2024年7月20日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

ペンは常に持っておきなさい

中1の授業で初めに指導することは、「いちいちシャーペンを机の上に置かない」ということです。中1生は小学校の時の名残で、「人の話を聞くときはシャーペンを置く」というくせがついています。小学校の時は、シャーペンを置かないと先生の話に集中しないのでそのような指示がなされます。先生の話を聞きながら書くという二つの行為を同時進行できないので、まずは聞くことに集中して、その後書くことに集中させるのでしょう。ひょっとすると、中学校になっても「人の話を聞くときは、シャーペンを置きなさい」と言われているかもしれません。

 

しかし、塾では「いちいちペンを置くな」という指示をしています。理由は大きく三つです。

一つ目はペンを持ったり置いたりする時間が無駄だということです。何か書かなければならないときにいちいち机に置かれたペンを取ってから書くのと、手に持った状態から書き始めるのでは僅かですが時間のロスがあります。しかし、その行為を何度も繰り返していけば自ずとロスタイムも増えていきます。全員がペンを机の上に置くのを確認しようものなら、その無駄な時間はさらに増えていきます。指導者の話を聞くだけなら、わざわざペンを置く必要などないのです。ですから青凜館では「じゃあ前を向いて」という指示はしますが、「ペンを置いて」という指示はまずありません。

 

二つ目はメモをするためです。小学校の時に「先生の話を聞いてから、その話をまとめて書く」という作業をしましたが、それは冷静に考えるとかなり高度なことです。先生の話を聞いて、覚えて、先生の「じゃあ今の説明をノートにまとめようね」という合図とともに、覚えたことをアウトプットしながら、きちんと整理した状態でまとめるのは並大抵のことではありません。先生が話しているときにそれを一言一句文字にするのは愚かですが、キーとなる言葉や説明をメモしておいて、後からそのメモをもとにまとめていくことは勉強において欠かせません。そもそも先生の話を一回で完璧に理解できる子なんてほとんどいないのですから、説明を聞くときにはメモを取るべきなのです。大人の理解力であってもメモを必要とするのです。子どもがメモをするのは当たり前なのです。

 

三つ目の理由は、メモを取ることは「自分は学習しようとしています」「吸収しようとしています」「知識を得ようとしています」という意欲を表すからです。大人の方であれば、新人社員を教育したことがあるかもしれません。大事なことを説明しているにもかかわらず、目の前にいる会社のことを何も知らない若者がただうなずいているだけで、メモをしていなければ、「この人はやる気があるのだろうか」と思うはずです。また、会社の会議において、担当者や上司が何か説明をしているときに、ぼけーっと話を聞いているだけの人間はいません。「ここがポイントなのですが…」とか「ここは注意してください」と言われたら一言メモをするか、ラインをひくかするはずです。しかし勘違いしてはいけません。決してメモを取るというのが目的ではないのです。忘れてはいけないからメモを取る、わかっていることだけど大事だからメモをとる、自分に向かって話している相手に失礼だからメモを取るのです。

 

もちろん、学校の授業の中で「説明のときにはペンを置きなさい」と言われたらその指示に従わなければなりません。そこで「塾ではこう言われたので」などと反抗していいことはありません。ペンを置くか否かだけでなく「塾ではこれでいいって言われました」と学校の先生に食って掛かるのもダメです。学校の先生は「塾ではこう言われました」というのを嫌います。学校と塾というのは同じことをやってそうで、実は違います。例えば牛丼屋さんの吉野家で働いていた人が、同じく牛丼屋さんであるすき家で働きはじめるときに、「吉野家ではこのやり方が普通だったんですけど」ということに何かメリットがありますか?きっと「すき家ではこうやるからそれでやりなさい」と言われるだけです。それで終わればまだいいほうで、きっと心の中では「こいつ面倒くさいな」と思われるでしょう。こういう場合は一種の「ダブルスタンダード」だと思いましょう。つまり自分の中の当たり前が二つあると思うのです。それは、母親が子どもを怒る声とママ友と電話で話す声が違うのと同じです。子どもを怒る怖い声も母親の声であるのは間違いありませんし、電話で話す外向きの声も母親の声に違いがありません。お母さんはそれらを時と場合によってただ使い分けているだけなのです。だから学校と塾で違うことを言われた場合、学校では学校のやり方を、塾では塾のやり方をするべきです。学校で「人の話を聞くときは、ペンを机の上において、手は膝の上におきなさい」と言われたとしても、塾では「ペンを片手に聞きなさい」。

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