2018年の開校以来、4年間の受験生の入試本番での得点から、平均点を求めてみました。得点開示に行っていない子もいますので、その場合は自己採点の結果を用いています。数値は小数第2位を四捨五入したものです。
国語 | 46.9点 |
数学 | 42.0点 |
社会 | 47.1点 |
理科 | 52.2点 |
英語 | 46.9点 |
5教科 | 235.1点 |
5教科の得点率は約78%で、この数字を見ればなかなか良いと言えるのではないかと思います。
教科ごとにみると、理科の平均点が他より5点以上も上回っていることに気づきます。このブログでも何度か書いていますが、福岡県の入試で最も得点しやすいのは理科です。「理科嫌い」などといって、理科の勉強を避ける受験生は多いですが、私から見ると「もったいない」の一言です。理科はガッポリ稼げる科目なのですから、取らなきゃ損です。
ということで今回は、2021年度の中3で使用した理科の教材と使用方法・使用期間などをざっと紹介していきます。
◆4月~8月
昨年度までの3年間は、通常テキストとして好学出版のウイニングを使用していましたが、今年度は育伸社のiワークを使用しました。初めて、教科書準拠のものにしました。iワークを選んだ理由は、大きく以下の3つです。
① 単元の分け方が他のテキストより細かく、うちの塾の授業時間数との相性が良い。
② 「トレーニング」などの基礎基本の練習量が多い。
③ 問題のレベルが難しすぎない。
福岡県の入試に難問が出るとは考えられませんので、とにかく基礎基本が定着できるもの、という観点で採択しました。教科書準拠にしたことで、定期考査対策もやりやすくなったのもメリットです。
また、単元の導入ではオリジナルの穴埋めプリントを用いて、語句を書きこんだり作図をしたりしていきます。
4月から夏期講習終了までは、オリジナルプリントで内容を理解し、iワークで問題演習をする、という形になります(毎年、夏期講習までには、中3内容の指導は終えます)。
◆9月~12月
入試対策の基礎基本の確認と演習を行います。使用するものは主に2つです。1つ目はJES出版の実戦問題集です。実戦問題集は中1や中2でも使用しているのですが、中3でもこの時期に中1~中3の実戦問題集に取り組みます(だいたい、1か月間で1年分のものに取り組みます)。中3の内容も扱いますが、夏期講習までにすでに学習していますので、この時期は中1・中2内容を理解するのがメインです。
2つ目はオリジナルのまとめノートです。すべての単元を網羅し、「これさえ押さえれば問題ない」といえる内容がつまったまとめ冊子を使います。問題演習などで間違えたところをチェックしたり、調べ物をする際に使ったりしていきます。昨年までは、本物のノートに手書きで書いてまとめていたのですが、効率を上げることを考えた結果、印刷したものを配布するように変更しました。
◆冬期講習
今年度の冬期講習はブロッサムのエクシードを使用しました。国語・数学・英語のエクシードは毎年使用しているのですが、今年度は初めて理科を使用しました。冬期講習期間中(約2週間)で1冊をすべて解き終えます。
◆1月~私立入試
主に私立高校の過去問を使用します。ここまでである程度基礎は固まっていますので、ただひたすら私立過去問を使ってアウトプットしていきます。間違ったところ、理解が不十分だったところ、忘れていたところはまとめノートに戻って理解しなおします。公立入試に比べて、私立は細かな知識や理解が必要となりますので、私立入試に対応できるようにしておけば、公立の問題はずっと簡単に思えます。
◆2月~公立入試
ブロッサムのエクシードファイナルや全国入試からピックアップした問題でのアウトプットが中心となります。全国入試から生徒が苦手なものや今年の入試に出そうなものを準備して、解いていきます。また、家庭学習用として、20年分以上の福岡県の過去問(単元別に整理したオリジナルのもの)を渡しています。「過去問を完璧にすること」の重要性は、今年もやはり健在でした。
理科の対策では、「夏期講習の間に中3内容の指導を終えること」「9月~12月で復習をして、基礎的な語句・実験・計算を習得すること」の2点が非常に重要となります。この2点さえ外さなければ、冬期講習以降の演習期でグッと点数が伸びていきます。なんにでも言えることですが、スタートが上手くいかず、あとから立て直そうとしてもなかなかうまくいかないものです。特に、中3の理科は苦手な子が多い力やエネルギーの単元から始まりますので、なおさらスタートが肝心ですね。
毎年、教材や扱う問題を見なおし、マイナーチェンジをしています。初年度の入試対策から見ると、明らかに効率が上がり、進化しています。
参考にできるところは取り入れていただき、ぜひとも理科での高得点を目指してください。