2024年2月27日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

2020年度 福岡県公立高校入試分析③(社会編)

なかなかバタバタしていて、思うように分析記事が書けません。しかもまだ理科と英語は解いていません。英語は問題を見てもいません。頑張ってこれから問題を解いて、今週末にはすべて分析を終えたいと思っています。とりあえずまずは問題を解きます!

では張り切って入試分析を進めていきましょう。分析記事は通常の内容よりも閲覧者が多いです。こんな小さな学習塾の分析記事を誰が見ているのでしょうか。不思議ですね~。

社会の分析始めましょう。大問は全部で6題です。3分野が20点ずつ均等に出題されました。

    

●大問1

古代から近現代までの歴史です。「貨幣の歴史」というテーマです。基本的な問題が多い印象ですね。

問1 「律令に基づく政治」と関係の深い人物を選ぶ問題。易しい。

問2 中世、近世、近代のできごとを選ぶ問題。時代区分ごとの文化の特徴を問うています。易しい。

問3(1) 勘合が使用された時期を選ぶ問題。勘合貿易(日明貿易)は室町時代だというのは基本。易しい。

問題3(2) 勘合を使って行ったことを記述する問題。勘合を用いて「正式な貿易船であることを証明した」というのは基本だが、条件に合うように答えなければならず若干ハードルは上がります。普通。

問4 経済成長率が変化した理由説明の空欄をうめる問題。イは年代や中東戦争という語句から石油危機だと判断する。ロは年代や「株式や土地の価格が急上昇」という記述からバブル経済だと判断する。易しい。

問5 近世に入ると、自給自足(生活するために必要なものを自ら生産すること)が当たり前だった農村で貨幣経済(必要なものは貨幣で買い、つくったものを売って貨幣を得る)が広がりました。貨幣を得るために生産した作物が商品作物です。また、図は問屋制家内工業(問屋が農民に材料や道具を貸し与えて商品をつくらせ、できた商品を買い上げる工業形態)を表しています。普通。

     

●大問2

近代以降の歴史。戦争中や戦争に向かうまでの内容が中心です。受験生が苦手にしている近代以降の歴史なので、できない子はサッパリといったところでしょうか。当塾では日清日露戦争以降の歴史はかなりじっくり進めています(先日、第一次世界大戦が終わり、次回から大正デモクラシーに突入します。学校が休校の間に終戦を迎えてしまいます)。

問1 第一次世界大戦の時期の経済状況に関する問題。イは年代から第一次世界大戦の対立構造であるPを選びます。Qは第二次世界大戦の対立構造です。易しい。ロは貿易収支の伸びをもたらした原因が、「第一次世界大戦により、輸出が増大したことにある」ということを記述する問題。易しい。

問2 1930年代以降に国家財政に占める軍事費の割合が増加した背景を答える問題。五・一五事件で政党政治(憲政の常道)が終わり、二・二六事件を経て、ますます軍部の発言力が増していくことを知っていたかどうかですね。やや難しい。歴史は資料を見てその場で考えるということよりも、正確な知識を持っているかがカギを握ります。知識の習得を疎かにすることなかれ。

      

●大問3

G20大阪サミットをテーマにした世界地理。とにかく一筋縄ではいかない問題ばかりで、疲れます。

問1 地球儀で色がぬられた部分に位置する都市をすべて選ぶ問題。一瞬戸惑いますが、冷静に北半球・西経という情報を読み取りましょう。やや易しい。

問2 北アメリカ大陸の気候を選ぶ問題。亜寒帯や寒帯の割合から容易に導けます。易しい。

問3(1) 資料Ⅱから読み取れることをもとに、空欄にあてはまる内容を答える問題。アジア州について述べなければならないことから、ウ・エの傾向を読み取ります。次に資料から何について答えなければならないかを考えます。イの空欄の前後のつながりを見なければならないので相当厄介です。空欄の後ろに「地球環境問題への対処や持続可能な社会の実現が一層可能になる」とあるので、環境に配慮した内容、つまり「発電量に占める再生可能エネルギーの割合を上げる」が入ります。「風力・太陽光・地熱」を「再生可能エネルギー」と言い換えることができましたか?難しい。

問3(2) ブラジルの輸出品目の変化の理由を記述する問題。面倒くさいことこの上ない問題です。「輸入」「生産」という語句の使い方が分からなかった受験生も多かったでしょう。こういうときはいったん冷静になりましょう。冷静になって「それぞれの資料から何が読み取れるのか」を考えましょう。資料Ⅲからは「ブラジルで大豆の輸出割合が増加した」、資料Ⅳからは「中国の大豆量が増加している」、資料Ⅴから「ブラジルが森林を伐採している」、資料Ⅵからは「ブラジルで耕地面積が増加した」ということが読み取れます。これらをまとめればいいのですが、これがまた厄介です。私が解いたときの解答は、「ブラジルが大豆の生産を増やすために森林を伐採して耕地面積を増やし、大豆の輸入が増加している中国向けに大豆の輸出を伸ばした」というものでした。読み取ったことをただつなぎ合わせただけです。難しい。

      

●大問4

日本地理。これもまた面倒くさいですね。地理の知識だけでは解けない、新しい問題も出てきました。

問1 香川県の雨温図を選ぶ問題。都道府県の選択肢がなく、香川県をピンポイントで選ばなければならないので、1つハードルが上がります。瀬戸内の気候である、「年間を通して降水量が少ない」ことから選びます。1か4ですが、4は気温が低すぎですね。易しい。これを正解できないと、他の問題で正解するのは難しいです。

問2 関東地方と近畿地方で公共交通機関が発達していることを確かめる調査項目を選ぶ問題。「適切な資料を選ぶ問題」は2年前に公民で出題されました。2年前はグラフを見て選びましたが、今年は文字だけで選ばなければなりません。3が正解ですが、3を一発で選んだというよりも、消去法で3が残ったという受験生が多かったのではないでしょうか。3の選択肢は、鉄道・バス路線のすべての長さを合わせたものを面積で割った値で比較するという意味です。よく分からなくても、3以外はあり得ないと思えることが大切です。やや難しい。

問3 九州地方の農業の特色を答える問題。まずはP~Rが米、野菜、畜産のどれであるかを考えます。鹿児島・宮崎でさかんなRは畜産、大都市周辺では近郊農業がさかんなのでQは野菜、残ったPは米と選びます。次に主題図Cを見て、火山灰の地層が九州南部に分布していることを読み取ります。最後にそれらをまとめて終わりです。私は、「北部は米の産出割合が高く、火山灰を成分とする地層が多く分布している南部では畜産の産出割合が高い」と答えました。難しい。

問4 為替相場の変化と海外生産比率の関係を読み取る問題。公民の為替相場の知識も必要です。まずは資料Ⅲを見て円の価値が高くなったことを読み取ります。次に資料Ⅳから製造業の海外生産比率が高くなったことを読み取ります。最後にこれら2つをつなぎ合わせますが、そのときに接着剤のはたらきをするのが指定語句である「生産にかかる費用」です。「円の価値が高くなる」→「すると国内での生産にかかる費用が上がる」→「じゃあ海外で生産しよう」という一連の流れを作り上げましょう。ちなみに私は、「(円の価値が)高くなると、国内での生産にかかる費用が上がるので、生産費用を抑えるために海外での生産比率が上昇した」と書きました。「生産」という言葉が多すぎて、うっとうしいですね。難しい。

問5 避難地図をもとに、適切な避難方向を選び、理由を答える問題。「2011年3月の大災害をもとに」とあるので、地震や津波から逃れることを考えなければなりません。Xを選ぶのは難しくありません。理由では「標高の高いところに行く」ということを答えましょう。いろいろ記述した人も多いでしょうが、模範解答は思ったよりあっさりでしたね。私は「地震発生後の津波被害から逃れるためには、海沿いではなく、標高の高い地点に移動するべきだから」と書きました。やや難しい。

       

●大問5

公民。基本的な問題が多い印象です。記述問題も地理ほど面倒くささはありません。

問1 三権分立に関する問題。弾劾裁判の矢印から国会を選ぶのは簡単。内閣不信任決議は「国会→内閣」、最高裁判所長官の指名は「内閣→裁判所」です。サービス問題です。

問2 衆院選で違憲状態の判決が出た理由を記述する問題。指定語句の「一票」から「一票の格差」を考えます。一票の格差とは何かを説明する練習はしてきたでしょう。また、資料Ⅳから「法の下の平等」というキーワードを見つけます。私は「二つの選挙区間には議員1人あたりの有権者数の差、いわゆる一票の格差があり、これは憲法の法の下の平等に違反しているから。」と書きました。難しい。

問3 資料が表す内容と関係が深い国連機関を選ぶ問題。解答にたどり着くためにはいくつものハードルがあります。まずは資料が表す活動が何かを判断しなければなりません。「カンボジア」「停戦監視」などのキーワードからPKO(平和維持活動)だと判断します。ではPKOと関係の深い国連機関は何でしょうか。それは「安全保障理事会」ですね。PKOを行うには安保理の決議を要します。では最後にW~Zのうち安保理を表すのはどれでしょうか。「5か国が拒否権をもつ」をヒントにXを答えます。3段階の思考を要するのでなかなかハードな問題です。やや難しい。ちなみに機関のWは国際司法裁判所、Yは総会、Zは経済社会理事会ですね。

問4 累進課税が取り入れられた理由を答える問題。累進課税のしくみを答える問題ではなく、それを導入している理由を答える問題なので手こずったはずです。書くべきことがわかっても、それを言葉にするのが難しかったかもしれません。やや難しい。

問5 介護保険について適切なものを選択する問題。「介護サービスを受けられる制度」という語句から「介護保険」を発想できればこっちのもんです。「40歳以上」を選ぶのも、「社会保険」を選ぶのも難しくありません。易しい。

問6 日本の労働に関して、資料から読み取れる課題を記述する問題。決して「ワークライフバランス」の説明をするわけではありません。「日本は残業時間が多い」「家事にあてる時間が少ない」「子どもに関わる時間が短い」「仕事と家庭生活の両立があまりできていない」という4点に触れればいいでしょう。それほど難しくはありませんね。私は、「(日本は他国と比べて)残業時間が長く、家事にあてる時間や子どもに関わり時間が短いため、仕事と家庭生活の両立があまりできていないこと」としました。やや難しい。

       

●大問6

公民。循環型社会をテーマに、プラスチックを取りまく状況について考える問題。一時期、「プラスチック汚染」のニュース・特集が非常に多かったときがありましたね。ウミガメの鼻にプラスチックが刺さっている映像を何度見たでしょうか。日本でも「プラスチックを廃止しよう」という声が盛り上がりました。それらのニュースが影響を与えたのかはわかりませんが(きっと影響を受けたのでしょう)、大問6ではプラスチックの処理について出題されました。小問にわかれておらず、まとめのA~Cにあてはまる内容を記述するというもので、多少の戸惑いがあったことでしょう。

A 資料Ⅰ、Ⅱから、自然環境に影響が生じる理由を答える問題。面倒な問題に出会ったら、ジタバタしないでそれぞれの資料から何が分かるかを考えましょう。資料Ⅰからは「プラスチックボトルは自然界で分解されるまでに時間がかかる」ことが分かり、資料Ⅱからは「日本のプラスチックボトルの需要が増加している」ことが分かります。これらを組み合わせれば完成です。受験生にとっては、これらをまとめる作業が難しいのでしょうね。ちなみに私は「日本で需要が増加しているプラスチックボトルは、自然界で分解されるまでに時間がかかる」と書きましたが、模範解答の語順にするほうがいいですね。私自身も日々勉強です。難しい。

B 資料Ⅲ~Ⅴから、プラスチックの処理に関してどのようなおそれがあるかを記述する問題。これも一つひとつ見ていきます。資料Ⅲからは「日本の廃プラストックの処理の多くは海外で行われており、日本でのリサイクルは少ない」ことが分かり、資料Ⅳからは「日本の廃プラスチックの輸出先は、中国、ベトナム、マレーシア、タイがほぼ占めている」ことが分かり、資料Ⅴからは「中国、ベトナム、マレーシア、タイでは廃プラスチックの輸入を禁止・制限している(する予定である)」ことが分かります。私は「(輸出相手国の多くが)アジアの国々であり、これらの国は廃プラスチックの輸入を禁止、あるいは規制しているので、日本国内で廃プラスチックを処理することが難しくなる(というおそれがある)」と答えました。このような持って行き方でいいのか非常に不安でしたが、きっちり設問の意図を掴むことができたようで一安心です。難しい。

C 循環型社会とはどのような社会かを説明する問題。これは資料の読み取りではなく、言葉の説明ができるかどうかを試しています。モノを「循環」させるので、モノを簡単に捨てるのではなく、再利用・再使用するといった内容を入れるといいのではないでしょうか。いわゆる3Rについて書けば無難ですね。私は「使用した製品を簡単に捨てるのではなく、使えるものは再使用し、使えなくなったものは別の製品として再利用する」と書きました。私としては、資料の読み取り以上に、言葉の説明記述のほうが書けるかどうかドキドキしました。難しい。

       

平均点は間違いなく下がるでしょう。昨年が38点でしたので、きっと今年は30点前後まで落ちてきます。個人的には、地理の資料読み取りは中学生にはきつい印象です。3分野の難易度のバランスも気になるところです。どうにかなりませんかね?

    

とりあえず社会は「超面倒くさい」です。問題を解きながら何度「めんどくさっ!」と言ったでしょうか。点数を上げるには、知識問題を着実に拾っていき、あとはいかに記述を積み上げていけるかでしょう。どうしても記述問題ばかりに目が行ってしまいますが、まずは知識の習得です。間違っても「知識があっても意味がない」なんて発想はやめましょう。思考力・判断力は知識の上に成り立つのですよ。

    

     

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