2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

攻めと守りの受験勉強①

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私立高校の後期試験も終わり、残すところは公立入試となりました。公立入試まであと24日。サッカーにはそれぞれが役割を担った布陣があるように、勉強法にも、「攻め(オフェンス)」と「守り(ディフェンス)」があり、とくにこの時期はそのバランスが重要になります。あまりに攻撃的な勉強ばかりをくり返すと、初歩的なものが疎かになったり、逆に守りに入りすぎると、対応力がのびなかったりするものです。サッカーであまりに攻撃に前のめりになりすぎると、あっさりとカウンターを決められるようなものです。今回は各教科の「攻め」と「守り」の受験勉強を紹介します。

      

〇国語の「攻め」…初見の文章読解に取り組むことです。一番いいのは福岡県の過去問ですが、それをすべて終えてしまったということであれば、他の都道府県の問題に挑戦するのが一つの方法です。ただしこのときに気をつけなければならないのは、都道府県によっては、文章が長すぎたり、福岡では出題されないような内容だったりするので、そこは気をつけて選ばなければなりません。とはいっても、国語の読解力なんて3週間程度で早々のびるものではありません。文章を読むときにどういうところに筆者の意見・登場人物の感情が表れているのか、あるいは文章の展開などは地道に訓練を続けて初めて見えてくるのですから、それほど期待はできませんが、何もしないよりは問題に挑戦するほうがいいでしょう。

〇国語の「守り」…作文の練習です。2018年の入試ではそれまで大問4つの構成から5つの構成に変化しました。にもかかわらず、作文の配点は変わらず15点のままです。確かに以前までのシンブルな設問に比べとっつきにくくなってはいます(特に書き出しで悩みます)が、文章読解や語句・文法問題ほどの知識は必要ありませんし、なによりも配点が大きいので、しっかりと確保するべきところです。作文が苦手な子は、模試や販売されている過去問集の作文例を見てみてください。決して高度な構文や語句を使っているわけではありません。ただ単に「そんなの当たり前だろう」というのを理路整然と並べているだけです。入試の作文だからすごいことや自分にしかないオリジナルのものを書かなければならないと構え過ぎずに、誰もが考えそうな普通のことを書けばいいのです。読む側からすると全くもって個性のかけらもない文章に仕上がりますが、それでも15点が確保できるからいいのです。それが受験です。

      

〇数学の「攻め」…図形問題の精度を上げることです。大問5、6の図形問題は、他の大問に比べ一気に難易度が上がります。しかし、大問5の相似証明や大問6のねじれの位置・体積の問題は確実にクリアしなければなりません。特に相似証明は使うべき語句・文章は決まっていますので、過去5年間の相似証明問題をといて、証明パターンを習得しましょう。模範解答を見ると「対頂角は等しいから」「OB=ODより、△ODBは二等辺三角形だから」など、減点されない書き方が載っています。また、後半の問題は中3で学習する三平方の定理が絡んでくるので、演習量の不足からどうしても正答率が下がってしまいます。そもそも1%程度の正答率しかありませんので、これを解かないと志望校に合格しないという問題ではありませんが、解けないよりは解けたほうがいいのは確かです。方程式も関数も、確率も資料の活用も、すべて大丈夫なのであればぜひともチャレンジするべきです。ゆとり時代の問題でもなかなか歯ごたえのある問題が多くありますので、数学力を強化したい受験生は取り組んでみてください。

〇数学の「守り」…何はともあれ小問集合です。最初の基本計算は問題ないでしょうが、後半の確率、ねじれ、標本調査、適当な関数を選ぶ問題などは基本問題を解いて確実に正解できるようにしておきましょう。いずれも基本的な問題ですので、とりあえずは教科書や問題集にある基本問題で構いません。大問2・3では何が出題されるか分かりませんが、文字を使った証明の練習はしておくべきです。ゴールから逆算すればこんなに楽に点数を確保できる問題はありません。大問4の関数では、関数の式を求める練習と2つのグラフの交点を求める練習を積んでおくのが最低条件です。それができれば関数で満点を取ることができます。

      

〇英語の「攻め」…初見の長文問題に挑戦します。過去問であれば5年分で十分です。ただし必ず時間を計って解きましょう。どちらも8~10分以内で解くようにします。そしてもちろん途中で辞書を引いたり、ケータイで調べたりしてはいけません。英語長文ではやや難しい単語が必ず出てきます。そしてその単語が解答に関わることもあります。ですから練習の時点で単語の意味を予測する訓練を積んでおかなければなりません。予測したうえでもしその単語が解答に関わらなければさっさと読み飛ばせばいいだけです。並べ替え問題は選択肢を見た段階で即答できるのが理想ですが、それが難しいならば、一つひとつ可能性をつぶしていきます。答えは必ず1つに絞られるわけですから、間違った解答には必ず矛盾が生じます(主語がHeなのに動詞がhaveなのはおかしい、など)。そうはいってもそもそもの英語力がなければその矛盾に気づかないですし、これから文法の総復習をしている時間はありませんが、まだ入試は終わっていないのですから、入試をむかえるまでに英文法で弱い箇所に関しては演習をするべきでしょう。

〇英語の「守り」…英語は中1からの学習の蓄積がない子はほとんど点数が取れません。ゆえに現状でごく基本的な英語力(3単元のsや不規則動詞の活用、文法の基本の形など)が身についていない受験生は、大問4の英作文と大問1対話文の補充問題を落とさないような対策となります。英作文はやや書きにくいテーマであることがありますが、まずは正しい文を書くことが重要です。国語の作文同様、すごいいいことを書こうとか、オリジナルを発揮しようなどということは二の次です。ごく当たり前のことであっても、正しい文を書けていれば十分です。模範解答では関係代名詞や従属接続詞を使っていますが、そのレベルは目指す必要はありません(もちろん書けるに越したことはありませんが…)。対話文は訳ができればどうってことありません。一文一文はそれほど難しくありませんので簡単に訳せるはずです。あとは前後の文脈判断ですが、このときに安易なひっかけに乗ってはいけません。たとえば、「明日映画を観にいこう」と言われて、「いいね」と返した場合でも、そのあとに「でも明日はお母さんの手伝いをしなければならないんだ」と続く場合もあります。必ず空欄の前と後ろを読んで判断することです。こんな安易なひっかけで大事な2点を失いたくありませんよね。

    

次回は残りの理科・社会について書きます。短期間で一気に伸びるのが理科・社会です。ゆえに受験直前期には、国数英以上に力を注ぐべき科目です。攻めと守りを意識して、より点数に結びつく受験勉強を目指しましょう。

      

     

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