本日22日(金)まで春期講習生を募集しております。詳しくはこちらの「2019年春期講習」をご覧ください。受講を希望される方は本日中にご連絡ください。明日以降のお問い合わせの方には、4月からの入塾を案内することになります。
今回は塾で使うテキストの話です。初めに断っておきますが、大しておもしろい内容ではありません。塾で使うテキストは、学習塾専用に販売されており、一般の方は購入することができないものです。書店で売られているものは、表紙がかっこよかったり、「10日で完成!!」など魅力的なタイトルがついていたり、中身がフルカラーであったりで、一見魅力的に思えますが、演習問題の充実という点においては学習塾専用教材の足元にも及びません。書店で売られるものであってもやらないよりはやったほうがいいでしょうが、掲載されている問題数、最新の入試問題、問題のパターン数などの充実にこだわる場合には、数ある塾専用教材の中から最適なものを選ぶ方がより実戦力を高めることができるでしょう。
当塾でもすべての教科において塾専用教材を使っています。どの塾でも、年度が替わる時期にテキストの選定を行います。そして当塾でも新年度の通年教材を選び終えました。問題量、問題の質、難易度などはもちろんですが、入試の傾向、この地域の学力、英語4技能の流れなどを考慮し選定しました。某個別指導塾や家庭教師のように、1冊のテキストを買うのに何千円も徴収し、バカ高い教材費をいただけるのであれば、テキストをちょっと使ってみて悪かったら別のに切り替えたり、複数のテキストからいい部分だけをつまみ食いしたりできるのですが、当塾がいただく教材費は決して高くはなく、むしろ大手塾では考えられないぐらいの価格です。ゆえに、「このテキストしかない!」というものを選び、そのテキストを余すところなく使い切るぐらいの覚悟で選びました。その一部をご紹介します。
中学生の国語は各学年とも今年度に引き続きサクセスコーチです。サクセスコーチの良い点は、論理的読解に重きを置いており、説明的文章であれば対比構造を分析する、文学的文章であれば、「できごと⇒感情⇒できごと⇒感情…」という因果関係と心情の変化を追うという基本的な読解法を中1から中3まで段階的に積み上げることができる点にあります。中1のテキストに掲載されている文章であっても、公立高校入試で出題されてもおかしくないようなものですし、「日本vs西洋」「科学技術とどう向き合うか」「自然との共存」など、現代文読解のテーマやキーワードがどんどん出てきます。事実、中2のサクセスコーチの序盤に掲載されている山鳥重の「『わかる』とはどういうことか」は、3年ほど前に福岡県入試で出題されました。文章もほとんど同じ箇所を使っています。古典はいろいろなところでよく見かける定番問題が多い印象ですが、それでも十分な問題量は確保できます。ただし、弱点もあります。それは文法の説明と演習量が少ないことです。おまけ程度にしか載っていませんので、文法に関しては補足プリント・演習プリントで補っていかなければなりません。
中学生の数学はウイニングに変更します。変更を決めた理由はただ一つ、中1の方程式の利用の単元の充実度です。この単元は苦手にする子が多く、さらに次の学年へとつながる重要な部分なので、深い理解と十分な演習量が必要です。ホームページ上の追加問題も入れると、とてつもない量、パターンを経験することができます。もともとベーシックなテキストなのであらゆる学力の子に使いやすいというのはありますが、福岡県の公立高校入試のレベルとも近く、このテキストをクリアすることがすなわち受験勉強の基礎づくりになっていきます。福岡県で必ず出題される一次関数の利用の部分が少ないですが、それは蓄積している演習問題を使って補完していきます。また、テキスト内容の講義動画がパソコンやスマホで見れるようなので、授業を欠席した場合や、今一つ理解が不十分な場合、先取りで予習をしたい場合には有効活用できるのではないかと思います。
中学生の英語はウインパスに変更します。英語は学習指導要領の影響が大きい科目なので、慎重に選ばなければなりません。その中でウインパスを選んだ理由は2つです。1つは、リスニングに力を入れているテキストである点です。テキストにQRコードがあり、それを読み取れば音声を聞くことができます。公立入試でもリスニングの配点は3分の1を占めています。リスニング対策を中3から行う塾や受験生が多いですが、それを中1から積み上げていけば、リスニングが大きな強みとなるのは間違いありません。そもそもリスニング力なんて短時間で身につくわけないのですから、中1からリスニング練習をしましょうというのは、本来の英語学習に戻るということなのかもしれません。2つ目は、単元の終わりにある英作文と長文読解問題が充実しているという点です。そもそも当塾は「日本語を英文になおす」という練習、いわゆる英作文を重視しています。正しい英文を書けるようになれば、空欄補充も、並べ替えも大して難しくないからです。しかし、文法の指導に傾くあまり、読解の部分が疎かになっていたのは否めません。そこで中1から簡単な読解問題チャレンジし、英文の訳し方、接続関係、物語の展開、解答の探し方などを訓練していきます。
中3理科は昨年同様ウインパスと実戦問題集です。ウインパスは別のテキストに変えようと思っていたのですが、「これだ!」というものがなくウインパスを使います。ウインパスは標準的なテキストで、大きな特徴がないところがいいところです。しかし、このテキストだけでは演習量が足りませんので、それを補うために実戦問題集を使います。福岡県の入試レベルを考えれば、実戦問題集をやり抜きさえすれば十分です。標準的なテキスト+実戦問題集というコンビは最強だと思っています。
中3社会は一番頭を悩ませましたが、新年度ではウインパスを使うことにしました(全体的にウインパスとウイニングに偏っていますね…)。正直、演習量や説明の部分での不足は気になるところですが、足りない部分は過去問などを活用し補っていきます。選んだ最大の理由は、ウインパスのここが良いというよりも、ウインパスが一番クセがないからです。クセがないので使いやすいテキストです。
小学生の国語はエフォートⅡを使います。中学受験用に使うことが多いですが、それをあえて使います。理由は、標準的な小学生のテキストよりも文章の質、問題の質が高いからです。簡単に解ける問題ばかり解いてもつまらないですし、学力はつきません。必死に読む、必死に解くことを繰り返して国語力をとことん高めてほしいと思います。
小学生の算数はコアを使います。ごくごく標準的な算数のテキストです。小学校の勉強をまんべんなく理解、定着させていきます。ただし、強弱はつけていかなければなりません。たとえば、5年生の割合、単位量あたりの大きさ、6年生の文字と式、比、比例などにはかなりの時間を割き、練習問題をこなし、理解をしてもらわなければなりません。それらは、中学校の数学の出来に直結する内容だからです。ただ単に暗記で済ませ、数字を代入するやり方しか知らなければ、中学に入り苦労することは目に見えています。小学生は、小学校の勉強のための勉強ではなく、中学校へとつながる勉強をしてほしいと思います。
テキストを変えると、授業の進め方や小テストなどを大きくつくりかえなければならないのですが、それ以上に新しいテキストを使う方が学力アップにつながると判断しました。あとはテキストを生かすも殺すも私次第ですので、これから細かなカリキュラムや小テストをつくり上げていきます。全然おもしろくないテキストの話でした。