2024年7月27日
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2019年 福岡県公立高校入試分析⑤(英語編)

ついに最終教科、英語です。予告しておきますが、英語の分析は短いです。あっという間です。一瞬で駆け抜けます。

     

英語はリスニング含め大問5題でした。大問ごとに見ていきましょう。

     

リスニングは20点分ありますので、日ごろから対策を積んでおきましょう。スピードが速かった…とか言われていますが、音源を聞いていないので何とも言えません。以下はスクリプトを見てのコメントです。

問題1:短い質問に対する答えを選ぶ問題。

(1)は簡単。

(2)はWhoとWhoseでひっかけようとしています。よく出るひっかけです。最初の選択肢がHe is Tom.という誤答なのがまたいやらしいですね。

(3)Howで始まる疑問文「どのように」「どんな」の意味だけでなく、How old、How many ~、How oftenなどさまざまなパターンで出題されるので、よく内容を考えなければなりません。ただし、疑問文も選択肢も難しくないはず。

問題2:図や表についての質問に対する答えを選ぶ問題。

(1)NovemberとTeam Bは聞き取りやすかったでしょうから、それほど難しくないか。

(2)表については予め読んでいないと、英文が始まってから読み始めてもすぐに理解するのは難しいでしょう。分析にやや手間取りますが、in the morning、Japanese music、how to make Japanese foodsを聞ければ、全体の内容を理解できなくても解答にはたどり着ける。

問題3:対話文についての質問に対する答えを選ぶ問題。学校のウェブサイトをより良くする方法がテーマ。

(1)「美紀はコンピュータ使ってる?」→「使ってる!」。簡単です。

(2)「美紀にとってのan exciting ideaって何?」→対話の最後に出てきたフレーズなので、1回目では答えられなかったかもしれません。「enjoy communication」という聞き取りやすいことばの登場によって正解できたか。

(3)美紀の学校のウェブサイトについて正しいものを選びます。これは総合的な英語力を試しています。ここまでで一番難しいでしょうか。対話の内容を正確に理解していなければなりませんし、選択肢の英文もどれも正しいような気がしてしまいます。差がつく問題です。

問題4:図書館での説明についての質問に答える問題。設定としては図書館はあるあるです。

(1)DeskAにすぐに飛びつくのではなく、borrowというキーワードが出るまで我慢です。設問の先取りは鉄則ですね。

(2)talk aboutという部分は聞き取れたでしょうが、「your favorite books」を「their favorite books」に書き換えるのは注意。福岡の入試では、主語に合わせて代名詞を変える問題がよく出ます。

(3)音声中のIn Aprilを確認する。主語をTheyにして、あとは聞こえてきた英語をそのまま書くだけ。ただし、中下位層には難しく、正解率は低いでしょう。

問2は「どんな種類の本を読むのが好き?」という質問に、自分の答えを3語以上の英語で答える問題。どこかで見たことあるなと思ったら、11月の県模試で全く同じ質問がありました。

【入試】:There are many kinds of books in the library. What kind of book do you like to read?

【11月模試】:There are many kinds of books in the world. What kind of book do you like to read?

「なんか見たことあるなあ」というのは、時間制約があり、なおかつ緊張感あふれる受験においてはかなり有利に働きます。勉強から逃げていないで、さまざまなパターンの問題に触れ、勉強に費やす時間を増やしていきましょう。そして経験値を少しずつ蓄積させていきましょう。

     

大問1は短い対話文の空所補充です。例年通りの難易度でしょうか。

Aの直後には、「多くの人がおせちを食べる」と続くので、何を食べるのか、あるいは何をするのかについての質問が入ります。これは簡単。

Bの直線には「何か食べたいものある?」とあり、直後には「それを買おう」とあるので、「サンドイッチがいいな」を入れます。イの選択肢を選んではいけません。

Cの直線に「土曜日なにしたの?」とあり、直後に「え、マジ?じゃあさ今度の土曜日に魚釣りに行かない?」とあるので、「魚釣りに行ったけど、何も釣れなかった」を選ぶ。前後の文脈で判断します。

Dの直前に「いつ魚釣り始めたの?」とあり、直後に「それから何年もエンジョイしてるよ」とあるので、「子どものときに父ちゃんに教えてもらったんだ」を入れます。ア~エの全ての選択肢に時期を表すことばがあるので十分吟味することが必要です。

        

大問2は対話長文読解です。伝統的なものを新たな方法で楽しんでいる、というような話。

問1:5語から4語選んでの並べ替え。

①は疑問詞+不定詞への誘導を狙っていますが、そこに乗っからないこと。文中の疑問詞では間接疑問が頻出です。長文読解でも並べ替えでも間接疑問文はイヤというほど出てきたはずです。難易度は普通。

②は直前のaroundが前置詞なので、直後にはusしか置けず、ここで文が終わってしまうので、次に接続詞のafterから始まる副詞節を持ってくる。「ここにはこれしか置けない」というように可能性を絞り込めば簡単。これも普通。

問2:ポスターの内容について答える問題。

(1)は「utilized」と同じような内容の語を探す問題。過去分詞形の動詞を探せばよく、直後の「in different ways」もヒントとなるため、それほどハードルは高くないか。そもそも過去分詞形がusedぐらいしかありません。また、「utilized」をふくむ一文を訳してから推測するのもいいでしょう。といよりも、本来はそのやり方をしてほしいはず。

(2)ポスターのテーマを選ぶ問題。「日本のお茶文化の歴史」「私たちの町の伝統的な生活」「古民家カフェのつくり方」は対話の内容とずれていますし、ある部分にしぼりすぎて、全体のテーマとしては不適です。よって「伝統的なものを楽しむ新たな方法」を選ぶ。難易度は普通。

問3:「抹茶は日本で人気だけど、それはナゼ?」に対して、4語以上の英語で答える問題。ただ単に「美味しいから」と答えればいいでしょう。簡単ですね。わかる範囲で書けば十分丸がもらえます。

           

大問3はエッセイ的な長文読解です。最初は公演でちょっとした役割しか与えられずすねていたケンでしたが、姉からのEメールにより、「どんな役割でも必要である」ということに気づいて、その役のために全力をつくすことを心に誓うというストーリー。なんともけなげな少年ケンです。いや、けなげというより少々流されやすく、子どもじみた少年というべきでしょうか。どうしてもエッセイだと内容の軽薄さ、陳腐さに目が行ってしまいますが、子どもたちはそんなことを考えず、目の前の英語、設問だけを追っていきましょう(文章としては昨年の宇宙に関する夢の話のほうが好きです。今年の文章は最初の5行を読めば結末が透けて見えるようなありふれたストーリーです。)。

問1:質問に対する答えを5語以上の英語で答える問題。

(1)は「ケンの役は何ですか?」という質問なので、「It is High School Boy A.」と答えます。主語と時制には注意が必要です。間違って過去形にしてしまいそうになります。これは簡単。

(2)は「ともこは音楽イベントのためにどこに行く予定ですか」という質問なので、「She will go to Germany.」と答えます。Sheという代名詞にすること、willを使うことです。これも簡単。

問2:代名詞の具体的内容を答える問題。直前の「I’ll have only one chance to play the cymal during that time」を日本語にしますが、最後のthat timeの部分の内容も探さなければなりません。「chance to ~」や「during ~」の訳で差が出るでしょうか。日本語での記述は、昨年よりも簡単になりました。

問3:「essential」と同じような内容を選ぶ問題。文章の展開と「every role is essential」という使い方から、「really necessary」を選ぶ。難易度は普通。

問4:本文の内容に合っているものを2つ選ぶ問題。割と簡単に「ウ」と「オ」を選べるはず。もし間違うのであれば、「カ」ぐらいでしょうか。

       

大問4は英作文です。「あなたの街を訪れるベストな季節はいつですか?」という質問に対して、30語以上で答える問題。季節についての英作文は書いた経験があるでしょうが、「なぜその季節に訪れるのがよいのか」という理由を書く部分はやや難しいか。自力で表現できる範囲で、間違いのない英文を書くことが第一です。

       

リスニングは何とも言えませんが、筆記について全体的には、昨年の形式に慣れていれば解きやすく感じたはずです。中1、中2、中3と段階的に習得していけば高校入試の英語は全く難しくありません。反対に、どこかに理解の欠如があれば、そこで停滞し、伸び悩みの原因となります。一気に英語力が伸びることなどないのですから、地道に「単語力」「文法力」「英文作成力」「リスニング力」を身につけていきましょう。学校の勉強と入試問題とのギャップが大きい科目が英語です。学校の定期考査で90点以上を取っていても、受験という観点からは足りないところは多くあります。ましてや定期考査で70点以下でも取ろうものなら、「かなりヤバい」「穴だらけ」とご理解ください。英語の分析はあっという間に終わると予告しましたが、そうでもなかったですね。今年の分析は以上です。ほかにも試験問題についていろいろ言いたいことはありますし、解法やテクニックの話もしたいですが、それはお通いいただいている塾生にこれから還元していきます。

         

       

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