2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

理解していることを示す

朝からイオンモールに子どもたちの姿が多いなと思ったら、今日は振替休日なのですね。

 

さて中2の数学では「式による説明」を指導しています。これまでは単なる加減乗除の計算でしたが、この単元に関しては計算力以前の「国語力」が重要です。多くの生徒が「テンプレート」の暗記に終始してしまうのですが、それではいけません。どういうことを証明するために、どういう段階を踏んで、どういう言葉で論理的にするのかが重要です。論理的と言われても子どもたちはなかなか理解できないので、結果的に「テンプレート」を覚えさせれば良いという発想に落ち着くのでしょう。

 

そのなかで、計算結果を確かめるときによく用いられる表現として、「(n+1)は整数なので、4(n+1)は4の倍数である。」という言い方があります。別に同様の内容であればどんな表現でも構わないのですが、この表現が最もポピュラーだと言えます。しかし、次の文には違和感を感じます。「(n+1)は整数なため、4(n+1)は4の倍数である。」この文の「整数なため」というところに何か引っかかりませんか。「な」というのは断定の助動詞「だ」の連体形。「ため」は理由を表す語であり、直前には「の」「が」もしくは連体形がくるのが普通です。ということは形式上は間違いではないといえるかもしれません。でもなぜか違和感がぬぐえません(一つには「整数な」という部分が形容動詞化しているように思えるからでしょう)。このような採点者を惑わす表現を可能な限り排除して、気持ちよく〇がもらえる答案を作らなければなりません。そうなると、結局は指導者の模範解答をそのままコピーするのが無難ということになります。ただしただ覚えたことを書くのと、理解したものをもとに考えながら答案をつくるのでは雲泥の差があります。その文言一つひとつの意味を分かっているか否かは今後の図形の証明、連立方程式の文章題においても重要ですので、これからも頭を使った勉強をしていきましょう(高校受験はただ単に答えさえ出せば構わない問題が多いのですが、大学受験の二次試験になると、ただ答えを出す問題は限定的で、多くは解答の過程を提示しなければなりません。今やっている計算を言葉で説明する力が大切なのです)。

 

ちなみに「なので」の「な」は断定の助動詞ですので、直前には体言(名詞の類)がこなければなりません。「今日は雨なので、家にずっといる」という形が正解であり、「今日は雨だ。なので家にずっといる」のように直前に体言を置かず、文頭に「なので」を持ってくる形は間違いです。作文でも「なので」を文頭に置く子がいますが、「なので」の前に置くのは体言なのでやめましょう。

 

土曜日には中3の理科の運動で、斜面をボールが転がっていく運動を指導しました。いわゆる速さがだんだん速くなる運動ですね。ではなぜボールは加速していくのでしょうか。中2までであれば「転がっているから」とか「ボールだから」と答えるでしょう。でも中3生は「物体の重力の分力のうち、斜面に平行な下向きの分力がはたらき続けるから」と答えなければなりません。これもそっくりそのまま書く必要はなく、力というものを正しく説明してあげれば〇はもらえます。一見難しそうな表現であっても、内容を正しく理解していれば書くべきことは自ずと見えてきます。この文言を完璧に覚えてしまっても、理解したことから導き出しても、どちらでも構いませんが、やるべきことが多い受験においては後者のやり方を身につけるほうが圧倒的に効率的だといえます。塾では頭を使いますので、おにぎりでもチョコレートでも構いませんので、糖分を蓄えてきてください。

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