2024年3月4日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

令和4年度 福岡県公立入試問題分析② 数学

今回は数学です。どうやら「昨年よりも易しくなった」という声が多い数学ですが、いったいどうだったのでしょうか。一つひとつ見ていきましょう。

     

国語と同様、難易度を以下の記号で5段階評価していきます。

①→非常に易しい

②→やや易しい

③→普通

④→やや難しい

⑤→非常に難しい

客観的で一般的な難易度というよりも、日ごろの塾での指導内容や生徒に求めるレベルから見た難易度です。したがって、全体の正答率が低そうな問題であっても、ここで指導を受けている塾生にとって簡単だと思うものには①や②を付けています。もちろん逆もしかりです。では早速見ていきます。

     

大問1 小問集合:ここ数年と同様に、9問×2点の18点満点です。

(1) いつも通り、中1の四則計算。①

(2) 中2の多項式の計算。①

(3) 中3、平方根の計算。わり算が出てくるのは珍しいですね。√9を残さないようにするところだけ注意です。①

(4) 中3の2次方程式。①

(5) 中1の反比例。①

(6) 中2の確率。同時にとり出すという設定に注意。それ以外は問題なし。①

(7) 中3、二乗に比例する関数のグラフ。ここ数年で、グラフをかく問題が増えてきていますので、対策はできていたことでしょう。①

(8) 中1、度数分布表から累積相対度数を求める。累積相対度数は、新内容としてある程度対策していたのではないでしょうか。今年度の模試で一度だけ累積相対度数が出たことがあります。そこで間違えてしまった子が、本番ではちゃんと正解できていました。日頃言っている、「間違いを分析し、反省し、次の成功につなげる」ということが実践できましたね。①

(9) 中3、標本調査。過去問でも出たことのあるタイプの、ありきたりな問題。①

いずれも超基礎的な問題です。上位校受験者であればほぼほぼ満点を取ってくるでしょう。中下位層の子は、大問2以降で正答率がグーンと下がるでしょうから、ここで1問でも多くとることが合格につながります。

       

大問2 データの活用:さっそく箱ひげ図が出ました。個人的には、箱ひげ図は小問集合で出て、大問では確率が出ると予想していましたが、大きく外れる結果となりました。とはいっても、授業では、それなりの問題数をこなしてきたところなので、塾生は安心して臨めたかと思います。

(1) 2つの箱ひげ図から読み取れるものをすべて選ぶ問題。アは第1四分位数ではなく最小値(または4点ではなく7点)。ウの10点以上をとった回数は、Aさんが7回に対しBさんは12回なので不適。アとイは簡単なので、ウとエを適切に判断できるかがポイントです。②

(2) データを比較して、どちらがよい結果と言えるのかを説明する問題。データのどの値に注目するかによって結果が変わる、といった問題は昨年も出ています。昨年は、中央値と最頻値だったでしょうか?今年は「Bさんである」という結論は決められており、その説明のために「中央値」と「四分位範囲」を用いることになっています。P~Sの数値を入れるのは簡単です。Zの説明部分は少し戸惑いますが、問題の指示通り、それぞれの数値を比較した結果を書けばよいです。ある塾生は、「Bさんの方が中央値が大きく、四分位範囲が小さいことから、ばらつきが小さく、より高い点数を安定してとれると判断できる」と書いていました。ただ単に数値を比較するだけでなく、そこから何が分かるかまで言及していて、さらなる加点をしてほしいぐらいすばらしいですね。③

      

大問3 文字式や乗法公式・因数分解の利用:正直、ここが出てくるのは予想外すぎました。とはいっても、この手の問題はいくつか取り扱っていました(例えば、平成14年や平成21年の問題など)。はじめは面を食らったと思いますが、記述する問題はなかったので、トップ校受験者は対応できたはずです。

(1) A-Bを表す式を選ぶ問題。A、Bそれぞれを求めてから差を求め、共通因数でくくれば分かります。r²-a²を因数分解せずにそのまま残したのは、アの選択肢との兼ね合いでしょうか?②

(2) 道の面積Sと道の真ん中を通る線の長さℓの関係を、文字を使って調べる問題。平成14年の問題と近いですが、今回は直線部分が含まれるので、そこを忘れないようにしなければなりません。どちらかといえば、Sの方がやや難しく、ℓは簡単だったはずです。Sとℓが分かれば、最後のS=2ℓは難しくありません。それぞれで点数がもらえるので、香椎、新宮あたりの受験者であれば、どれか一つでも正解したいです。反対に、それより下の高校であれば、さっさと切り捨ててしまうのが最善手でしたね。④

      

大問4 一次関数:毎年おなじみの関数です。今年は水槽問題かと予想していましたが、加湿器でした。加湿器や暖房機は、基本的に直線の傾きが負(または横ばい)となる点に注意が必要です。論述説明問題が久しぶりに消え、面倒くささがなくなってあっさりした印象です。1点でも部分点がほしい受験生にとっては正解を出さないと点数が取れず、むしろ酷だったかもしれません。

(1) はじめの1時間半で減った水の量を求めるという、小学生でもできる計算。はじめの2時間は「中」で使用したので、500×1.5という計算になります。「強」や「弱」だと勘違いしてしまった方、残念でした。①

(2) 2≦x≦5における直線の式を求める問題。傾きが負であることに注意が必要です。あとはx=2またはx=5のときの値を用います。求める過程を説明するわけでなく、ただ式を求めればよいので超簡単です。①

(3) これもまた定番の問題です。水の残り量が等しくなった時刻を求めます。まずはいつも通り2直線の式を求めますが、値がすべて整数になるので全く苦ではありません。次に2つの式を使ってxの値を求めます。ここではじめて小数(または分数)が出てきます。6.4をあわてて6時40分にしないように。②

      

大問5 平面図形:昨年は平行四辺形でしたが、今年は見慣れた円に戻りました。

(1) △ABCと相似な三角形を選ぶ問題。直後にAE=ADとありますので、発見は容易です。①

(2) 三角形の合同証明。今年は相似証明に戻るかと思いましたが、2年連続の合同証明となりました。昨年の合同証明にはややこしさがありましたが、今年は非常にシンプルでしたね。難しいとしたら、弧BC=弧CDからの∠BAE=∠CADのところぐらいでしょうか(そうはいっても、中上位校受験者は余裕でできます)。これほど簡素な証明は久々に見ましたね。①

(3) 線分AEの長さを求める問題。この問題のように、分かっている線の長さが1つしかない場合、例外なく直角三角形の有名角と辺の比が関わります。∠BAE=30°の時点でやることは1つ。そう、点Eから線分ABに垂線を引くことです。また、二等辺三角形の性質や円周角を用いれば、∠ABE=45°であることがわかります。平面図形の最後の問題も、例年になく解きやすいものでした。④

      

大問6 空間図形:直方体から三角柱を切り取られており、設定としてはややこしいものです。平面図形が簡単すぎるので、ここで調節しているのでしょうか?

(1) 辺や面の位置関係として、正しいものを選ぶ問題。間違うとしたらエです。辺DHと辺KLは延長させると交わるので、ねじれの位置ではありません。ねじれの位置で間違いやすいパターンの問題です。①

(2) 三角錐AIPDの体積を求める問題。まずは、Pの位置を特定するために展開図を書きます。2つの直角三角形で相似比を使えばAP=5cmとわかるので、底面となる△AIPの面積がわかります。最短距離やAPの長さを求めるだけではなく、体積まで求めなければならなかったので手間取ったでしょうか?④

(3) △AQJの面積を求める問題。△AQJは△ACJの一部なので、まずは△ACJを抜き出して考えるでしょうか。△ACJはAC=JCの二等辺三角形なので、高さを求め(ここは若干面倒くさい)、面積を導きます。あとは、JQ:QC=2:3より、△ACJ×2/5で終了です。AQの長さを求めてしまうのも一つのやり方ですね。ただし、いずれの方法も時間がない中でやるには非常に大変です。この正答率はかなり低いでしょう。⑤

      

数学は、巷で言われている通り、非常に易しくなっています。数学が苦手な子にとってはラッキーなタイプの問題だったでしょうか。一方で、数学を得意にしている子は肩透かしを食らったことでしょう。今年の記述量は減りましたが、来年以降も記述・説明する作業をおろそかにせずに対策をしていくべきです。記述する過程で、思考が整理され、なあなあにやってしまっていたことがあぶりだされます。解答までの過程を説明することは、数学だけでなく5教科すべて、ひいては勉強以外のところにおいても大切なスキルです。受験勉強を通して、生徒の総合スキルが上がってくれると嬉しいですね。

     

    

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