2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

前進したいのなら変化せよ

勉強のやり方に関しては、常に「このやり方でいいのか」と自問自答を繰り返すことが必要です。一度うまくいったやり方が、次も同じようにうまくいくとは限りません。逆に、結果が出なかったやり方が、本当にダメなやり方とも限りません。やり方は理にかなっていたとしても、本人がやる気や取り組み方で、結果が出なかったのかもしれません。「このやり方をすれば誰だって成績が上がる」という魔法のようなやり方など存在しないのですから、常にどうすればよいか、本当にこれでいいのかと考えておかなければならないのです。

 

中1の定期考査の問題と、中3の定期考査の問題は、問題の難易度が全く違います。中1の最初のテストなど、学校の授業だけをまじめに受けていたら、誰でも8割以上取れるような、とても易しいテストばかりです。英語はアルファベットやbe動詞、数学は正負の数の計算、理科は植物、社会は世界地理、国語も簡単な現代文ですので、深い科目の理解やテクニックなどの習得が必要ありません。ほとんどが基本語句を答えたり、ワーク通りの解答を書くだけで終わりです。そもそも小学校からあがりたての中1生には、読解力や思考力が養われていませんので、せいぜい教科書やワークレベルの問題しか出すことができません。それ以上の発展的な問題を出すには、学校の授業ではそこまでの実力養成の時間が足りませんし、壊滅的な平均点になることは目に見えています。ほんの少し難易度を上げただけで、平均点が50点台になることはざらにあります。しかし、中2、中3と進むにつれ、当たり前のように教科書以上の問題や入試レベルの問題が出されます。それは、学習内容自体の難易度が上がっていることにも原因がありますが、学校の先生が意図的に難易度を上げていっていることが大きな原因です。始めは見たことがある問題ばかりだったのが、徐々にその場で考えなければならないような問題が増えていきます。中1のときは、ただ覚えていればよい、ただ書ければよい、ただ計算できればよいだけでよかったのが、学年が上がるにつれて、本当にこの単元を深く勉強したのか、根本から理解しているのか、ただの暗記で終わっていないのかを問うことが多くなるのです。ということは、中1の最初の定期考査でいい結果が出たからといって、そのときと同じやり方や時間で勉強していれば、気づいたときには成績が下降線をたどることになります。よく、「中1のときはそこそこよかったのに、中2になったら全然点数が取れない」という子どもや親御さんがいますが、それは中2になってダメになったのではなく、中1の時点で降下しているのに気づかなかっただけです。

 

具体的な話をしましょう。9月の定期考査で、中1の理科は植物の単元がメインで出題されました。塾生はまずまずの点数を取ることができました。何せ植物の単元は暗記が中心で、とにかく一問一答式に語句を暗記すればいいですし、記述で答える問題もほとんど定型文化しています。計算問題といってもせいぜい蒸散の実験でですくらいで、それも小学生でやるような引き算ができれば十分です。そして今回の理科のテストでは大きく点を下げました。原因は明らかです。前回と同じやり方を繰り返してしまったからです。今回の試験範囲は化学の単元がメインで、生物のただ覚えておけばいいというやり方ではいけません。もちろん覚えておかなければならない知識は多くあるのですが、それ以上に密度の計算、単位変換など、理解や慣れが欠かせません。そこを面倒くさがり疎かにして、語句暗記を重視してしまったことが反省すべき点です。「前回はこれでうまくいったから」という気持ちは分かるのですが、内容も難易度も違うのですから、やり方を変えていかなければなりません。車に乗って信号待ちで停車しているとき、隣のバスがゆっくり発車すると、自分の乗っている車は相対的にはゆっくりと後退していくことになります。勉強のやり方を変えないということは、この車と同じ状態です。うまくいったときと同じやり方をしているにもかかわらず、成績が下がるのは、テスト自体が前進しているからです。追いつくためには、自分自身が前に進まなければならないのです。昨日の授業でも生徒には伝えましたが、この失敗を次に生かしていくことが、成長することを意味するのです。

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