2024年5月17日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

甘く見ていた!

まずは、一言。

見事に甘く見ていました。

小学英語を。

    

今日は朝から教材展示会&学習塾セミナーを受講してきました。セミナーは、来年度からの小学校新学習指導要領の全面実施に関する内容がメインでした。国語も算数も理科も社会も、今年度とは大きく異なる教科書で、これまでとは違うアプローチで学んでいくこととなります。中でも小学生(あるいは親御さん、あるいは教育業界)にとって最も大きな変化は、教科化される英語です。小学校で使用する教科書がこれまで表に出てきておらず、これまでの英語学習と何が変わるのかが今一つ分からないというのが本当のところではないでしょうか。私自身も、具体的に何をするのかよく分かっていないということを言い訳に、来年度からの小学英語に対して関心をあまり抱いていませんでした。しかし、今日のセミナーで現実を目の当たりにして、「小学英語、ヤバいぐらい難しいじゃん。これ、小学生できるの?塾でも何か考えるべきじゃないか?」という方向に気持ちが傾きつつあります。

       

小学校での英語学習は、3年生から始まります。小3・小4は、話すことと聞くことの2技能で構成されるため、大半はアクティビティのようなものが占めることになります。また、小3・小4の英語は「外国語活動」と呼び、教科ではないため成績はつきません。英語の音や英語でのコミュニケーションに親しみ、楽しむことが目的だということができるでしょう。

ところが、小5からは、「外国語活動」ではなく「外国語」という教科に変わります。そのため、他の教科同様、成績(評価・評定)がつくことになります。600~700語という習得すべき単語数だけでも苦労するでしょうが、さらに扱う文型・表現の多さにも驚きます。be動詞、一般動詞という基本から始まり、疑問詞を用いる疑問文、過去形、助動詞、不定詞・動名詞、命令文など、「これは中1の教材か?」と思えるほどの表現を使うことになります。基本的に小学校では文法事項は扱わないので、「こう言いたいときには、この英語表現を使う」といった指導になると思われます。文法の理解をすっ飛ばして、覚えた型を使っていくのです。そして、中学校で本格的な文法学習が始まってから、「小学校のときに使ったあの英語表現は、こういうルールでできているんだな」と理解することになります。

     

多くの方が抱く一番の懸念事項は、中学入学の時点で英語力の差が開いてしまうことです。英語ができる子(英語に慣れている子)とそうでない子の差が、そう簡単には埋めることができないくらいに広がってしまうことは間違いないだろうと私も思っています。そしてその差は、中学校での文法学習によって、さらに拡大していくことでしょう。現状でさえ、中学英語で一旦落ちぶれてしまうと、そこから元のところに戻ってくることは容易ではありません。中1の文法もろくにできない子が、英語で点数を取りたければ、そこそこの勉強ではどうにもならないのです(昨日も新入塾生に、英語はすぐにできるようにならないから、できるようになりたいならば絶対に英語の勉強をサボるな、逃げるなと伝えたばかりです)。小3から小6まで4年間もあります。英語学習に前向きな子とそうでない子、あるいは学習塾に通う子と学校だけの子の間で学力の二極化がますます進むことになるでしょう。

     

当塾でも小学生の英語指導を検討し始めています。実はそれ以外にも小学生クラスではやりたいことがあるのですが、それを差し置いても英語をやるべきではないかと考えています(それくらい小学校の英語は大変です)。特に、リーディングとライティングは学校の授業だけでは手が回らないでしょうから、そこは塾の出番なのかもしれません。そうでなくても、地域、学校、指導者の配置などによって差が生じるのは明らかです。学習塾として、小学英語に対して何ができるのか、できるとしてほかの教科とのバランスをどうするのかなど、悩みは尽きないものですね。

    

とにかく、今日私が伝えたいのは、

小学英語、甘く見てたら、痛い目あう

ということでした。

      

       

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