2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

社会の受験勉強のポイント

なぜか最近は2018年公立入試分析(社会編)の記事の視聴数が増えています。入試問題の私感ですので、読んだからと言って点数が上がるわけではありません。国語や数学の入試であれば、「これは出る」「これは出ない」というのがハッキリしていて、対策もしやすいのですが、理科や社会は全体がまんべんなく出題されるので、何かに偏った対策というのはリスクにもなり得ます。今回は公立入試まで1ヵ月における社会の勉強についてご紹介します。

       

基本的には、「知識の確認」「問題演習」「知識の習得」という3つのことをやっていくことになります。

      

「知識の確認」は、知識の整理と言ってもいいかもしれません。これまでに身につけた知識事項を呼び戻す作業です。いくら年代を100個覚えたとしても、その100個を問題演習の中で頻繁に使うことはありません。すると、一度覚えた知識であっても、いざ使おうと思ったときに引き出すことができないということがおこります。もしそれが入試本番だったらと思ったらぞっとしますよね?そこで、一度身につけた(身につけたと過信している)知識の定期的な確認・メンテナンスが必要となります。具体的には、一問一答集を繰り返したり、年代の確認だったりがこれにあたります。ただしこれらの作業は「点」を確認するものにすぎません。もっとも理想的な確認作業は、教科書を読むことです。1年前に教科書を読んだときには内容を全く理解できなかったものが、いま読むと納得して頭に入ってきます。いわば、「点」の知識を、「面」の知識に広げていく効果が教科書にはあります。すべてのページを読むのが理想ですが、時間が無いときには苦手な部分だけでも十分です。この作業は学校の休み時間や寝る前にやるのがおすすめです。

(ふつう、一問一答集にはレベル設定がされています。3段階に分かれているものであれば、とりあえず最も難しいものはさけ、基本~標準を定着させましょう。)

        

そして「問題演習」です。多くの受験生は過去問に挑戦するはずです。社会に関しては、あまりに古いと統計が今とは異なることがあるので、3~5年分ぐらいで十分でしょう。それ以前のものに取り組むときには、地理(場合によっては公民も)は省いてもかまいません。また、何回も繰り返し同じ過去問に取り組む子がいますが、あまりおすすめしません。数学や理科であれば、定期的に繰り返しやってみることにある程度の効果がありますが、社会にはそれはありません。暗記力が高い割合を占める科目においては、初見段階でできるのか、できないのかが重要です。もちろん間違えたところの確認はしなければなりませんが、一度解いてしまい出るものが分かった状態で再度解いても、それほど意味がないのが社会です。使い捨てカイロのように、最初に開けたときが勝負であり、使ってしまったものは役には立たないのです。福岡県の過去問にこだわらなくとも、演習に使える問題ならばいくらでもあります。全国公立高校入試の過去問です。それも2018年の最新の問題があります。書店に行けば全国高校入試問題は売られていますし、そうでなくてもホームページには各都道府県が公表しているものもかなりあるはずです。新しい問題に挑戦して、その場での対応力や記憶の引き出し方を訓練することが、社会の問題演習では欠かせません。繰り返し同じものを解いて、居心地の良さや達成感を感じていても実力は尽きません。初見問題に揉まれて、そこでなんとか乗り越えてやろうともがくことで、実戦力が身につくのです。

      

問題を解いたら、丸付けをして、答えや解き方の確認をします。ただ赤で正しい答えを書いて終わる受験生は、この時期であればもういないでしょう。問題演習をしているうちに、全く解けなかった問題や初めて知った知識、間違って理解していたことが露見することがあります。そんな時に欠かせないのが「知識の習得」。語句であれば、そのときに覚えてしまえば終了です。ただし、語句だけではなく、その語句の意味や内容もセットで頭に入れなければその知識は使えません。思考系の問題であれば、まずは問題集の解説を読んでみます。もし解説をよんで「なるほど」と理解できればそれで十分です。理解できるだけの知識は備わっているということでしょう。一方、解説が理解できない場合は、前提となるべき基本知識がそもそも頭に入っていない可能性があります。解説は十分な知識のある人間が簡潔に記述したものなので、知識がないとそう簡単には理解できません。その場合は、教科書の該当ページを読むことをおすすめします。教科書もなかなか理解しにくい記述がありますが、解説に比べると読みやすいはずです。問題を解くだけでは実力は付きません。問題を解いて気づいた苦手個所や忘れていたこと、曖昧だった箇所を理解しなおし、克服してこそ問題演習する意味があるのです。

      

定期的に「知識の確認」をして、知識を劣化させないようにする。「問題演習」では繰り返し解くのではなく、フレッシュな問題を用いる。問題を解いたあとには、自分に足りなかった「知識の習得」をする。どこかに偏りすぎても、疎かになってもいけません。そのためにはルールをつくるのがいいでしょう。たとえば、「社会の問題演習は、週に2回、水曜日と土曜日に行う。解き終わったらその日のうちにやり直しを行い、知識の習得をする。それ以外の曜日は他の教科の問題を解く。すき間時間があれば歴史の教科書の文化史のところを読む。」などと決めてしまえば、バランスよく必要なことをこなしていけます。勉強はスタートが大事とよく言われますが、それは受験勉強のスタートでも同じことです。やみくもに勉強をしていると、知識の習得の部分だったり、確認の部分が疎かになります。スタートするときに、ゴールに間に合うためにはどのようなペースで進めていけばよいかを考えてみることで、受験までの計画の立て方は自ずとみえてくるはずです。これから1ヶ月で何をする予定ですか?何をしなければなりませんか?そこを把握できてるのであれば、これからの勉強で求められるペースはすぐにわかります。私立入試が終わった瞬間に、再スタートの号砲が鳴ります。私立の入試問題についてああだこうだいっている時間はないはずです。是非とも公立入試まで、計画性のある1ヵ月間を送ってください。

      

2月定期考査学習会では、一般生の参加も受け付けています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

● 定期考査対策がはじまります

        

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