2024年10月15日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

1haがわからない?

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1ha(ヘクタール)がどれくらいの大きさか分かりますか。ヘクタールという言葉は聞いたことはあるでしょうが、いざその大きさを答えなければならないとなると、ドキッとする方も多いでしょう。というのも、先日、次のような入試問題を受験生に解かせることがありました。

    

問 日本の農業は、経営規模の小さい自作農が中心です。これについて、日本の農家1戸あたりの平均耕地面積として最も近い数字を、次のア~エから1つ選び記号で答えなさい。

 1.6ha    16ha    50ha    160ha

     

これは九州高校の入試でかつて出題された問題です。ただし、少し古い問題ですので、現在とは解答の正確な数値は異なります。

     

日本の農家1戸あたりの耕地面積を知っている(覚えている)受験生はほぼいないでしょう。私自身もこの問題を見たときに、「こんなん知らんな~」と思いました。

特に私立入試では、教科書の隅っこに出ている知識や語句を問われることがあります。そのような問題が出たときにどう考え、どう対処するかで、その子の学力が見えてきます。

      

受験生にこの問題を解かせると、次の4つのパターンに分かれます。

   

パターン① 正解の数値が頭に入っている場合

学校や塾で日本地理の学習をした際に習ったことがあったり、過去に同様の過去問を解き、そこで覚えていたりする場合は、正解の選択肢(正解に近い選択肢)を選べるでしょう。さすがに1戸あたりの耕地面積は難しいかもしれませんが、日本の国土面積や福岡の年間降水量などの頻出データであれば覚えている受験生は多いでしょう。

    

パターン② わからないので適当に選ぶ場合

25%の確率であたるのですから、全く見当がつかない場合にはこのやり方でも仕方がありません。学力層が下がるにつれ、このやり方をする割合も増えていきます。中には、分からないからと言って、解答欄を空欄にする子もいますが、記号選択の場合これは論外です。

     

パターン③ 1haの大きさまではわかる場合

小学校で学習するha(ヘクタール)という単位が表す大きさを知っていると、この問題の正解率がぐっと高まります。1haが10000㎡(縦100m・横100mの正方形の大きさ)です。どちらかと言えば中学生よりも小学生のほうにより馴染みがある単位でしょうか。大きさのイメージができれば、選択肢の数値の比較がしやすくなります。

     

パターン④ 1haの大きさがわかり、なおかつ常識的な大きさを選べる場合

1ha=10000㎡(縦100m・横100mの正方形の大きさ)がわかったとしても、それがどれぐらいの大きさなのかがイメージできない子もいます。100mという長さが、50m走の2倍の長さとか、25mプールの4倍の長さとかイメージできるのは、学力を高める上で大切なことです(これに限らず、日常の生活で経験したことと、学校での勉強(受験勉強)にはつながりがあります。勉強時間はそれほど多くないのに、好成績を取れる子は、小さいときから経験と学習をつなげて考えることができているのでしょう)。あとは、イの16ha=160000㎡は、縦400m・横400mの正方形の大きさなので、常識的に考えてデカすぎるだろうと判断できれば、正しい大きさがアの1.6haだと選べます。もちろん、耕地面積は地域によって差があります。北海道であれば、農家1戸あたり20ha近くあります。しかし、福岡に住んでいる中学生がそれほどの経営規模の農家(農地)を見ることはまずないでしょうから、イ~エを消去して、アを選ぶことはそう難しいことではないでしょう。

      

勉強は知識や技能の「積み上げ」です。積み上げがなければ上には行けません。せっかく積み上げても、定期的なメンテナンスを怠れば、その土台はもろく崩れていきます。自分の土台が形成されていないことや不安定であることに気づくのは、往々にして受験前です。受験前になって、これまでの不勉強を後悔するのです。それを避けるためにも、小学校の勉強を馬鹿にせずに、きちんと習得させておかなければなりません。

      

      

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