2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

「作文」について

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予告通り、今日は作文についてです。作文については、このブログでも何度か取り上げています。

たかが作文、されど作文

ごちゃ混ぜ作文はダメです

         

小学校のときの作文は、「形式」を守ることを重視します。たとえば、段落の最初は一字分下げる、行の先頭に句読点は置かないなどが「形式」にあたります。内容や言葉遣いを度外視し、「形式」を徹底して意識させます。この徹底により、作文の「形式」が身につきますので、中学生でそれらの「形式」を守らない子はほとんどいません。ところが、「形式」に偏ることの副作用は当然出てきます。それが、「内容」であり、「文法」であり、「語彙」です。中学生は作文を書いたつもりになっていても、それは形式的には作文の雰囲気を醸し出していますが、読んでみると論理が矛盾し、飛躍し、意味が分からないものばかりです。

       

分かりやすく、論理的な作文を書きたいならば、最初に守ることは2つです。1つ目は内容を絞ること、もう1つは一文を長くしないことです。

      

内容を絞るというのは、詰め込みすぎないことと言い換えてもいいでしょう。これから何百ページにもわたる一冊の本を書くのであれば、ある程度の内容を入れることが必要になるでしょうが、子どもたちが夏休みに宿題などで書く作文はせいぜい原稿用紙2枚ほどです。定期考査や受験になれば200字程度しかありません。アナウンサーは1分間で400字ほどを読むそうです。つまり200字には30秒で話すぐらいの内容しか詰め込めないのです。そのたった30秒に、あれもこれも詰め込んでしまうと、内容がまとまらず、散らばってしまい、自分の強調したいところが伝わりません。ゆえに、まずはこれから作文に書こうとすることを1つに絞ることから始めます。たとえば、「日常生活で気をつけていることと、気をつけている理由を書きなさい。」という作文課題のときに、小学生や作文が下手な中学生は(または高校生でも)、2つ3つを平気で詰め込みます。「私が日常生活で気をつけているのは、挨拶をすることと食事のマナーを守ることです。」などという内容です。もっと悪質な子になると、気をつけることを大量に羅列し、それだけで作文を埋めようとします。たった200字で、「挨拶をすること」と「食事のマナー」についての理由を説明することは無謀ですし、仮にやってみたとしても、内容が陳腐で軽薄なものになってしまいます。1つに絞ったうえで、その1つについて詳しく、深く、具体的に説明するのです。そうすることでまとまりのある、なおかつ主張が明確で説得力のある作文になります。あれもこれも詰め込んで、行ったり来たりする文章は、読み手が混乱し、つまらないものになります。

      

一文を長くしないことも重要です。これは英作文にもいえることですが、「一文が長い=いい文章」だと思っている子は決して少なくありません。英作文でも、関係詞、分詞、接続詞、前置詞のかたまり、副詞など、あらゆる句や節を詰め込んで長文化し、「どうだ、俺こんな文章が書けるんだぜ!」とアピールするのは結構ですが、たいてい一文が長くなると文法的ミスが発生し、なにより文意をつかみにくくなします。つまり、分かりにくいということです。以下の文を読んでみてください。

「挨拶を気をつける理由は、挨拶をするとみんないい気分になり、笑顔になり、仲が良くなることで、団結力が上がり、絆が強まることで、友達の輪が広まるので大事です。」

小学生をお持ちの保護者の方は、このような作文をお子様が書いているのを見たことがありませんか。何となく良いことを書いているつもりでしょうが、きちんと読むと意味不明です。もちろん主語述語の関係が崩れているというのもありますが、なによりも一文に無理やり入れ込んだことにより、接続関係が分かりにくくなっています。一文で無理やりまとめようとするのではなく、一文が短くても構わないので、接続詞を使って文をつなぐようにします。たとえば以下のように書くことができます。

「挨拶を気をつける理由は、挨拶をするとみんないい気分になるからです。そうするとみんな笑顔になり、仲も良くなります。さらに団結力が上がり、絆が強まります。つまり、挨拶をすると友達の輪が広がっていくのです。」

国語の読解では「接続詞」の指導をします。接続詞は決して読むためだけに勉強するのではありません。文章を書くときにこそ接続詞の理解が試されるのです。

       

福岡県の公立高校入試の作文は、全国的に見てもやや書きにくい部類に入ります。ちなみに、今年の入試は、第一段落では、「秋を見つけよう」という活動において、幼児に対して、どのような場面で、どのような言葉をかけるかを具体的に書き、第二段落では、第一段落で書いた言葉をかける理由を、資料から必要とする情報を取り上げ、それらと結びつけて書くというものでした。また、昨年は生徒会のキャッチフレーズを自分で考え、そのキャッチフレーズの表現の良さについて説明するものでした。数年前は、グラフを読み取り、読み取ったことについて書けばよかったのですが、近年は「自分自身の考え」を書き、その良さや理由について説明させる形式の作文となっています。自分自身の考えをより明確に伝えやすくするためにも、文章の書き方や展開にも意識を向けていきましょう。

       

      

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