2024年7月20日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

令和4年度 福岡県公立高校入試問題分析④ 理科

入試問題分析も残すところあと2教科となりました。今回は理科です。理科は、入試直前に出題予想をしていますので、そちらも併せてお読みください。

今年も理科の出題予想をしてみた。

     

難易度を以下の記号で5段階評価していきます。

①→非常に易しい

②→やや易しい

③→普通

④→やや難しい

⑤→非常に難しい

     

大問1 植物のつくり・分類:出題予想がピタリ当たりました。被子植物と裸子植物の比較が大きなテーマで、覚えていれば解ける問題ばかりなので、非常に易しい大問です。

問1 「花粉のう」を示す部分をぬりつぶす問題。花粉のうは雄花のりん片にあります。雌花のりん片にあるのは胚珠です。混乱しやすいところは、全部を覚えようとせずに、まずは一方を確実に覚えることです。①

問2 種子植物の特徴(A)、被子植物の特徴(B)、裸子植物の特徴(C)をそれぞれ選ぶ問題。全解しなければなりませんが、どれも基礎レベルです。①

問3 受粉後の花粉の変化について答える問題。記述ですが、これもまた基礎レベルです。直前の「胚珠に向かって」に続く言葉は、「花粉管をのばす」しかあり得ません。①

問3 種子植物をすべて選ぶ問題。植物の分類は、ゴロなどを用いて覚えさせましたので、全員出来ていました。「スギナ(シダ植物)」は「スギ(裸子植物)」や「スギゴケ(コケ植物)」と名前が似ているので要注意植物です。②

       

大問2 消化:これもまた予想通りです。デンプンに対するだ液のはたらきを調べる実験がテーマです。

問1 沸騰石を入れる理由を答える問題。理由説明問題の基礎中の基礎です。①

問2 実験結果の考察のために比較する2つの試験管を答える問題。いわゆる対照実験において比較する2つの試験管を決定するときには、2つの視点が必要です。詳しくは書きませんが、簡単に言うと「何のはたらきを確かめたいのか」と「どんな反応・結果が起こるのか」という視点です。ここさえ押さえれば、迷うことなく選べます。①

問3(1) 「消化酵素」という語句を答える問題。「酵」の漢字だけ注意が必要。①

(2) 肝臓のはたらきとして適切なものをすべて答える問題。肝臓のはたらきでは、「胆汁をつくる」、「アンモニアを尿素に変える」が超基本。中上位層であれば、「ブドウ糖の一部をグリコーゲンに変えて貯蔵する」というところまでは押さえておかなければなりません。「アミノ酸の一部を体に必要なタンパク質に変える」というのは上位層でなければ自信をもって選べないでしょう。2がじん臓、3が心臓で明らかに間違いなので、消去法で1と4を選んだ子が多かったかもしれません。どちらかといえばマイナーなところからの出題でしょうか。④

       

大問3 質量保存の法則:これも出題予想で挙げていたものです。質量計算問題が出なかったため、かなり簡単です。

問1 水酸化バリウムと硫酸の化学変化を化学反応式で表す問題。反応式としては、やや難しめの部類に入るでしょうか。ただ、授業ではこの反応が出てくるたびに反応式を書かせていましたので、塾生は全員出来ています。②

問2 化学変化の前後で物質全体の質量が変化しない理由に関する問題。物質の「種類」「組み合わせ」「数」のうち、どれが変化し、どれが変わらないかを考えます。「質量保存」という語句を答えるだけでも1点もらえます。①

問3 塩酸と炭酸水素ナトリウムの反応後に、容器のふたを開けたときの質量の変化とその理由を答える問題。よくある問題で、何のひねりもありません。①

      

大問4 ダニエル電池:予想通り、初年度から出てきました。ダニエル電池やイオン化傾向に関する問題は、福岡県よりも先に行われていた他の都道府県の入試問題を解き、ある程度のパターンには対応可能になっていました。塾生は冷静に対応できたかと思います。初年度だからでしょうか、難易度はかなり易しめです。

問1(1) 亜鉛は銅に比べてイオンになりやすいことを答える問題。おそらく、模試で一度出たことがあります。また、直前に解いた埼玉県、千葉県、愛媛県の入試問題でもイオンのなりやすさに関する出題がありました。①

(2) 銅板で起こる化学変化を化学反応式で表す問題。これも何度も練習しました。e⁻の係数を「2」にするところだけ要注意です。①

(3) 電子の移動のしかたについて適切なものを選ぶ問題。イオンになりやすい亜鉛が放出した電子が、導線を通って銅板に移動します。①

問2 電池内部でのエネルギーの変換に関する問題。問題文が少しわかりにくいですが、電池内部の「化学エネルギー→電気エネルギー」は基礎事項です。①

問3 水素と酸素の化学変化らエネルギーを取り出す装置で、「燃料電池」を導く問題。燃料電池については平成27年度にも出題がありますが、今回は語句だけを答える問題であったため簡単です。①

     

大問5 湿度:いやー、湿度が出るとは完全に予想外でした。ただし、問題の設定としてはよくあるタイプのものなので、塾生はきちんと対応できたようです。

問1(1) 金属製のコップを用いる理由を説明する問題。基本的な記述です。平成18年、平成27年でも出題されたことがあります。①

(2) 露点を答える問題。コップの表面がくもり始めたときの温度を答えます。①

問2 乾湿計から湿度と、1㎥中の水蒸気量を答える問題。問題文が長いので一見面倒くさそうに感じますが、実は大したことがない問題です。私の視力の問題なのか、近年は細かい目盛りを読みにくくなっており、慌てて解くと乾球と湿球の温度差を読み間違いそうになります。水蒸気量の計算では、小数第2位を四捨五入するという条件を守りましょう。②

      

大問6 太陽の日周運動:昨年は出題がなかった天体から、太陽の日周運動が出ました。月や金星を第1候補に予想していましたが、第2候補の太陽でした。透明半球を使った問題は平成30年にもでており、その問題にきちんと取り組んだ受験生は簡単だと感じたはずです。

問1 太陽の1日の見かけの動きを表す語句「日周運動」と、その運動が生じる理由を答える問題。全く同じ問題が令和2年に出ています(この年は星の日周運動でした)。①

問2 紙テープの記録を参考に、日の出の時刻を求める問題。1時間で4㎝分動くことから、15.4÷4=3.85を導き、最初の観察時刻である9時の3.85時間前だと分かります。近年の過去問では日の出の時刻を求める出題はありませんでしたが、練習では必ず扱う問題です。中上位層であれば十分対応できたでしょう。③

問3(1) 夏至と比べたときの冬至の南中高度の高さと、日の出・日の入りの位置を選ぶ問題。間違うとしたら日の出・日の入りの位置でしょうか。①

(2) 季節の変化が生じる理由を「公転面」という語句を用いて説明する問題。平成30年とほぼ同じで、むしろより簡単になっています。①

      

大問7 光:近年は光の出題頻度が上がっている印象です。私は光よりも音が出るのではないかと予想していましたが、大きく外れました。また、今年は電流が出なかったので、来年の受験生は電流の対策を万全にする必要が高まりましたね。

問1 鏡にうつるつまようじの本数を、作図により求める問題。Bは確実にうつりますが、AとCは微妙なので、正確な作図が求められます。定規が使えないので、グラフの傾きを意識します。おそらく、「鏡に対して対称移動して、直線で結ぶ」という作業は中1でやったことがあるでしょう。しかし、それ以降は鏡の反射の作図を練習する機会は少なく、どちらかといえば屈折や凸レンズの作図にばかり取り組んでしまっていたのが現状です。もちろん入試対策でも確認したのですが、私の説明のしかたのマズさや扱う問題の偏りがあったかもしれません。この問題に対応できなかった塾生がいるということが、理科での一番の反省と来年への課題です。おそらく、私の心のどこかで「これは出ないだろう」と除外してしまっていたのでしょう。④

問2(1) 屈折光の進む方向を選ぶ問題。①

(2) 「全反射」を答える問題と、全反射が起こるまでの入射角と屈折角の大きさを選ぶ問題。「○○角」は、境界面に対して垂直な直線との角度であることに気をつけます。②

     

大問8 水圧・浮力・圧力:苦手な子が多いところですが、解きやすかったかと思います。出題予想をしていた仕事は、きっと来年出るはずです!

問1 「水面からの距離」と「ばねばかりの値」の関係を表すグラフをかく問題。表をそのままかくという、小学生でもできる問題。大大大サービス問題です。①

問2 水面からの距離が2㎝のときの浮力の大きさを求める問題。水面からの距離が0㎝のときの値と2㎝のときの値の差が浮力にあたります。①

問3 前半は、物体にはたらく水圧の向きと大きさを選ぶ問題。後半は、物体が完全に水中に入っているときに、深さによって浮力の大きさが変わらない理由を述べる問題で、これは平成29年とまったく同じ記述です。「平成29年の力の問題をカンペキに理解して解けたら、どんな問題にも余裕で対応できる」と毎年言っていますが、まさか同じ問題が出てくるとは驚きです。当然、塾生は全員正解できていました。③

問4 物体が台におよぼす圧力を求める問題。力の問題は、物体にはたらく力をすべて作図することから始まります。この場合、物体には重力(0.60N)と張力(0.40N)・垂直抗力(0.20N)がはたらき、つり合っています。そして、垂直抗力の0.20Nと同じ大きさで、物体は台を押しています(いわゆる作用反作用の法則)。あとは0.20N÷0.0008㎡という計算で250Paを導きます。圧力の計算では、単位の変換(㎝→m)がありますので、注意が必要です。③

      

ここで設定した5段階の難易度を改めて見てみると、理科と社会ではほとんどが①か②です。どの学校を受験する子にとっても、理科・社会の2教科は合否を決める上でかなり重要になります。上位校受験者であればこの2教科では常に50点台を取っていく。香椎・新宮あたりであれば、得意な方は50点台に乗せ、苦手な方でも40点台には乗せたいですね。今年の場合、複雑な計算や記述がなかったため、満点を取る子は多いのではないでしょうか?

      

      

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