2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

急がば回れ

先週から通常講座になり、各学年とも新たな学年の学習内容を指導しています。ただし厳密にいえば1教科だけは前学年までの内容を復習しています。それは「英語」です。英語だけに限りませんが、特に英語は前学年までの積み上げがなければ、先に進んでもいわゆる「意味不明」な状態に陥り、完全に子どもたちの思考は停止してしまうので、それを避けるためにも、この時期は前学年までの復習をしているのです。青凜館と違って、大手塾であれば、前学年までの知識が曖昧でもいきなり新たな学年の内容に入ります。それは決して不親切なことではなく、当然なことです。例えば集団授業のクラスの中に、これまで継続して塾に通ってくれている生徒と春期講習から入塾した生徒がいて、春期から来た生徒が前学年までの知識の定着が不十分だった場合、前学年にもどって授業を行うことがあるでしょうか。もし、春期講習から参加した子のために復習を行うのであれば、継続してきた子は何のためにずっと塾に通っていたのでしょうか。入塾したタイミングが人よりも遅れたのであれば、その遅れを埋める義務は塾にはありません。でなければ、授業料を多く納めているご家庭と、そうでないご家庭に不利益が生じます。極端な話、中3の冬休みから入塾したにもかかわらず、塾がほかの子以上にその子の指導に付きっきりになっていては、ほかのご家庭はばかばかしいと思うはずです。ですから学習塾は、生徒が入塾する以前の学力に関しては責任を負わないというのは至極当然なことなのです。

 

それらは一般的な塾の話であり、青凜館は少し事情が違います。というのも青凜館は今年の春に開校しましたので、そもそも前学年までの指導をする機会がありませんでした。本来であれば中1や中2のときに徹底して伝えるべき話、技術を伝えられずに、現在の指導を行っています(巷では「高校受験なんて中3の夏から塾に通って勉強すればいいよ」なんて思われているようですが、それならば中1・中2で塾に通うことは無駄なのでしょうか。そんなことはありません。きちんとした学習塾は各学年ごとに身につけるべきことを徹底して指導しています。個別指導塾などに見られるその場しのぎの指導が蔓延しているから、「遅くても間に合う」という考えが広がるのでしょう)。ですので多少中3内容に入るのが遅くなったとしても、英語は前学年の復習に時間を割きます(本心を言えば数学も復習したいのですが、数学は英語以上に中3の学習内容がハードなので、先に進めないと間に合いません。また、数学は英語とは違い、その都度前学年の内容に戻ることが容易です)。曖昧なまま進んだとしても、必ずどこかで復習へと戻らなければならないタイミングがやってきます。そこで復習にもどってもいいのですが、やるべきことに追われ限られた時間の中で簡単に復習しようとすると、私の嫌いな「その場しのぎの理解」になってしまいます。それに対して新年度が始まったこの時期は比較的時間的余裕があり、学校の授業もなかなか進まないため、あえて英語は復習をメインにしているのです(あくまでも今年が開校初年度だからこのようなカリキュラムにしています。来年度からは普通通り、新学年の内容から始めます)。とりあえずはゴールデンウィークまではある程度復習をして、その後からはペースを上げて新学年の内容に入っていきます。

 

この英語の話に限らず、面倒なことを先に済ませてしまうというのは大切な考え方です。中1の正負の計算では+や-の符号というものを嫌というほど意識させなければなりません。「何よりも符号のチェックが最優先だ」ということをどんなに時間を割いたとしても、指導しなければなりません。球の体積や比例・反比例の式づくり、平均値や最頻値など、中1数学で学ぶどんなことよりも、最初に指導するであろう+と-の符号チェックが重要です。指導する側、そして指導を受ける側双方にとって、この正負の計算は「面白くない」「つまらない」「面倒くさい」「早く楽しい単元に進みたい」「飽き飽きする」ものなのですが、だからといって早々と切り上げてしまっては将来のミスを誘発しかねません(青凜館生も符号のミスは多いです。符号のミスは0にしなければなりません)。ですので面倒くさいことにあえて時間をかけて、その先でつまづかないようにしてあげることも大切なのです。

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