2024年2月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

令和3年度 福岡県公立高校入試分析③(社会編)

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今年は、通常の春期講習の準備や新年度の切り替え業務に加え、新学習指導用によるカリキュラム変更・小テストつくり直し・テキスト選定・授業準備などが入ってきているため、入試問題の分析が思うように進んでいません。すべての分析が出るまで、もう少しお待ちください。

     

3回目は社会です。昨年は5教科の中でもっとも正答率が低かった社会です。その反動から、今年は易化するのではないかと予想されていましたが、どうだったのでしょう。早速見ていきましょう。

     

構成は、例年通り大問6つでした。地理の大問で「屯田兵」が問われるなどもありましたが、形式的には3分野から均等に20点ずつ出題されています。

      

●大問1

古代から現代までの歴史です。毎年、基本問題のオンパレードですが、今年はどうだったのでしょうか。

問1 国風文化に関する人物を選ぶ問題。易しい。

問2 平清盛に関する問題。「太政大臣」は問題なく選べたはずです。平清盛が権力を強めた原因を知らなくても、摂関政治で同様の家系図問題にあたったことがあるでしょうから、まったく難しくありません。易しい。

問3 中世の世界とのかかわりに関する文を選ぶ問題。福岡の県立入試では、時代区分の知識は必要不可欠です。大まかに中世が鎌倉時代・室町時代だと知っていれば、元軍の襲来を選ぶのは余裕ですね。易しい。

問4 江戸時代の鎖国下における薩摩藩と対馬藩に関する文を選ぶ問題。「薩摩藩-琉球」「対馬藩-朝鮮」という組み合わせは基本中の基本です。易しい。

問5 条約改正に関する文を選び、年代順に並べる問題。3の日中共同声明を外すのは難しくありません。4の関税自主権の回復を最後にするのも難しくありません。間違う可能性があるとすれば2の岩倉使節団の派遣と、1の欧化政策を逆にしてしまうことぐらいでしょうか。昨年は出なかった年代の並べ替え問題でしたが、まあ基本でしょうか。普通。

問5 農地改革により、自作地の割合が大きくなった理由の説明。2年前の入試でも農地改革に関する出題がありました。おそらく、何度も書いてきた記述でしょう。やや易しい。

大問1は「どうぞ、ここで点数を稼いでください」と言わんばかりの問題しか出ていません。トップ校受験者であれば、当然満点を取ってくるでしょう。

     

●大問2

近代以降の歴史です。毎年、資料との照らし合わせが求められる大問ですが、今年の難易度はどうだったのでしょうか。

問1 日清戦争に関する問題。間違うとすれば、甲午農民戦争の「朝鮮」を選ぶところでしょうか。下関条約に引きずられて「台湾」を選んだしまった子もいるはずです。三国干渉の「遼東半島」は問題ありません。易しい。

問2 普及率の推移を見て、パソコンと冷蔵庫を選ぶ問題です。パソコンは一つだけ明らかに年代が違うので簡単に選べます。間違いが多かったのは冷蔵庫です。歴史的に考えるのであれば、三種の神器と3Cの知識を引っ張ってくることになりますが、そんなことをせずとも、冷静に想像力を働かせばわかります。間違えてしまった子は、「一家に一台自動車は持っているから、自動車の普及率は100%だ」と考えたのでしょう。例えば、自動車を持っていない一人ぐらしの大学生や高齢者でも、冷蔵庫は大半が持っています。まあ、自分の見えている世界だけがすべてではないということです。よく、「見直しが大事」と言われます。もちろん、私も口酸っぱく言います。しかしながら、一度、解答用紙に書いてしまった答えを訂正するのはそう簡単なことではありません。誤りに気付かないことが多々ありますし、一度書いた答えを変えるのは非常に勇気のいることだからです。「見直し」は確かに大事なのですが、それよりはるかに大事なのは、「あとから訂正せずに済むように、最初の段階で正解を選ぶ」ということです。やや易しい。

問2 世界恐慌が日本の生糸輸出に与えた影響を記述する問題。最近だと、平成26年と平成24年にも似たような出題があります。これも、何度も取り組んだ記述だと思われます。日本の生糸の大半はアメリカへと輸出されていましたが、世界経により輸出額が激減したことを記述します。普通。

問3 新たに作成したカードが、年代の古いほうから何番目になるのかを答える問題。具体的な年代がわからなくても、並びかえることは容易です。間違うところがあるとすれば、Eのカードの「戦争」を別の戦争(日露戦争や第一次世界大戦)だととらえてしまうことぐらいでしょうか。普通。

面倒な資料の読み取りや記述が出たわけではありません。これまで受験勉強をしてきた受験生であれば、できて当然というレベルです。

     

●大問3

世界地理です。昨年はかなり面倒な読み取りがありましたが、今年は易化しました。

問1 アルゼンチンの雨温図を選ぶ問題。南半球で2と4まで絞れます。あとは温帯草原のパンパなどの知識から、2を選びます。というか、明らかに4の降水量はあり得ないと気づけたはずです。易しい。

問2 地図中に示された地域で信仰されている宗教を答える問題。アフリカ北部、西アジア、インドネシアから、イスラム教と答えます。易しい。

問3 時差の問題。日本との時差が14時間であることから、エと答えます。経線が15度ごとにかかれているので、非常に易しい問題です。もっと解きごたえのある時差計算が出ると予想していた受験生は、ガッカリですね。

問4 ヨーロッパの地域の結びつきに関する問題。㋑のEUはなんてことありません。㋺は空欄の直前の「加盟国間では、農作物や工業製品などを」からつなげて考えれば、難しくありません。普通。

問5 モノカルチャー経済の関する問題。モノカルチャー経済に関する記述は、平成30年にも出題されています。模範解答では「製品の原料や燃料となる輸出品の割合が大きい」となっています。塾生は「製品ではなく、鉱産資源の割合が大きい」と答えた子が多いようです。普通。

昨年に比べれば、取り組みやすくなりました。配点も細かく分かれていますので、中下位層の子でも点数を確保しやすくなったといえます。

     

●大問4

日本地理。思考力系の問題もありますが、知識だけで解ける問題も数多く見られます。

問1 県名と県庁所在地が異なる地名を答える問題。条件1から広島県と香川県に絞り、条件2で香川県に決まります。香川県、愛媛県、島根県は間違いが多いところなので、きっちり対策をしていたはずです。易しい。

問2 群馬県と千葉県の工業に関する問題。群馬県を含む北関東は、自動車などの組み立て工業が、千葉県は原料の輸入に便利なために、石油化学工業が盛んです。どちらかと言えば、群馬県の誤りが多いでしょうか。普通。

問3 北海道の歴史と地図の読み取りについての問題。㋑は「屯田兵」、㋺は土地利用記号を見て「畑」、㋩は8方位で「北東」と答えます。「屯田兵→開拓使」、「畑→田」、「北東→東北」などの間違いがあるでしょうか。易しい。

問4 あ~うの県の農業産出額の内訳と人口・気温・降水量のデータから、該当する地方を選ぶ問題。降水量のデータから、あの県は、米の生産が盛んで、人口はそれほど多くなく、冬の降水量から日本海側に位置していると予想します。いの県は果実や野菜の割合が高く、冬の寒さが厳しく、降水量から日本海側でも太平洋側でもないことがわかります。うの県は野菜や花きの割合が高く、人口が多く、降水量から太平洋側に位置していることがわかります。これらを満たすのは、bの中部地方だと判断します。知識と思考力を問ういい問題です。やや難しい。

記述問題が1問だけしかなく、他はほとんどが知識問題でした。ここ数年の日本地理の中では易しい問題でした。

     

●大問5

公民。「情報化の進展と社会の変化」というレポートからの出題です。

問1 新聞、テレビ、ラジオから、「マスメディア」を選ぶ問題。易しい。

問2 新しい人権のうち自己決定権に関する問題。bの「自己決定権」は問題ないですが、aの「幸福追求」ができなかった受験生がいたでしょうか。新しい人権の根拠となるのが憲法13条の幸福追求権です。きちんと教科書を勉強しとけ!ということですね。やや易しい。

問3 投票率の低下に関する問題。投票率の低下とその影響に関する記述は頻出です。模試でも何度か出てきましたね。ほぼほぼ模範解答通りの説明が書けたはずです。普通。

問4 株式会社に関する問題。直前に株式会社の問題を解いたので、塾生は余裕でできていました。〔X〕は、「効率」の使い方がポイントです。(Y)の「配当」は書けるでしょう。まあ普通です。

問5 金融政策に関する問題。個人的には財政政策が出ると予想していましたが、金融政策が出ました。金融政策はこの10年間で4回目も登場しました。当然、受験生はそれなりの対策をしてくるでしょうが、今年の問題はそのやや上を問うものでした。不景気ですので、㋑の国債を「買う」は問題ありません。㋒の貸出金利を「下げる」も当然です。間違いが見られたのは、㋐の通貨の価値です。物価が下がるから、貨幣の価値も下がると単純に思ってしまったのでしょう。さんざん言ってきたのですが、いざ本番になると冷静ではいられないのでしょうか。普通。

問6 クレジットカードに関する問題です。平成29年にもクレジットカードの出題がありました。何度も解いた問題です。

(1)は、「商品」と「立替払い」の矢印を選ぶ問題です。間違うとしたら、「立替払い」でしょうか。易しい。

(2)はクレジットカードを利用する際に注意しなければならないことを説明する問題です。平成29年の答えとほぼ同じです。易しい。

記述問題が3問ありますが、いずれも基本的な説明で、難問ではありません。ただし、問2の「幸福追求権」は勉強しそびれていた子がいたかもしれません。公民はどうしても3分野の中で学習量が少なくなってしまいます。しかしながら、決して焦ることなく、基本や理屈を重視して、学習していかなければなりません。

    

●大問6

「安心して暮らせる社会」をテーマにした問題。昨年のような形式で出ると思いましたが、どちらかと言えば一昨年までの形に近いでしょうか。

問1 資料を見て読み取れることを記述する問題。(B)には「少子高齢」が入るので、〔A〕には少子高齢化の説明を入れなければなりません。資料に与えられた語句をそのまま使えばよいので、難しくありませんね。易しい。

問2 資料から読み取れる就業者数の変化を答える問題。高齢者についての発言なので、全就業者数に占める65歳以上の割合について説明します。むしろ、65歳以上の割合以外に触れるべきところがありません。易しい。

問3 これがもっとも受験生を悩ませた問題かもしれません。50歳以上の年代別の働く意義についての調査結果をもとに、働く意義にはどのようなものが考えられるかを答える問題です。年齢が上がるほど割合が大きくなっていることから、考えるのでしょう。すでに「お金を得る」「社会の一員として、務めを果たす」とありますので、それ以外の意義を答えなければなりません。模範解答は「生きがいを見つける」となっていますが、どこまで許容してくれるのか気になるところです。

昨年の形式に比べればかなり解きやすくなったといえるでしょう。配点も細かく分かれているので、点数は確保しやすかったと思われます。

     

各大問の難易度は以下の通りです。

大問1 昨年並み

大問2 昨年並み

大問3 やや易しい

大問4 やや易しい

大問5 昨年並み

大問6 やや易しい

全体的に易化したという印象です。昨年の問題にビビってしっかりと対策をしてきた子にとっては、高得点が狙える問題です。

今年は範囲が一部削られましたが、来年は当然復活するでしょう。受験直前に焦らずに済むように、社会は1年生の内容から蓄積させておきましょう。

    

    

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