2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

「素直さ」は強力な武器です

子どもの成績は様々な要素が絡み合って決まるものです。読書量や部活、友人関係という本人を主体とする事柄だけでなく、兄弟の有無や親の学歴など、本人を取り巻く環境も重要です。そんな中、成績を大きく分けるポイントとして「素直さ」というものがあります。塾に通うのならば、この「素直さ」を持ち合わせておくべきでしょう。親に対して反抗的な態度をとっても、時世の流れに文句を言っても構いませんが、勉強に対して(あるいは塾の指導に対して)は「素直」に取り組むべきです。

 

その前提として、学校や塾の指導というものが信じるに値するものでなければなりません。先生の言っていることがころころ変わる、塾の方針が一定でないという場合、それを「素直」に受け入れることは危険です(もしも、そのような環境ならば周囲の大人が取り計らってください)。学校を変えるということは考えにくいですが、塾であれば簡単に変えることができます。このブログでも何度も言っていますが、子どもの成長を感じられない塾に通わせることはお金をどぶに捨てるようなものです。

 

学校や塾が信用できる(信用できるまではいかなくとも、疑う要素がない)という場合には、まずはそこの指導者のいうことを「素直」に聞いてみましょう。例えば、塾で宿題が出たときに、「こんなことやって意味があるんですか?」などという子がいます。かなり成績がよく、他人に頼らなくとも独学で勉強ができる子がこのように言うことがありますが、たいていは勉強をしたくないという気持ちからくる逃げの発言です。少なくとも、プロの指導者であれば「なぜこの宿題を、このタイミングで、この量で出しているのか」を考えていますし、説明もできます。子どもの実力を伸ばすためには「この宿題は欠かせない」から要求しているのです。ですからまずは言われた課題や指示を「素直」に聞きましょう。それを忠実に実行したうえで、成績が伸びないのであれば、それは指導者の責任です。逆に、指導者が緻密に考えた上の指導を守らず、成績が思わしくないということは、子ども自身の責任です。塾に入るということは「弟子入り」することです。まずは師匠の一挙手一投足を盗んで、忠実に真似てください。

 

しかし「素直さ」ばかりでは行き詰ってしまいます。あくまでも「素直さ」が最重要となるのは勉強のはじめ、初歩においてです。先に進むためには適切な「疑問」が必要です。「疑問」というのは、「こんなことやって意味があるんですか?」という先の例のように物事を否定する類のものではなく、「どうしてこうなるのなろう?」「なぜこの解答が導き出されるのだろう?」という積極的な問いかけです。「素直さ」というのは知識を吸収するという意味においてはとても強力な武器ではありますが、その反面「思考する」という作業がおろそかになります。自分の頭で考えずとも、言われたことを守えばよいだけなのですから仕方がありません。ですが、受動状態を抜け出し、自分をさらに高めていくためには、目の前にあるものを深く知ろうとしなければなりません。疑問を抱き、それを解決していくことで、より深い理解というものが生まれるのです。

 

成績を短期間で飛躍的に高めることは簡単ではありません。成績不振の原因は目の前にある問題だけでなく、1年前2年前の不勉強が影響していおり、ただ応急処置を施したところで病状の悪化は目に見えています。例えば、中3の現在完了でつまづく子はその単元だけに問題があるのではなく、中1の動詞の基本や中2の過去形から曖昧なので、そこに戻って指導をするべきなのです。完治を目指そうと思えば、病巣をすべて取り除き、時間をかけてリハビリしていくしかないのです。ただし、大きな飛躍はなくとも、日々成長や成果を感じることのできる指導はしていくべきでしょう。それが1年後には大きな結果となって現れるのです。

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