2024年10月9日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

絶対に見逃してはいけない「実数」と「割合」

現在、春期講習生を募集しております。

詳しくは「2020年春期講習」をご覧ください。

明日 2月16日(日)13:00~18:00は塾が開いておりますので、お気軽にお問い合わせ、あるいは塾へお越しください。

       


     

首都圏ではこの時期から公立高校入試が始まっています。私も全国の入試が始まると、「今年はどんな問題が出たのかな~」といくつかの問題を解いています(受験生の方も、ホームページで最新の入試問題を見ることができますので、実力試しとして挑戦してみるのもいいのではないでしょうか)。昨日行われた神奈川県の公立入試から、この時期だからこそやっておきたい問題を1つピックアップしました。細かな知識が無くても解ける問題ですので、非受験生の方や保護者の方もチャレンジしてみてください。

      

問題 次の表は、非正規雇用で働く人について、性別及び年齢層ごとに示したものである。この表から読み取れることについて説明した文として適切でないものを、あとの1~4から一つ選び、その番号を答えなさい。

1. 「非正規雇用で働く人の数」の半数以上は、女性である。

2. 65歳以上の年齢層について見てみると、男性と女性の両方において、「非正規雇用で働く人の数」が他の年齢層と比べて最も多い。

3. 45歳以上の男女の合計について見てみると、年齢層が高くなるほど、「非正規雇用で働く人の数が雇用者の数に占める割合」が増加している。

4. 25歳以上54歳以下の女性について見てみると、年齢層が高くなるほど、「非正規雇用で働く人の数が雇用者の数に占める割合」が増加している。

      

ブログにタイトルにもあるように、この問題の最大のポイントは「実数」と「割合」を理解し、区別できているのかどうかです。

「実数」とは、1、2、3…と数え上げていく数で、たとえば人数や個数、金額などがこれにあたります。今回の問題で言うならば、「非正規雇用で働く人の数」が「実数」です。

それに対して「割合」とは、ある基準(全体)に対する比率を表す値です。全体のうちどの程度を占めているのかはわかりますが、具体的にどれだけの「実数」が存在しているのかはわかりません。この問題でいうと、「非正規雇用で働く人の数が雇用者の数に占める割合」をさします。

「実数」と「割合」を混在させて、受験者の間違いを誘う問題は入試のテッパンです。この問題の場合、「実数」を比較するのか、それとも「割合」を比較するのかによって正誤の結果が変わってきます。「実数」と「割合」が併記されている問題に出会ったら、この2つを絶対に読み間違えないことが重要です。

      

選択肢の1は「数(実数)」を見なければなりません。しかし万が一、「割合」を見てしまっても結果は変わりません。

間違いやすいのは選択肢の2です。これは「数(実数)」を見なければなりませんが、もし「割合」を見ようものなら間違った結果を導いてしまいます。まさに問題作成者の思うツボです。

選択肢の3は男女合計の「割合」です。「数(実数)」を見てしまうと×にしてしまいます。

選択肢の4は女性の「割合」です。もちろん年齢の範囲や性別を見落としてもいけません。

(2の選択肢が誤りで、それ以外はすべて正しいです。)

      

神奈川県の問題ではもう一つ、「実数」と「割合」の違いを試す問題が出題されました。

     

問題 次の表2、表3について正しく説明したものを、あとの1と2から一つ選び、その番号を答えなさい(一部改)。

1. 表2をもとに、鉄鉱石の生産量の割合を国ごとに比較するときには、円グラフよりも折れ線グラフが適している。

2. 表3をもとに、都市ウを首都とする国からの輸出額の品目ごとの割合を示すときには、折れ線グラフよりも円グラフが適している。

      

この問題では、「実数」や「割合」を示すときに、どんなグラフを用いるべきかを問うています。円グラフは「割合」を表すのに適しており、折れ線グラフはある値の変化を表すのに適しています。したがって正解は2です。

      

入試本番で時間に追われて解くと、自分ではきちんと読んでいるつもりでも大事なところを読み飛ばしてしまうことがあります。そんなとき、もし「実数」と「割合」は引っかかりやすいから気をつけないといけない、という考えが頭の片隅にでもあり、焦りそうな自分にストップをかけることができれば、簡単なミスを防げるかもしれません。残り時間が少なくなればなるほど、今できていないことをできるようにする勉強よりも、防ぐことができるミスを防ぐことの方が重要になります。だいたい同じぐらいの学力層の生徒が1つの高校の枠を争うわけですので、いかにつまらないミスを防ぎ、着実に点数を積み上げていけるかが合否を分けるのです。

      

      

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