探しているものがbookstoreであり、bookとの間違いを誘っている点。5つ目はウとエの選択肢はどちらも場所を表す表現である点。探しているものが、bookstoreなのかbookなのか判断できていなければ間違えてしまいます。正答率が低いとしたらこの問題でしょうね。やや易しい。

問題2 表を見て質問に答える問題です。昨年は正答率がかなり低い問題でした。

(1)のような時間の表現が出てくる問題は、受験生は苦手です。最後の2 dollarsは聞き取りやすかったでしょうからDの選択肢はあり得ません。間違うポイントとしてはby 10:00のところでしょうか。10という数字に惑わされてBを選んでしまうかもしれません。普通。

(2)のはじめに出てくるafternoonは聞き取りやすいでしょう。次の比較表現での聞き取りミスが多かっただろうなと予想されます。文末に出てくるanimal moviesに影響されて、14:30を選んでしまったでしょうか。断片的に聞いているとあとに出てくる単語が耳に残ってしまい、比較の大小が逆になってしまう、というのは比較あるあるです。普通。

問題3 対話を聞いて質問に答える問題。日本語を書くのを練習する方法についての対話です。

(1)は「ケビンは、日本語を書くのが難しいと思っているか」という問いです。これは対話中でもそのまま発言しているので、分かりやすかったかと思います。易しい。

(2)は「美佳がどのように英語を書く練習をしたのか」という問いです。対話中で「手紙を書く」という話をしているので、ウを選べたかと思います。間違うとしたら、対話中に出てくるlettersやteacher、Australiaなどが使われているイでしょうか。やや易しい。

(3)は「上手に泳ぎたければ、水の中で泳ぐ練習をしなさい」という言葉を使うことで、美佳が何を伝えたかったのかを問う問題です。「日本語を上手く使いたければ、コミュニケーションの中で日本語を使いなさい」と言い換えるのは難しくありません。質問が長いので、よく聞き取れなかったという子もいたでしょう。普通。

問題4〈問1〉 説明を聞いて質問に答える問題。

(1)は説明中で、Cooking RoomとIndiaという英語が続けて流れますので、ほとんど正解できたでしょう。易しい。

(2)はあらかじめArt Roomを聞き取る準備をしておけば、解答の箇所に気づくのはそれほど難しくありません。a lot of とmanyの言い換えもあるあるです。interestingは聞きとりやすいですが、picturesの方はやや聞き取りにくいでしょうか。複数のsのつけ忘れはいただけません。普通。

(3)は問題文の質問が長いので、あらかじめ読んでおかないと厳しいです。ただし、質問が長いということは、それだけヒント(キーワード)が多く書かれているということです。Gymやneed to、Officeなどのヒントを頼りに、解答の箇所を見極めます。makeやcardは問題ないでしょうが、nameはやや聞き取りにくいかもしれません。やや難しい。

問題4〈問2〉 英語の質問に英語で答える問題。今年は「カナダでの学生の生活について何をたずねたいですか。カナダから来た学生に尋ねる質問を一つ書きなさい」でした。ここ数年、非常に易しい問題となっていましたが、今年は難しかったです。はじめに疑問文が流れて気を抜いたところに、後からもう一つ英文が流れてきたので焦ったことでしょう。塾生の中にも、後半の英文がよく聞けなかった子がいました(もちろん、前半の疑問文の段階で脱落した子もいました)。難しい。

難易度としては昨年と同じぐらいでしょうか。リスニングは20点もの配点があります。ここでいかに点を落とさないようにするかは、ボーダーラインを漂う子にとっては重要です。

     

●大問1

毎年6割~8割ほどの正答率があります。上位層の子は当然満点を目指しますが、中下位層の子でもここのミスは避けたいところです。ひっかけの選択肢に惑わされず判断できたかがポイントです。

A 直前に「電話できなくてごめん」、直後に「お母さんのお手伝いをしなければならなかった」とあるので、イの「いそがしかったの?」を選びます。易しい。

B 直前で傘を探していて、直後で「ありがとう」とあるので、エの「2つ持っているから、1つ使っていいよ」を選びます。易しい。

C 理科の宿題についての対話です。直前に「私は木の伐採について書きました。あなたは?」とあり、直後に「海洋ゴミについて書くつもりです」とあるので、イの「まだ書いていません」を選びます。間違うとしたらエでしょうか。普通。

D 直前に「海洋生物を救いたい」、直後に「授業の前にアイディアが必要です」とあるので、アの「一緒にそのための方法について話しましょう」を選びます。イの選択肢は直後の文と矛盾するので間違いです。普通。

C、Dの判断で差がついたかと思われます。ただし、昨年よりは若干解きやすかった印象です。

     

●大問2

ロンドンの和食教室に関する対話長文です。会話の軸となっているのは、外国文化の理解(異文化理解)です。このテーマもよくあるものなので、特別珍しさはありませんでした。

問1 並べ替えです。毎年、50%以下の正答率しかありません。

①は主語のitを見た瞬間に「これはit for to」じゃないかと思ったはずです。形容詞が比較級になっているところで混乱を狙っているのでしょうか。易しい。

②は直前までで文は終わっていますので、接続詞や修飾語句が続くことになります。foodの直後にwhichを置くことができれば、正解できる確率はグッと高まります。福岡の入試では、関係代名詞の目的格の出題はたびたびありますが、主格の出題はここ20年で初めてです(見逃しがあるかもしれません)。やや難しい。

問2 対話中の空欄にあてはまる文を選ぶ問題。数年前までは定番だった、会話中の文補充です。大問1でも同じような問題を解くのですから、わざわざここで出題しなくてもいいと思うのですが…。易しい。

問3 メール文中の空所にあてはまる内容を選ぶ問題です。会話部分の下から6行目のスミスさんのセリフ(We understand~)が解答の根拠になります。間違うとしたらエの選択肢でしょうか。普通。

問4 「咲と貴は何を学んだか?」という質問の答えを選ぶ問題。メール本文の下から3行目(this experience~)あたりが根拠になります。「異文化に触れる経験を通じて、異文化の理解ができる」というのがこの会話の軸となるテーマでした。普通。

ここ数年出題があった同義表現を抜き出す問題や質問に英語で答える問題は出ませんでした。若干の形式変更に焦ったかもしれませんが、問題の難易度はそれほど高くありません。

    

●大問3

「やる気のない主人公がやる気を起こす」という内容。このような内容は目新しくありません。今年はそこからさらに、頑張る主人公の姿に周りの生徒もパワーをもらうというストーリーに発展します。非常に教育的なストーリーです。

問1 本文に関する英語の質問に英語で答える問題。本文からそのまま抜き出せばよいだけです。非常に味気ない問題でした。易しい。

問2 are keen toの言い換え表現を選ぶ問題です。直後の文にあるpractice hardあたりがヒントになります。マイナスの内容ではないのでアやエの選択肢は消えます。イは文脈的に不適切なので、ウが答えです。もちろん、内容からすぐにウを選べた子も多かったでしょう。やや易しい。

問3 指示語の具体的な内容を日本語で答える問題。平成30年の宇宙服の内容説明はなかなか難しかったですが、それ以降は非常に受験生思いの出題が続いています。今年の問題はとりわけ簡単だった印象です。直前の文を日本語に直せば終了です。もちろん、代名詞は具体的に書きかえ、文末表現に気をつける必要はありますが、難しい単語も文法もないので、解きやすかったはずです。英語が得意な受験生にとっては残念な問題でした。やや易しい。

問4 英文の内容に合うものを選ぶ問題。アは佐藤先生に尋ねている内容が違います。イはバレーボールの練習をやめなさいとは言っていません。ウは問題なし。エは「時々早く家を出ることができなかった」が誤りです。決して(早く学校に行くのを)やめなかったと言っていますね。オはbecause以下が誤りです。問題3の解答部分が理由にあたります。カは問題ありません。間違うとしたらエの選択肢でしょうか。普通。

問5 英語の質問に対する自分の答えを書く問題。昨年まで大問2で出ていた問題です。「やる気が無いときにどのように勉強しますか」という易しい質問でした。決して欲張らず、書けるものを書きましょう。易しい。

本文の内容としては非常にわかりやすかったはずです。Nobuo、Takuya、Aya、Ms. Satoなど、人名が複数出てくると、途中から誰の話をしているのかが分からなくなるというのは、長文読解あるあるです。問4では主語を入れかえて誤りの選択肢をつくることがありますので、慎重に正誤判断しなければなりません。

     

●大問4

今年の英作文は「英会話クラスの受講方法を選ぶ」という、今年ならではの出題でした。このテーマは直前の出題予想通りでした。また昨年同様、二つのクラスについて触れるというものでした。この辺については、どの塾でも対策していたところでしょうから、問題なく対応できたかと思います。クラスAは毎週決まった曜日の決まった時間に、学校で、複数人で学びます。クラスBは曜日や時間が選べて、インターネットを使って自宅などの好きな場所で学べます。塾生はクラスAを選んだ子が多いです。普通。

      

個人的に思う各大問の難易度は以下の通りです。

リスニング 昨年並み

大問1 やや易しい

大問2 昨年並み

大問3 やや易しい

大問4 昨年並み

昨年からは若干の変更点もありましたが、それ以上に読みやすい、取り組みやすい問題だという印象です。このレベルの問題であれば、上位層の子の場合、筆記は満点に近い点数を取るでしょうから、リスニングで点数が分かれることになります。一方で、中下位層の子は、リスニングでの高得点はあまり期待せずに、筆記を確実に取っていくのが大事です。

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