2024年7月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

3ヵ月早い夏期講習

どうやら小中学校の休校は5月いっぱいまで延期されたようです。これを受け、中3生は3ヵ月早い夏期講習に移行します。夏期講習といっても、塾に長時間こもってゴリゴリ勉強するわけにはいきません。家庭学習で夏期講習相当量の課題をこなしてもらうということです。

     

本日、中3生には毎日の課題と計画表を渡しました。それをもとに、1日最低でも10時間は勉強していきます。通常の夏休みに行う夏期講習であれば、10時間の勉強を当たり前に行います。その勉強量を5月に前倒しでこなしてもらいます。

       

「10時間」というと、すごく長いように感じるかもしれません。ところが、どんなに勉強ができない子でも、塾にいて勉強せざるを得ない環境になれば、10時間など難しくありません。そもそも勉強には終わりなどありません。どんなに成績が優秀な子でも「もうやることが何もない」とはならないのです。まだまだやるべきことが山積みの受験生にとっては、10時間の勉強は少なすぎることはあっても、決して多すぎなどではないのです。

      

しかし、今はまだ5月です。この時期は受験生の勉強への意識があまり高くないのも知っています。だからといって、5月の休校期間をダラダラ過ごし、もし夏休みがすべて潰れるようなことになればどうなるでしょう。学力を大きく上げて、逆転合格することは難しくなるでしょう。通常の夏期講習であれば、1か月の期間で300時間以上の勉強時間を確保することができます。もし夏休みがほぼなくなり、8月に学校で授業を受けるとなると、学校外ではせいぜい150時間ほどしか勉強時間を確保できません。それでは、新しいことの学習に追われ、いつになってもこれまでの遅れを取り戻せないでしょう。つまり、これまでの立ち位置を大きく変えることができないことを意味します。

     

現状、志望校に届いている受験生は、当塾にはいません。あと一歩で届くという受験生もいません。ですからここでがっつり勉強してもらいます。3月・4月のような雑で中途半端な学習は終わりです。

     

これだけ休校が長引けば、与えられた環境に不満を言いたくなる気持ちは分かります。外出できない、部活できない、友達に会えないというのがどれほど辛いのかを感じているでしょう。人は失って初めて「当たり前」の大きさに気づくものです。でもそんなことどうしようもないのです。文句を言うだけならだれでもできます。なかなかできないのは行動です。何も行動せずに、一丁前に不平不満を言う学生に成り下がらないでください。こういう時こそ、今何ができるか考え、そのために行動できる人間が強いのです。勉強と家での手伝い、この2つが受験生にできる自分と周りの人のためになることです。

      

5月の課題を与えましたが、いくつか注意点があります。本日説明しましたが、今一つ理解できなかった子はこれを確認してください。

     

《学習計画表》

勉強開始前に1日の学習計画を立てることから始めます。前日の学習終了と同時に、翌日の学習計画を立てるのがベスト。課題はできるようになるまでやります。「やった」と「できるようになった」は雲泥の差です。「やった」で満足しているようであれば、学力はあがりません。4月に散々怒られているので、心当たりがありますよね?切りのいいところで、「何をやったか」「どこまでやったか」「何ができるようになったか」を記入します。1日の学習終了時には、1日の勉強時間、5月の累計勉強時間、各科目の反省(明日以降の課題)を記入します。無計画に進めずに、一つひとつ課題をつぶして克服していくこと。

      

《国語》

◎作文4題…取り組む前に「作文のチェック」に目を通す。書き終わったら「作文のチェック」に書かれたルールに違反していないかチェックする。作文①は7日に提出する。提出した答案は添削して返却するので、添削された答案が返ってきてから、次の作文②に取り組むこと。同じミスを繰りかえさないためです。「作文のチェック」には書かれていませんが、当然漢字のミスはしないこと。

◎現代文読解の予習…レベルは相当やさしいです。選択肢は1発で判断できるものばかりです(消去法を用いる必要がないということ)。ダラダラ読み解くのではなく、素早く読んで素早く判断する意識で取り組むこと(1題あたり15分以上かかるようでは遅すぎです。入試だとタイムアップまっしぐら。終わってから「時間が足りなかった」と言い訳するパターンです)。

     

《数学》

◎関数・連立方程式プリント…すでに学習済みの単元なので、解けなければなりません。「解けない=合格できない」ということです。それが現実です。関数で間違いが多い子(自分で分かっているはず)は、問題文をきちんと読み取ることに集中する。書かれている意味が分からなければ、分かるまで何度も読むこと。「書かれていることが分からない=合格できない」ということです。しつこいですが、これが現実です。今日の関数の問1のようなつまらないミス(小学生でもあり得ないミス)はしないこと。連立方程式は記述での解答となりますが、手順は2次方程式と同じです。「わからないものを文字で表す」、「方程式をつくる」、「解く」、「適切かチェックする」の4ステップです。割合の問題が多いですが、これも2次方程式で確認したので解けなければマズいですよ。いずれにしても、すぐに「わからない・できない」と諦めるのではなく、できるまで考えること。1時間でも2時間でも考えなさい。

◎合同プリント…まずは表紙に載っている11個の「合同条件&証明に使う武器」を覚える。上の5個は問題ないでしょうが、下の6個を覚えていない人はこの機会に押さえておくこと。今さら、超基本的な合同証明は出していません。いずれも「受験生が間違いやすいポイント」を含んでいます。この合同プリントを仕上げれば、ほとんどの入試問題は怖くありません。できなかったものは、何も記入していないプリントを見て繰り返し解くこと。

◎2次関数の予習…余裕があれば、ウイニングの解説動画(関数の単元)を見て予習をしておきましょう。理解や定着が遅い子は、余裕がなくても見ておくこと。説明の理解度がぐっと上がります。

      

《英語》

◎英文法総まくり…1日に1枚進める。プリントにかきこまず、ノートに書くこと。日本語を見て、どんな文法、どんな単語を使うかを考える。いつも言っている通り、ただ単語を並べるだけならば、小学生でも幼稚園児でもできます。決してルール違反を犯さないこと。時制・語順はもちろんですが、冠詞・名詞の単複・前置詞などにも注意を払う。注意力の無さは、学力の無さに比例します。間違えたものは構造を理解して自力で書けるようになるまで時間をかけて復習する。

     

《理科》

◎実戦問題集…中3内容は進めることができるときにどんどん進める。授業の解説通りの説明を自分でできるようにする。理科は感覚で解くものではありません。根拠を説明できないようならば、分かっていないということです(解答を見てもどうしてもわからない場合や、考え方があっているか分からない場合は塾生専用ページから解説動画を見ること。大事なポイントは同じことをしつこく繰り返して字幕付きで言っているので、嫌でも「運動とエネルギー」の考え方が定着します)。中1内容はいったん授業で扱うのでまだ解かなくてよい(解くなという意味ではない)。しばらくは、実戦問題集に解答をかきこまない!!

     

《社会》

◎年代暗記…まずは100個の年代を確認する。ここで完璧に覚えようとしない。ざっと確認するだけでよい。1回目のテストを解いて、間違ったところを覚え直す(以前配布した年代暗記のゴロを用いてもいいし、無理やりできごとと年代を覚えてもよい。とにかく覚えればよいということ)。1回目でできたところは、とりあえず放っておいてよい(普通選挙法の1925や満州事変の1931など、今さら覚える必要のないものは無視する!)。もう1度、1回目のテストに挑戦し、それでも全問正解できなければもう1度覚え直す。全問正解できれば終わる。これを1日に1回分行う。今日から7日まで6回分取り組む。私から、「これは何年?」と言われて即答できるのが最低ラインです。何ならお父さんやお母さんに問題出してもらって、それに即答できるまで練習するのもいいかもしれませんね。

        

毎日の課題と学校から出されるであろう課題を足しても、毎日10時間勉強を行えば、余裕で終わります。「学校の宿題が終わらない」という子がいるようですが、どれだけ勉強をサボっているのだろうと不思議です。塾の課題はどんなに時間がかかる子でも、150時間もあれば終わります(この時間内に終わらなければ、香椎以上は無理です)。学校の課題は50時間もあれば十分でしょう。これらを除けば、100時間も各自の課題克服の時間が残されています。数学の資料の活用や確率、英語の長文読解、理科の中2内容、社会の地理など、課題として課していないものにもいくらでも取り組むことができます。

      

ここで何度も書いていますが、3月・4月で塾生の学力の乖離はかなり進行しました(ゲームやスマホが与えられた環境と、そういったものが一切存在しない環境では、後者の生徒のほうが学力の伸びが大きいのは当然です)。休校中のように、生徒の自主性に任されている環境において、生徒間の差が開いてしまうのは仕方がありません。仕方がありませんが、その開き方が異常なのです。ほぼ間違いなく、5月でその乖離がさらに大きくなるでしょう。恐ろしいですね。私はこの学力の乖離に恐怖しか感じていません。いまのところ5月末に模試を受験してもらう予定です(コロナの影響で実施されるか見通せませんが…)。私としてはそこで合格の可能性が少しでも見えるようにと考えています。この1か月でどれだけ意識を高く持って取り組むことができるか期待しています。

       

       

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