2024年10月15日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

冬期講習の塾選び

今週の定期考査のために、生徒たちは黙々と勉強にあたっています。今回は副教科もありますので、9月のときほど余裕は感じられません。塾の世界にいると、テスト前に勉強漬けになるのは当たり前だという認識をもつのですが、親御さんの中には、「そんなに勉強しなくても…」と思う方もおられるかもしれません。でも安心してください。こんなに毎日勉強漬けになってテスト勉強に取り組んでも、やるべきことはまだまだ山積しています。決して無駄なことを延々やっているわけではないのです。ですから、お子様が勉強に集中しているときには、「そんなに勉強しなくていいんじゃない」ではなく、「頑張ってるね」と声をかけてあげてください。子どもは大人に認められるとさらにやる気が出るものです。

 

当塾では中3生のみ外部模試を実施しています。塾内や学校内では判断しにくい、相対的な実力をはかることが目的です。結果が出て喜ぶ子もいれば、悲しむ子もいるのですが、模試の結果において0理解しておくべきなのは、その点数が今の努力の結果ではないということです。例えば、10月の下旬に受けた模試の結果は、10月に行った勉強の結果だと勘違いされる方がいらっしゃいます。実際の塾の現場にいると、受験勉強において1か月程度の短期間頑張ったからといって、目に見える結果となって現れることはほとんどありません。まれに直前に勉強したことがたまたま出題されて結果が出ることがありますが、別の単元ともなるとサッパリという子ばかりです。受験には幅広い知識が求められますので、明らかな結果が見える(つまり、偏差値が上がる)には少なくとも3か月はかかります。これまでの蓄積がそれほど無かったり、あまり器用でない子は、半年以上かかってようやくじわじわ上がってくることも少なくありません。ゆえに、10月下旬の模試は、7月以降、あるいはそれ以前からどれだけ知識を身につけて、問題への対応力を鍛えたかを見ているということです。

 

ですから、受験生で合格できる実力が全く身についていない子や、定期考査はそこそこの点数が取れるけど実力テストになると歯が立たないという子は、少しでも早く勉強のポイントや問題の解き方を指導してくれる塾に通うのが得策です。そこで問題なのは、どこの塾に通うのかということです。うちのような集団授業塾は決められたカリキュラムで進んでいきますので、途中入塾となるとなかなかついていくのが大変です(実際うちも中学校のすべての学習内容を指導し終えていますので、ここからの途中入塾は、かなり勉強する覚悟がないときついです)。しかし、集団授業の方が知識や経験の豊富な指導者の指導を受けることができますので、頑張って付いていく覚悟があるならばそちらの方が早い成長を遂げることができるかもしれません。一方、個別指導塾は、その子の学力レベルや学校の授業の進み具合に応じて指導してくれますので、ついていけなくなる心配が少なくなります。冬から入塾する場合、個別指導塾の方が安心なのは確かです。ただし、指導者の指導経験や問題に対する引き出しの多少に関してはあまり期待できないのと、未習単元を一つひとつ指導しなければならないため、受験対策に入るのが遅くなり、演習量が不足することとなります。どちらを選ぶにしても、良し悪しがあるということです。大手塾で勤務していたときにも、冬期講習から受講する受験生を何人も見てきましたが、その中のほとんどの生徒に私は同じことを思いました。「もっと早く来てくれれば、もっと成績が上がって、より高いところを目指せただろうに…」ということを思うのです。もちろん入塾する側からすると、冬期講習でキリがいいし、入塾金がかからない塾もあるし、余計な出費を抑えたいという事情もあるのでしょう。でも残念ながら勉強をしてから成績が上がるまでにタイムラグがありますので、冬期講習からでは遅いというのが本当のところです。可能ならば、冬期講習まで待つことなく、今すぐにでも入塾をすすめます。もし、冬期講習から入る塾を選ぶのであれば、かなり見極めて入塾しないと、まともな指導は期待できません。冬期講習から受講する子よりも、長く塾に通ってくれている子の成績を上げたい気持ちが強くなるのは当然でしょう。個別指導だと、「このままではまずいですね」と言われて、大量のコマ数を取らされることになりかねません。もちろん必要なものは受講するべきですが、個別指導のコマ数に関しては、即決せずに冷静に判断するべきです。

 

久しぶりに塾選びについて書きましたが、受験生の塾選びの中でも、この時期の塾選びは本当に難しいのです。受験生でこれから塾選びをされる方は、そこを理解しておいたほうがよいでしょう。また、塾に通っている中1、中2生で今一つ成績が伸びていないご家庭は、受験まで余裕があるこの時期に、「本当にこの塾でいいのか。この塾で成績が伸びるのか」を見つめなおすのもよいかもしれません。

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