2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

ドラゴン桜

今から10年以上前に話題となり、ドラマ化もされた「ドラゴン桜」というマンガをご存知でしょうか。一旦ストーリーとしては終了していたのですが、最近「ドラゴン桜2」として新たなストーリーを展開していきます。まずはこんな言葉から始まります。

「2020年の教育改革を前に、あの男が帰ってくる!

生徒の学力が低下し、再び落ちぶれてしまった龍山高校に舞い戻った伝説の弁護士・桜木健二。絶大な権力を握る女帝(理事長代行)と無気力な学生を向こうにまわし、かつての教え子・水野と改革を断行する。日本の大学受験を変えた伝説の“東大合格請負漫画”『ドラゴン桜』の続編、ついにスタート!

東大なんて相変わらず簡単だ!!」

 

簡単に言うと、偏差値の低い生徒が桜木という指導者の下で勉強し、東大合格を目指すというものです。大学受験が舞台なのですが、勉強法や受験の戦い方などは高校受験と通じるものがあり、それらを的確に表しているセリフが多いのが特徴です。
「正しく読むということは、その背後に隠された情報を正 しく推測し、読み取ろうとすること」
「漫然と勉強するより目の前にわかりやすい目標をおいたほうが伸びやすい」
「テクニックは付け焼刃では身につかない。普段の地道な努力の上に立つもの。つまりテクニックを持っているということは、その人間には計画性、持続性、実行力、そのうえで目標を達成しようという情熱があるということだ」
「試験は常に自分との戦い」

時には「?」と思うような勉強法はあります(もともとが偏差値の低い高校生を東大に入れるという設定ですので、極端な勉強法があるのは仕方ありません)。個性あふれる指導者も、マンガならではといったところでしょうか。

 

奇跡のような合格ストーリーというものには惹かれます。しかし、その奇跡の裏には、当然のごとく不合格になっている多くの人がいることを忘れてはいけません。普通は奇跡など起きません。普通では考えられないくらいの努力をするから奇跡が起きるのです。それと同じように、「○○君は部活ばっかりで、勉強は夏休みからしかしなかったけど合格した」ということも聞きますが、そんな言葉は気休めにもならない戯言だと思うべきです。まず、君と「○○君」は別人です。「○○君」に当てはまったら君にも当てはまるというのはクローンの世界だけです。そして勉強は夏休みから始めるものではありません。この瞬間から始めるべきです。「夏休みから始めればよい」と考えている子とその保護者が多数いるので、大手塾の広告には「勝負の夏」という安易な文言ばかりが躍ります。その後、面白いことに、「勝負の2学期」「勝負の後期」「勝負の秋」「勝負の冬」「勝負の1月」というように季節とともに移り変わっていくのです。

 

思い起こせば10数年前に、ドラゴン桜がドラマ化されたとき、東大をはじめ旧帝大や地方国立大学に全く魅力を感じていなかった人や、学力的にそこまで届きそうになかった人が、一斉に国立大学を受験するという機運が高まりました。テレビでは芸能人が東大受験に挑戦したり、東大生がクイズ番組に出演したりして、ここから東大というものにより注目が集まり始めたように感じます。私が地元の国立大学を受験したのも、ドラゴン桜の影響があったのかもしれません。「学歴」というもの重視することに対する抵抗を感じる人もいますが、残念ながら現在の日本が「学歴社会」であるということは疑いようがありません。学歴にこだわらずという意見も分かりますが、勉強して1流大学に行った人間と、ろくに勉強もせずに3流大学に行った人間を同じだとするならば、そちらのほうが不公平ではないでしょうか。そもそも人を正しく、客観的に判断できる人間などいません。私たちが「この人は期待できそう」と選挙で選んだとしても、ろくに仕事ができなかったり、スキャンダルを起こします。その人の人間性などはそう簡単に見ることはできないのです。そういう意味では絶対的に正しい判断などできないのですから、次に頼るべきは「可能性」です。勉強できない人間よりも勉強できる人間のほうが、同じ時間でより多くを処理できる可能性は高いです。勉強できない人間よりも勉強できる人間のほうが、会社に利益をもたらす可能性は高いです。勉強できない人間よりも勉強できる人間のほうが、新たなものを創造できる可能性は高いです。絶対的な判断ができないからこそ、学歴が持つ「可能性」を重視するのです。別に「学歴がある人は偉い」「学歴がない人はダメ」と言っているのではありません。学歴が無くても仕事のできる人間、より稼いでいる人間はいます。性格の優れた人もいるでしょう。しかし、「学歴のフィルター」が思いのほか分厚いということは知っておくべきです。中学生は社会に出るまでまだまだ猶予があるからこそ、自分がどうなりたいのかを考えるべきなのではないでしょうか。

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