2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

理科を磨け

福岡県の公立高校入試で、最も点数を取りやすいのは理科だと思います。平成26年に得点率42%ということもあったのですが、それ以降はいわゆる典型問題ばかりが出題されています。今年の得点率も54.8%と国語に次ぐ2番目の得点率でした。5教科がすべて同じ配点なのですから、受験では簡単な科目でどれだけ稼ぐことができるか、また難解な科目での傷をどれだけ浅くするかが重要になります。そういう意味では、理科は得点を稼ぐべき科目です(もちろん来年の入試で難易度が大幅に上がることも考えられます。事実、今年の国語の得点率は9%も下がりました)。

 

ではどのように理科の勉強をすればよいでしょうか。受験生がこれから理科の勉強を始める場合、絶対にやってはいけないのが、一番最初から勉強を始めることです。具体的に言うと、中1の一番初めに習う植物のつくや顕微鏡の使い方などから勉強してはいけないということです。理科の勉強の中でも、植物の単元は覚える作業が中心となりますので、最初に手をつけてもそのうち自然と忘れ去られていきます。また、植物の問題はそれほど難しくなく、例年得点率も高いですので、対策が遅れてもなんとかなります。まず手をつけるべきなのは、物理や化学の単元です。物理は中1でいうと光・音・力、中2では電気、中3では運動とエネルギーが含まれます。化学は中1で物質に着目し、中2では化学反応、中3ではイオンを扱っています。物理や化学の内容は、暗記することも大事ですが、それ以上に解答にどのようにたどり着くのか頭を使って考えることがカギになります。オームの法則を覚えるだけでなく使えるかどうか、イオン式を覚えるだけでなく電気分解の様子を図示できるかどうかが成否を分けるのです。深い理解が必要ですので、身につけるのには時間がかかります。様々なパターンの問題にも触れて、細かな引き出しを増やさなければなりません。ですから、理科の勉強を始めるならば、まずは物理・化学分野から手をつけ、じっくり実力を養っていくべきです。その後、地学に手をつけ、最後に生物という順番がよいでしょう。戦略的な話をすると、理科の入試で出題された問題は、数年間は出題されませんので、理科の受験勉強はポイントを絞って行うことができます。例えば、今年の入試では電池の実験が出ましたので、数年は電池は出ないでしょう。イオンの単元の中でも、電池の問題演習が不足していても受験を突破する上では構わないということです。一方、電池以外の電気分解や酸・アルカリと中和はきちんと対策しておくべきなのです。ちなみに、今回の中学校の定期考査の範囲は電池までで、中和が含まれていないのがもったいないところです。中和が含まれていないので、もちろん中和のテスト勉強はしていません。来年の受験で出題可能性があるところですので、定期考査学習の機会に復習し身につけるのが最高の受験対策なのですが、学習塾の立場からするとなんとももったいない試験範囲だなというのが正直なところです。

 

当塾では受験対策として、実戦問題集というものを使っています。この問題集は、2段階の構成となっています。はじめは超基本事項の確認や基本計算の練習が「これでもか」というほど並んでおり、後半は入試レベルの実戦問題が「これでもか」というほど並んでいます。例えば、炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験は市販の問題集だと1~2題ほどしか掲載されていませんが、実戦問題集ではその倍の4題も掲載されています。一言で言うと「しつこい」問題集です。またこの問題集を使う大きなポイントとして、福岡県の入試レベルと合っていることも挙げられます。公立高校入試の理科に関しては、実戦問題集を完璧にマスターすれば、ほぼ満点取れるのは間違いありません。さらにここから全国高校入試問題で47都道府県の入試問題に挑んでもらいます。点数を取りやすい理科ですので、とことん点をかっさらう作戦です。実戦問題集でしっかりとした土台をつくり、全国高校入試問題で積み上げられるだけ積み上げていきます。理科・社会は後半勝負です。戦い方次第で大きな飛躍を遂げることだって可能な科目なのです。

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