2024年6月21日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

ことばに触れないと、語彙力は上がらない

小学部について質問がありましたので、まずはそれにお答えします。「小学生の授業は、5年生から6年生に上がったときに曜日が変わるのですか」という質問です。結論からいうと、曜日は変わりません。今の5年生は火曜・木曜が授業日ですが、6年生になったときもそのまま火曜・木曜が授業日となります。そして、来年度の5年生は水曜日・金曜日が授業日となり、6年生に上がっても授業曜日は変わりません。ただし、中学生クラスは学年によって授業曜日が変わります。小学生の指導を久しぶりに始めて改めて思いましたが、小学5、6年生の算数の学習内容と、中学1年生の数学の学習内容はほとんど同じですね。小学校できちんと勉強していれば、中1の1年間を中2・中3の勉強への準備期間、自主トレ期間にすることができます。今の学習内容がどのように発展していくのかを知り、時には簡単な問題に取り組むこともできるでしょう。反対に、小学校の勉強を適当にやっていれば、中1の1年間が小学校からの取りこぼしを回収する期間になってしまいます。先を見据えた勉強をする子と、現状だけで精いっぱいの子では、中2以降でますます差が開いていくことになります。今小学生に教えていることが理解できておらず使いこなせない中学生も多いですので、やはり小学校における勉強(訓練)は侮ってはいけないと感じています。

        

さて、私は幼いころ、月曜日の夜8時には水戸黄門を見るのが習慣でした。8時45分ごろに、印籠を出して勧善懲悪を果たすシーンはたまらなく好きでした。印籠を出すときのセリフは今でも鮮明に覚えています。

「こちらにおわす御方をどなたと心得る。畏れ多くもさきの副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ。御老公の御前である、頭が高い、控え居ろう。」

このセリフの後に、今まで散々悪事をはたらいてきた連中が一斉に頭を下げる場面を見ると、スッキリ爽快でした(こんなに簡単に解決するのであれば、戦う前に印籠を出せばいいじゃないかと何度思ったことか…)。初めて水戸黄門を見たのは何歳のときか覚えていませんが、気づいたときにはこのセリフを暗記し、意味も分からずに繰り返していました。そして、中学や高校で国語や社会など学習したときに、「おはす」「畏れ多い」「御前」「将軍」などこれまで何もわからずに覚えていたことに、きちんとした意味があったんだと知ることとなりました。水戸黄門のあの場面とセリフと言葉の意味を知ったときに、それらがすべてつながって、ただ知っていることば、無機質なことばを通り越し、「リアルなことば」「意味のあることば」として頭に残ったのです。

         

小学生クラスで目指していることに、「使えることばを増やす」というものがあります。ことばはお金と同じで、多く持っていることで困りはしませんが、少ないとやりくりに苦労します。ことばのロジックも含め、身についていることば数が少ないと、正しく文章を読み取ることができませんし、正しく相手に伝えることができません。小学生クラスで使用している国語テキストは、今の子どもたちの学力と比べるとやや難しいです。知らないことばも多く出てきています。世の中には、難しい言葉にはすべて注がつけられており、「どういう意味なのかな?」と考える間も与えてくれないテキストが存在します。文章を読み、問題を解くことに集中させようとしているのでしょうが、私からすると「このことばに注なんていらないよ!」と思うものが多くあるのです。知らないことばが出てきたときに、そのことばの意味を想像したり、文脈を読み取ったりすることで、ことばが身につきやすくなります。にもかかわらず、注に書いてある意味をそのまま受け入れてしまうと、せっかくの思考・分析する機会が奪われてしまい、注に書かれていることばの意味がその場限りの知識で終わってしまいます。ことばを身につけるためには、意味を想像することが大切です。はっきりと説明できなくてもよいので、使っている漢字や似たような言葉から、「おそらくこんな意味だろう」「口頭では説明できないけれど、言いたいことは分かる」と予測するというところがスタートです。そしてそれらの不安定さ・不完全さを補完するために、辞書を使ってはっきりとした意味をつかむことを癖づけておくとよいでしょう(先日、ある小学生が、言葉の意味を調べるために自分の辞書をもってきていました。ちなみに、中学生~高校生向けの国語辞典としては、ベネッセの表現読解国語辞典がおすすめです。ふつうの国語辞典とは一線を画し、読解における重要語の説明が詳しく、また用例が多く、意味をつかみにくい抽象的なことばはイラストなどを用い、大枠・概念を理解しやすいようになっています。大人であれば読むだけでも新たな発見が多く、楽しめる辞書です。もしこれから辞書を買おうと考えられている方にはおススメです→ベネッセ・表現読解国語辞典

     

何か話がまとまっていませんが、小学生の授業ではことばを増やし、深めることを大切にしているということです。先日の授業では、「具体」と「抽象」について説明しました。読解だけでなく、文章を書くときにも、具体・抽象の関係は重要です。具体的なことばかり書くとかったるくなりますし、抽象的なことばかりだと内容が伝わりにくくなります。小学校の作文でも読書感想文でも、具体と抽象を行き来することで、読みやすくなりますし、自分の考えが伝わりやすくなります(具体的な方法論については、ここでは書きませんが、授業の中では例文をあげながら説明しています)。小学生であっても、いや小学生だからこそ、ことばをたくさん学習するべきだと思っています。

    

    

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