2024年12月11日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

残酷なほどの学力差

夏期講習が始まり1週間が経ちました。塾では生徒に毎日の勉強時間を書いてもらうようにしています。7月21日(土)から7月27日(金)の1週間で、最も多く勉強した子は58.5時間です(もちろん中3生です)。1日平均すると8時間余りという具合です。塾の授業を含めた数字ですので、当然といえば当然ですが、中には塾の授業だけ受けて、自分では全く勉強しない子もいますので、その点しっかり自分でも勉強しているといえるでしょう。中2、中1は全員10~20時間程度です(しかも大半が塾の授業です。情けないですね…)。

 

そんな中、お伝えすべき事実があります。それはどの学年においても、「合計勉強時間」の順位と「通知表や定期考査の成績」の順位が一致しているという事実です。一つの例外なく一致しています。勉強をたくさんしている人の成績が良く、勉強をしていない人の成績が悪いのです。「そんなの当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうですが、当の子ども自身はそんなことに気がついていません。きっと「あいつは頭がいいから勉強できるんだ」とか「学校の先生の授業がつまらないから」などと自分自身の勉強不足というところに責任を感じません。まずは勉強できない、成績が上がらない原因が「勉強不足」にあることを認識しなければなりません。残念なことに、部活至上主義の福岡県(とりわけこの地域)においては、「勉強<<<<<部活」という不等式が成り立ってしまっています。部活で勉強時間が確保できないのならば、その部活を続けるべきなのかを真剣に考えるべきだと思います。「こんな成績では部活をさせるわけにはいかない」と思われる親御さんは結構な数いらっしゃると思いますが、実際にやめさせるところまではなかなかいきません(中には親御さんが強制的にやめさせる場合もあります)。「子どもが楽しんで部活をやっているから」、「他の部員との関係が心配だから」、あるいは親御さん自身が「子どもの部活動の活躍を楽しみにしているから」ということがあるのでしょう。ではできない勉強はどうするのでしょう。

 

考えてみてください。部活動で朝から夕方まで7~8時間練習したとします。それだけ練習して、「今日はすごくうまくなった。できないものが全部できるようになった。1、2回の練習で完璧になった。この調子でやれば明日はもっとうまくなるだろう。」と毎日大きな進歩を感じることはありますか?そんなことは当然ありません。普通は何回、何時間練習して、それで少しだけ形になるくらいです。「スポーツはちょっと練習したからすぐにできるようなものでない」、部活をやっている生徒は、こういうことを分かっているはずです。にもかかわらず、なぜか勉強は簡単に成績が上がるものだと思っています。むしろ、部活以外のごくわずかな限られた時間のみの勉強で成績が上がる「魔法」のような方法を探しています。毎日、長時間練習してもスポーツはできるようにならないのに、毎日、1時間そこそこの勉強で本気で成績を上げようと考えているようであれば、「一体部活動を通して何を学んだのかい?」と言いたくなります。部活動を通して、「努力することの大切さ」を学んだのではないですか。すぐには結果に出ないから、毎日続けること、途中であきらめないこと、何回もやることを学んだのではないですか。そのほかにも、「時間の使い方」「計画の立て方」「集中して取り組むこと」「礼儀の大切さ」「言葉づかい」「挨拶すること」…こういったことを学んだのではないですか。そういったことを教わっていないのか、あるいは教わったのに実行できないのかは不明ですが、どうにかしなければ受験の失敗、人としての信頼の失墜は目に見えています。

 

話は変わりますが、集団授業というのは否が応でも周りとの学力の差異を感じることになります。自分が全くできない問題を隣に座っている同学年の子がスラスラ解いている、捉えようによっては残酷であるといえます。十何年とほぼ同じ時間生きてきて、小学校でも中学校でもほぼ同じ授業を受けてきたのに、その学力格差はもうちょっとやそっとでは埋められない程広がっているのです。先日一次関数の式を求める作業を1時間丸々行ったのですが、その時間内では20問解いた生徒がいた一方、104問解いた生徒がいました。同じ時間で問題演習を行った場合、約5倍の差があります。104問解いた子の5倍勉強に時間を費やして初めて、肩を並べることができるのです。「104問解いた子が天才なのでしょう?」と思われるかもしれませんが、彼はいたって普通です。ただ単に言われたとおりに基本演習を積んでいるだけです。集団授業を受ける以上、自分のペースを変える覚悟が必要です。ペースを上げようと努力しなければ、簡単に脱落してしまいます。そして周りの子も誰かのペースに合わせようとせず、自分の実力を伸ばすことに専念するべきです。他の生徒に同情している場合などありません。成績を上げる意識の低い子は、「宿題分からなかったから見せて」と言われればなかなか断りにくいので、簡単に見せてしまいます。一見友達思いであるかに見えますが、それは相手が自分で考えるチャンスを奪い、成長を阻害する行為です。その安易な行為で、大切な友達の成績向上の芽を摘んでしまうのです。同じ中学校の人間が誰もいない塾に単身乗り込んだ生徒の成績が伸びやすいのは、友達に質問したり、誰かとつるんで低次元にとどまったりすることがないからです。友達関係を断ち切って入塾しているため、頼れるのは塾の指導者と自分自身だけです。そうなると簡単に塾を休むことができませんし、授業を聞き逃すこともできません。最終的に受験では一人で戦わなければならないので、早い段階で自立できた子が優位に立つのは当然です。塾では自分の成績を伸ばすことだけに専念するべきです。

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