現在、冬期講習生を募集しています。ひたすら暗記し、ひたすら計算し、ひたすら問題文を読みまくる冬期講習です。冬期講習は中3生のみの指導に限定し、受験生の知識の「穴」、技能の「穴」、理解の「穴」を徹底的に塞いでいきます。詳しくは「2019年冬期講習」をご覧ください。
今回の中2の定期考査の理科は、生物の範囲から出題されます。この単元はほとんど暗記勝負で、計算問題はほとんど出題されません。ただし、覚えるべき語句や理由説明が多いので、暗記が苦手な子は苦労しているようです。2週間ほど前から、中2のある生徒が帰るタイミングで次のような質問をしています。
「軟体動物の内臓をつつんでいるやわらかい膜は?」
「節足動物のからだをおおっているかたい殻は?」
答えはもちろん「外とう膜」と「外骨格」ですが、はじめこの生徒は「えー、えー」とあたふたしてばかりで、答えることができませんでした。ただし、ここは想定内です。生徒の実力や得手不得手、知識量は誰よりも知っています。そもそも、「外とう膜」と「外骨格」を曖昧にしているはずだから質問しているのです。常々言っていますが、できない・覚えていない自分を必要以上に恥じる必要はありません。きちんと勉強を開始してから数か月~数年しか経っていないのですから、できないことがたくさんあるのも当然です。もし恥じるのであれば、できない・覚えていないことが山ほどあるのに、それらからいつまでも逃げ回っている自分です。
しつこい私は次の授業日の帰りにも同じ質問をします。ここで完璧に答えることができる子がいる一方、数日前に確認した知識がすっかり抜け落ちてしまう子もいます。この子の場合、残念ながら後者でした。こうなると私はどんどん意固地になります。今度は「外とう膜」と「外骨格」を説明させました。つまり、「外とう膜って何か説明して」という問いを出したのです。もちろん初めは説明できません。なんせ、語句を答える練習はしていても、語句を説明する練習はしていないからです。ですのでまずはリピートをさせます。
私:「外とう膜とは、軟体動物の内臓をつつんでいるやわらかい膜である。はい」
生徒:「外とう膜とは、軟体動物の…膜、ん?軟体…膜?」
私:「外とう膜とは、軟体動物の内臓をつつんでいるやわらかい膜である。はい」
生徒:「外とう膜とは、軟体動物をつつんでいる…膜?」
私:「外とう膜とは、軟体動物の内臓をつつんでいるやわらかい膜である。はい」
生徒:「外とう膜とは、軟体動物の内臓をつつんでいる膜である」
…以上のような練習を数ターン繰り返しました。
そして、昨日の帰りに同じ質問をしました。結果は、「外とう膜」も「外骨格」もどちらも即答することができていました。おそらく、テスト対策でも「外とう膜」と「外骨格」を特別に意識して練習していたことでしょう。勉強なんて1回で完璧になるなんてことはありません。何度も何度も間違いを犯しても、その都度反省し、次に間違えないように印象付けて頭に叩き込むことで、できることが増えていくのです。何度間違えようと、最終的に期限(定期考査や入試)までに覚えればいいのです。
成績を上げるための魔法のような方法があればいいですが、現実的にはそんなものは存在しません。勉強をできるようにする作業は、本当に地味なものです。地道にコツコツ積み上げていくしかないからこそ、精神的に未熟な子は簡単に脱落していきます。その一方、コツコツ努力することを継続した子は、精神的にたくましくなり、脱落していく未熟な同級生を横目で見ながら社会に出る準備を着々と進めていきます。残り時間がまだまだあるようでそうでもないのが定期考査対策です。勉強すればするほど穴が見つかりやるべきことが湧いて出てきます。なぜか部活動休止期間がないので、部活生はなかなか大変なはずです。それでも毎日勉強に励んでいるのは、いい点数を取りたいからでしょう(勉強しに来るように言っているので、仕方なく来ているのかもしれませんが…)。定期考査対策期間中は、ほとんどが自学ですので、サボろうと思えばいくらでも手抜きをすることができます。にもかかわらず、塾に来て勉強している生徒の大半は面倒な勉強から逃げずに立ち向かっています(中には全くダメな勉強をしている生徒がいますが、そういう生徒には遠慮なくダメ出しが入ります。そもそも勉強をしに来ない生徒もいます。きっと家で集中して勉強しているのでしょう。これまで結果の出ていない「自分の勉強」とやらで最後の定期考査も勝負するのでしょう)。これから副教科の勉強も入ってきますが、最後の最後まで自分の限界値を上げていきましょう。保護者の方も毎日の送迎など大変でしょうが、ご協力お願いします。