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先日、受験生にとっては最後の県模試を受験しました。良い結果には自信をもって、悪い結果は本番での成功の材料にしなければなりません。悪い結果をただ嘆いていても意味がありません。なぜうまくいかなかったのか、なぜできなかったのかを分析し、反省するまでが模試であり、それをしないのであれば模試を受ける価値は無いに等しいといえるでしょう。
模試の間違いは3つに分類するとよいでしょう。以下がその分類です。
① 知識・技能がなくて、解けなかった。
② 問題の意図も解き方も理解していたが、解答に至るまでの過程で間違いを犯してしまった。
③ そもそも問題の意図や条件を理解していなかった、あるいは見落としていた。
①の間違いは、模試を受けた時点ではどう頑張っても解けなかった問題です。たとえば、湿度の求め方がわからなかった、オーストラリアの先住民なんて知らなかった、リスニングで流れる英語が聞けなかったなどです。そもそも、問題を解けるところまで到達していなかったのですから、決して落ち込む必要はありません。もし私がソフトバンクホークスの開幕投手になって、ボコボコに打ち込まれても、何も落ち込みません。ピッチャーの練習をしたこともなければ、バッターを抑えられるだけの球威・コントロール・変化球など持ち合わせていないからです。受験生も同様で、自分の能力を超える部分に対しては必要以上に危機感を感じる必要はありません。これまで全く勉強しておらず、知識の量が少ないのであれば別ですが、普通の受験生であればこれまでに一定量の勉強をこなしてきたはずです。それにもかかわらず、知識・技術がなかったということは、大抵の受験生はできないだろうと割り切るべきでしょう。惜しいところまでいっていたなら落ち込むでしょうが、その試験時間の中でどうにか工夫できたわけではないのです。60点満点のテストではなく、はじめから満点が55点だったと諦め、さっさと切り替えて「次に同じような問題が出たときには解けるようにする」ように努力するべきです。
②はいわゆる「ケアレスミス」というものです。たとえば、計算のしかたは分かっていたけれど解答欄に書くときに符号を間違えた、三単現のsをつけ忘れた、作文で主述の関係がおかしかったなどです。これらは、改めて解き直しをさせると正解できるものばかりです。テストという限られた制限時間の中で、焦りがある中で間違えてしまったのです。しかし、そのような「しょうもない」間違えを犯すのもその子の実力です。「落ち着いてやればできる」というのは真の実力ではありません。テストや仕事でも、常に落ち着いて、ゆとりをもって挑めることなんてありえません。緊張したり、焦ったり、仕事に追われていたときに、どれだけのパフォーマンスを発揮できるかが、その人の真の実力なのです。ですから、そのような間違いをしたときに「次は大丈夫」と軽く見てしまう受験生には強くくぎを刺します。ミスの多さはそう簡単にどうにかなるものではありません(社会に出て、他人と仕事をするとなおさら感じます)。
③は問題文を読んでいなかった、あるいは読めていなかったというパターンの間違いです。最近の入試では、問題文の文字数が多くなっているので、文章を読む力が足りない子にとってはつらいところです。問題文を自分一人で読んで理解することができず、にもかかわらず私が声に出して抑揚をつけて読むとすぐに理解することができます。入試は自分一人で戦わなければなりませんので、自力で読んで内容が理解できなければ、問題を解くための土俵に上がることすらできません。また、問題文や条件の見落としもあります。「二等分線」という言葉を見落としているのでいつまでも相似証明が完成しなかったり、指定語句を見落としていたりという間違いです。入試が近づくにつれて、「条件チェックしてから問題を解く」と注意する回数が増えます。どれだけ言っても、条件チェックする子はするし、しない子は全然しません。条件チェックをすれば絶対に間違えないかというとそうではありませんが、条件チェックをすることで防げる間違いがあるのも事実です。
模試で間違えた問題に、どのような理由で間違えたのか、①②③の番号をふらせると、大半が②③の間違いであることがわかります。それもそうでしょう。私立入試まであと4日、公立入試まであと1か月の段階で①が山ほどあるのはあり得ません(先ほども書いたように、これまで勉強してこなかった子に①が多いのは仕方ありません。高校ではその反省を生かしてください)。これから、大量の知識を積み上げるのには限界があるでしょうし、知識の暗記だけに取り組む時間的余裕もありません。時間に追われる中で、いかに問題文をきちんと読むか、いかに正確に取り組むか、いかにつまらないミスをしないか。これからは一層、そことの勝負になってくるのです。
(すぐに解決するのであればだれも困らないでしょう。これを解決するのはそう簡単なことではありません。なにせ、注意力の無さや読み取る力の無さは勉強だけに限った話ではないからです。きっと普段の生活でもそれが顕在化する場面が多々あることでしょう。勉強のときだけ「注意力を身に付けよう」なんてことには無理があります)