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先日、ある生徒が英文和訳の問題が解けていませんでした。なぜできなかったのか、そのわけを尋ねたところ、彼はこう答えました。
「英語の勉強が足りないからです」
彼の答えは一見、正しいようにも思えます。英語を勉強しないから、英語を日本語に訳すことができないという因果関係は適切な感じがするでしょう。しかし、彼の言葉を理由として受け入れてはいけません。なぜなら、そこには「具体性」が全くないからです。英文和訳問題ができない理由は明確に存在しているにもかかわらず、それを考えようとせず「英語の勉強が足りない」というぼんやりとした理由で処理しようとしているのです。もしこれが成績がある程度取れる子であれば、「この単語の意味が分かりませんでした」「時制を確認していませんでした」と具体的に分析できます。問題が解けず、成績が上がらない原因は「具体性の無さ」にあるのです。
子どもたちが「わからない」「できない」と言ったらどうしますか。ここで最もやってはいけないのは、「わからないから教えてあげる」です。それでは完全に子どもの思うがままで、ただ子どもが楽をするだけの行為です。まずやるべきは、「どこまでわかっていて、どこが分かっていないのかを確認する」です。「どこまでできたの?」「どこで行き詰ったの?」と聞けばいいのです。このように聞いて、具体的に答えることができればそこからの解決法を伝えればいいでしょう。ただし、伝えるのは答えではなくヒントです。1から10まですべて伝えるのは最悪の指導者です。必要なヒントだけ提供し、答えは生徒に出させるのが重要です。もし「どこまでできたの?」と聞いて、「はじめから全然わかりませんでした」「どこがわからないかわかりません」などと言ったり、言葉に詰まったりするのは、そもそも問題を解こうとしていないことが考えられます。考えるのが面倒くさいから、とりあえずわからないことにしてしまおうという甘い考えが透けて見えるのです。このような場合、私は何も教えません。「まずは自分自身で考えなさい」の一言で終わりです。子どもたちにとっては冷たい言葉に思えるかもしれません。しかし、成績を上げようと思えば、「自分で考える」ことの面倒くささやストレスに立ち向かわなければなりません。
昨今の入試問題は、私でも面倒くさいと感じることが多々あります。ですから経験値の少ない子どもたちにとって、入試問題を解くのがどれほど大変なのかは分かってはいるつもりです。入試問題を読むのも面倒、資料を分析するのも面倒、記述するのも面倒…。一問一答形式で単純に答えを出すことができる問題は減り、答えを導くのにこれまで以上にストレスがかかる問題が増えてきます。そのことに対する耐性を身につけるためには、日ごろの勉強で負荷をかけることです。自分が簡単に手の届く範囲だけで満足するのではなく、それよりもっと先に手を伸ばそうとすることです。やるべきことはシンプルです。やり直し・解き直しを行うこと、なぜできないのかを具体的に分析すること、そしてできるようにするために必要な知識・技能を習得することです。当たり前のことを当たり前にやっていけば、段階的に成績が上がっていくのが中学の勉強です。成績が上がらないのは、勉強のやり方(適当さや雑さ)に原因があるのではないでしょうか。