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公立入試まであと5日となりました。マラソンでいうならば、すでに競技場内に入ってきている段階です。ゴールは目の前に迫ってきていますが、ゴール前での逆転勝ち・逆転負けも起こり得ます。決して最後まで気を抜くことなく、最後まであきらめることなく戦いましょう。
今年の公立入試の国語で何が出題されるのかについて考えてみようと思います。
まずは、大問の数について。ここ3年間は大問5題構成となっていますが、この構成は変わることがないでしょう。各大問ごとに考えましょう。
大問1…語句・文法
昨年は、漢字の書き、漢字の読み、類義語、文脈から語句を導く問題、画数の5問でした。漢字や語句に関する問題が多く、文法に関する問題は出ませんでした。このうち、文脈から語句を導く問題と総画数の問題は3年連続で出ています。漢字の読みは2年連続で出ています。その一方で四字熟語や熟語の構成は、3年前に出ましたが、ここ2年間は出題されていません。
私個人として、文脈から語句を導く問題は出る可能性が高いと思っています。あとは、文法問題が一題出ると思っています。可能性が高いのは品詞の識別でしょうか。名詞(特に転成名詞。働く(動詞)→働き(名詞)、裏返す(動詞)→裏返し(名詞)など)や、副詞、連体詞という出題頻度の高いところはおさえておきたいところです。これ以外では、漢字の読み、類義語・対義語、総画数の出題を予想しています。
大問2…説明的文章
昨年はヒトとチンパンジーの比較から、人が発展した社会を作り上げた過程に関する文章でした。表を使った比較がなくなった一方で、やや難しい抜き出し問題や意味段落分けが出て、経験が少ない子にとっては厳しかったはずです。文章が長くて、ここで時間を食った受験生も多かったでしょう(人間とサルの比較は数年前にも出題されていましたね)。近年は日本と西洋の比較もよく出題されています。
今年はどんな文章が出るでしょうか。個人的に2つ予想しています。「日本vs.西洋」と「科学技術」です。2年前のように、表を使った対比であれば、「日本vs.西洋」ほど比較しやすいものはありません。昨年のようなタイプの出題であれば、「科学技術」が社会に与えた影響や「科学技術」との関わり方などが出しやすいのではないかと考えます。とはいっても、これらがドンピシャ当たるとは思えません。大事なのは、どんな文章が出ても対応できるだけの読解力、記述力、背景知識を身に付けておくことですね。福岡県の記述問題は、良問が多く、きちんと手順を踏めば模範解答に近いものをつくることができるようになっています。ここ数年の過去問のトレーニングをくり返すだけでも、十分な練習になるはずです。
大問3…文学的文章
ここ数年は小説が出ています。この傾向も変わらないと思っています(とはいっても、塾の授業では、定期的に随筆も扱っています)。昨年の「七代目」はいいストーリーだったのですが、中学生にとっては言葉が難しく、時代感覚がつかみにくかったところもあったでしょう。個人的には「リボン」や「千利休とその妻たち」ぐらいのレベルの問題がいいかと思っています。「リーチ先生」は少し易しすぎたかなと…。小説に関しては、全く予想が立ちません。分かっていることとしては、心情に関する説明問題は出るということぐらいでしょうか。
大問4…古典
昨年は漢文「戦国策」からの出題でした。現代語訳が載っていたので、かなり取り組みやすかった印象です(この辺は、他の大問とのバランスを取っているのでしょう)。昨年のストーリーは、家来が君主を説得して、攻撃をやめさせるという、いわゆる「君主、改心パターン」というものでした(古典の中では、出題頻度が相当高いパターンです)。今年は、古文が出ると思っており、ストーリーとしては次の2つのパターンを予想します。「天に祈ったら奇跡のようなことが起きる(いわゆる、信じる者は救われるパターン)」と「強盗などの悪人が、すばらしい人柄や演奏に感動して改心する(いわゆる、悪人改心パターン)」です。これらもあくまで予想ですので、幅広く勉強するのを怠ってはいけません。
大問5…条件作文
ここ数年は、条件作文のバリエーションが多岐にわたっており、連続で同じようなパターンの出題がされたことはありません。したがって、昨年のものを解いてみることは大事ですが、その前のものから(具体的には、平成28年度以降)すべて解いてみて、初見でどのくらい対応できるか試しておく必要があるでしょう。個人的には、平成28年度と平成29年度のものが好きなので、それらに近いものがでてほしいなあと思っています。
予想が当たっているかは、3月10日に分かります。一体どんな問題が出るのでしょうか。