2024年5月23日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

令和4年度 福岡県公立入試問題分析③ 社会

本日は、中学校の卒業式でした。卒業生の皆様、保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。新たなステージでのご活躍を期待しております。

      

さて、入試問題分析も3回目となりました。今回は社会です。過去4年間は「難→易→難→易」と続いてきましたが、今年はいったいどうだったのでしょうか。これまで同様、難易度を以下の記号で5段階評価していきます。

①→非常に易しい

②→やや易しい

③→普通

④→やや難しい

⑤→非常に難しい

      

大問1 歴史:古代から近世までの歴史です。毎年のことながら、原始の出題はありません。

問1 壬申の乱に勝利した人物を選ぶ問題。壬申の乱に大海人皇子が勝利し、天武天皇として即位し中央集権国家が確立していく、という古代の超重要テーマです。①

問2 鎌倉時代の封建制度に関して、「御恩」と「奉公」を記述する問題。問題文を見て、御恩と奉公を答える問題だと理解するのに若干手間取るでしょうか?御恩と奉公を逆にしないことと、漢字で書く場合は奉公の「公」を「行」にしないことに気をつけましょう。①

問3 江戸時代の福岡藩の総支出の割合を見て、その傾向と関係が深い制度「参勤交代」を答える問題。参勤交代では、藩の財政が圧迫されたという結果を答える問題の方が多い印象ですが、今年は語句を書かせる問題でした。①

問4 立憲制国家の確立までのできごとを並びかえる問題。ここ数年の年代並びかえは、「○○より後のできごとを3つ選んで」といった指示がありましたが、今年はすべてを並びかえる問題です。3と4は簡単ですが、1の大日本帝国憲法発布と2の内閣制度創設の順番は、きちんと勉強した受験生でないと厳しいでしょうか(もちろん、うちの塾生はみんなできていましたけど…)。②

問5(1) 古代から近世までのくらしを、それぞれ選ぶ問題。各時代の代表的な内容ですので、全く難しくありません。間違うとしたら、中世のところですかね?中世(特に室町時代)を苦手にしている受験生は意外に多いです。なんとなくごちゃごちゃしている印象があるのでしょうね。①

(2) 近世の農村における社会の変化を記述する問題。商品作物と貨幣経済の広がりはしょっちゅう出ますね。ここ数年で似たような問題が2度ほど出ていますので、過去問演習をやっていた子は楽勝でした。③

      

大問2 歴史:新しい貨幣に描かれる人物に関連した、近現代の歴史からの出題。

問1 文化の発展に関して、「学制」と「北里柴三郎」を選ぶ問題。さすがにこれは簡単すぎますね。①

問2 紡績業について、資料から読み取れる変化とその理由を記述する問題。軽工業の発展も頻出テーマです。変化は「輸出量と輸入量に着目して」とあるのでそう難しくありません。理由は資料の中でまだ触れていない生産量の増加を軸に組み立てます。資料の読み取りとはいっても、中上位層にとっては平凡な問題であったことでしょう。③

問3 イは第一次世界大戦の講和会議後に結ばれた条約を答える問題。ロは国際連盟の創設を提唱した人物を選ぶ問題。①

問4 国際連合の加盟国数の変化を見て、アフリカ州にあてはまるものを選ぶ問題。この手の問題は何度も扱っています。もちろん1960年に増えているものを選びます。理由を答えるのも、入試対策でやっています。②

       

大問3 世界地理:やはり地理は、歴史に比べて資料の読み取りが多いです。ただし、今年はそれほど複雑な読み取りはありませんでした。むしろ、易化しすぎて驚いています。

問1 ブラジルとフランスの位置を図から選ぶ問題。緯度や経度から位置を絞っていきます。①

問2 人口と面積の割合から、オセアニア州にあてはまるものを選ぶ問題。人口だけ、面積だけでも解けてしまいます。①

問3 各国の生産量から、米、小麦、大豆にあてはまるものを選ぶ問題。米と小麦は中国が第1位なので、Qが大豆だと判断します。あとはフランスで生産量が多いPが小麦、残ったRが米となります。①

問4 中国がどのように工業化を進めてきたかを「経済特区」「受け入れる」という語句を使って述べる問題。指定語句があまりにも親切すぎるかと思います。また、中国を示す記号を選ぶ問題も、「中国が工業化し、大きく経済発展したこと」「現在は世界最大の輸出国であること」「人口が大きいので一人あたりの国内総生産が小さいこと」をもとに考えれば容易です。②

     

大問4 日本地理:これまた資料が多いですね。ただ、いずれも基本的なことばかりをたずねているので、塾生は相当簡単だと感じたはずです。

問1 2つの条件を満たす地方を選ぶ問題。これまでは都道府県を答える問題が主でしたが、今年は地方を答えます。条件1から近畿・中部・関東まで絞れます。条件2の「人口100万人以上の都市が二つ以上ある」は資料を見てもわからないので、持っている知識や想像力での勝負となります。中部を除外できるかがポイントです。②

問2 豚と乳牛の飼育頭数の割合を見て、北海道と鹿児島にあてはまるものを選ぶ問題。乳牛の割合から北海道を選ぶのは容易です。豚の割合から鹿児島と宮崎で悩んだかもしれません。入試対策では、この手の問題が出てくるたびに、「鹿児島の黒豚」「宮崎地鶏」といい続けましたので、塾生は問題なくできていました。②

問3(1) 月平均気温と月降水量から、長野県にあてはまるものを選ぶ問題。「い」と「う」まで絞って、最後は月平均気温での判断となります。①

(2) 長野県と高知県に共通した出荷時期の特色を、資料から読み取って答える問題。平成31年にもほぼ同じ問題が出ましたので、これに取り組んだ子は問題なく書けたはずです。②

問4(1) 岩手県と福岡県の工業製品の出荷額の割合を見て、あてはまる品目を答える問題。岩手県を無視して、福岡県だけで考えればよいかと思います。北九州工業地域はもともと金属工業(鉄鋼)の割合が高かった、というのは基本知識ですね。②

(2) IC工場、自動車組立工場、石油化学コンビナートの分布とその特徴をそれぞれ選ぶ問題。ICは高速道路や空港の近くなので、内陸部に集中。自動車組み立ては、関東内陸に着目(これは、昨年も出ましたね)。石油化学コンビナートは太平洋側(千葉県、岡山県、三重県などは有名)。冷静に分析すれば、確実に正解できます。①

     

大問5 公民:昨年は一部内容が除外されましたが、今年は国際も出ています。

問1 自由権を選ぶのは簡単ですが、「公共の福祉」は思いつかなかった子がいたでしょう。「公共の福祉」という語句自体は超基本ですが、問題の出し方によってはハードルが一気に上がるということを実感しました。これは来年の入試に向けた反省と収穫です。④

問2 特別会で議題とされることの記述と、特別会が開かれる時期を選ぶ問題。「特別会=内閣総理大臣の指名」は基礎事項。また、衆議院の総選挙の日から30日以内に招集するのも重要です。30日以内が分からなくても総選挙の後に開かれると分かっていれば解けます。②

問3 経済の3つの主体(企業、政府、家計)に関する、よく見かける問題。賃金の矢印よりYが企業、Zが家計となり、残るXが政府となります。これが分かれば「あ」の税は余裕です。①

問4 為替レートを見て、適切な語句を選ぶ問題。令和2年にも為替レートに関する問題がありました。令和2年度は円高でしたが、今年は円安です。グラフの形状に騙されないようにしましょう。円安だと分かれば、残り2つは簡単です。入試対策において、為替レートに関する問題をいくつも解いており、塾生は完璧に理解できていましたので、本番でももちろん正解できていました。①

問5 年金制度の課題とその理由を資料を見て記述する問題。現在の年金制度については、授業の中で何度も説明しました。少子高齢化の進行により、現役世代の負担が大きくなることも、塾生は十分理解してくれていたはずです。③

問6 Pの安全保障理事会にあてはまるものを組織図から選び、その理由を説明する問題。国連の組織において、Rはすべての中心となる総会、Sが安全保障理事会になります。理由は、「議決のしくみと採決結果」にふれなければならないので、「常任理事国が拒否権を持っている(ここではロシアと中国が反対)」「決議案は否決された」という内容を入れればよいでしょう。少々説明の仕方が難しく感じる問題です。③

     

大問6 公民:最近流行りの「持続可能な開発目標(SDGs)」がテーマの問題。昨年は出題がなかった環境問題です。

問1 〔ア〕にあてはまる内容を、資料をすべて関連づけて書く問題。「関連づけて」とあるので、バラバラに羅列するのではなく、各資料のつながり・因果関係を意識した説明が求められます。使う順番としてはⅢ→Ⅰ→Ⅱが適切です。模範解答もそのようになっていますし、塾生も全員その順番で使用しています。それぞれをつなげる作業はそれほど難しくないかと思います。③

問2 〔イ〕には資料Ⅴから読み取れることを書きます。産業部門と家庭部門におけるの二酸化炭素排出量の推移に関する資料ですので、どのように変化しているかを述べればOKです。大して難しくありません。②

〔ウ〕には二酸化炭素排出量を削減するために、家庭内で自分にできることを考えてきます。なんでもいいので、エネルギーの削減につながりそうだなと思うものを書けば得点できる可能性があります。②

      

なんだかずいぶん解きやすくなった印象です。資料の読み取りが減り、語句などの基礎基本事項を問う問題が増えました。両解や全解の問題も多いですが、一時期ほどしばりが厳しくはありませんので、得点を積み上げやすくなっているといえるでしょう。某大手塾の予想では、昨年とほぼ同じか若干点数を下げるとありますが、個人的には昨年よりも解きやすくなっていると感じますし、塾生の得点を見ても、ここ数年の過去問を解いたときよりも高得点がとれています。上位層の受験者は50点以上が乱発することでしょう。

     

     

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