2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

理科の実力を上げる

長かったゴールデンウィークが終わり、今日から授業再開です。生徒には4月から予告しているように、5月からの授業内容は一気にレベルアップします。「面倒くさい」「分からない」「覚えることが多い」ということが目に見えて増えるでしょうから、それを覚悟の上で勉強に励んでほしいと思います。5月からの濃い学習内容に集中するために、これまでの宿題や再テストを清算するように言っていましたが、数名の生徒が残しています。ゴールデンウィーク前に配布したプリントには、「再テストが残っている生徒は、ゴールデンウィーク期間にすべて合格すること」と明記し、それをもとに説明したにもかかわらずなぜでしょうか(ちなみに、10連休のうち、塾が開いている日は7日もありました)。学力を上げるために必要なのは、才能ではなく努力や真面目さです。そのことにそろそろ気づいてきたことでしょう。

      

さて、今日の話は理科についてです。昨年度のS中学校中1理科の定期考査の点数はあまりにも悲惨です。学校全体の平均で前期中間は56.1点、前期期末は56.0点、後期中間は44.8点、後期期末は37.1点です。きれいな下降ラインをたどっています。塾生の点数も平均点とそれほど変わりありません(この崩壊した理科の点数を受けて、今年度から理科・社会の授業を開始することとなりました)。おそらく、保護者の方は、「理科の問題が難しかったんだ」と思われるでしょうし、生徒も「理科が異常なくらいムズかった」と言っていたことでしょう。しかしながら、それは真ではありません。ガクッと点数が下がっている後期のテスト問題を私も見ましたが、出題されているのはいたって標準的な問題ばかりです。ではなぜこんなに平均点が下がっているのでしょうか。原因は主に2つです。1つ目は各種実験の理解不足です。たとえば、気体を発生させる実験や、アンモニアの噴水実験、再結晶の実験などは、結果だけを覚えていても通用しません。目的、使用する道具、注意点、結果を生みだす原因などを理解し、それらを理論立てて説明できることが必要です。にもかかわらず、理解を面倒くさがって、表面上の簡単なところだけをつまみ食いしているようでは、定期考査はもちろんのこと、入試では全く役に立ちません。2つ目は計算力の無さです。後期の定期考査は化学や物理が試験範囲だったので、必然的に計算量が多くなります。しかし、それに対応できるだけの計算力がなく、また十分な計算練習を積んでいなかったのです。密度、濃度、音の速さ、重力・浮力など計算自体は小学校の計算と変わりません。また、mとcmなど単位の変換もまともにできません。計算力とはいっても、計算ができないのではなく、式をつくることができないのでしょう。そして、式をつくることができない原因は、「密度」や「濃度」の意味を分かっていないことにあります(これらはただ単に小学校で学んだ「単位量あたりの大きさ」や「割合」でしかありません。それなのに、「密度の公式」「濃度の公式」というように特殊な計算として覚えようとするからいけないのです。中学の勉強は小学校の勉強を深いつながりがあるからこそ、小学生のときから塾に通い基礎・基本に忠実に勉強することには大きな意味があるのです)。

     

理科や社会は理解することも覚えることも多いので、むやみやたらに勉強してもあまり効果が出ません。よって、授業の中では、学ぶべき順序、どこまで理解するべきか、あるいは暗記を少しでも軽減する方法(しょうもないですが役に立つゴロ暗記法)などを伝授しています。毎週たった30分間、手抜きは一切なく、「高校受験に通用する学力を育成する」という目的で進めています。最近の福岡県の理科はお世辞にも難しいとは言えません。理科は満点近くとることのできる科目です。理科を不得意のまま放置しておく理由なんてないでしょう。

     

(本日、塾生の保護者の方よりS中学校の定期テストについての配布プリントをいただきましたが、つっこみどころが多く、呆れかえっています。これについては後日まとめて書くことにします。教育の在り方によって実際の影響を受けるのはほかでもない子どもたちですので、学校のやり方がどうなったとしても、私は私で子どもたちの学力にとって必要なことをやっていくつもりです。)

     

     

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