中3数学では、通常の授業内容(2次方程式)と並行して、一次関数の入試問題を扱っています。秋ごろまで福岡県の入試問題を解かせない塾もありますが、私はあまりそのような考えはありません。むしろ、早い段階で入試レベルというものを味わわせておくべきだと思っています。大問4の関数を今年のものから解き始め、すでに4年分解き終わりました。全問正解できる生徒が大半ですが、最後の問題でミスしている子もいます。そういう子は計算力ではなく、問題の設定を理解していない、あるいはそもそも問題文をきちんと読んでいないということが多いです。計算できるかどうかということ以前に、計算に使おうとしている数値自体が誤っているのです。
ここ3年間、関数では記述による解答が求められています。説明の正確さは必要ですが、計算自体はそれほど難しいものではありません。むしろそれ以前の問題のほうが難易度としては上をいっています(特に平成24年の大問4は格段に難しいですね。個人的に好きなのは平成25年の問題です)。これから5月にかけて、最低あと6年分は解きます。2次関数も含めて、夏前に関数を固めてしまおうという作戦です。
例年、夏期講習期間を使ってがっつり関数を扱っているのですが、今年は夏期講習が実施できるか分からないということもあり、この時期に前倒しで取り組んでいます。この時期にやってみて思いましたが、前倒しで取り組むのもアリですね。中3のはじめの時期は味気ない計算が続くので、そんなときに関数を使ってあれこれ思考するのはおもしろいです。
ここ3年間、大問4の関数の配点は9点もあります。それは数学全体の配点の30%にもなります。何が出るか分からない大問2・3、まだ学習していない大問5・6に比べて、毎年確実に出題される大問4の関数をおさえておくことが、現時点での最も効率の良い受験勉強だと思うのです。これをクリアすれば、大問1の小問集合の18点とあわせて27点分を確保することができます。
ちなみに、関数が終われば、次は中2で学習した図形分野、主に合同を扱う予定です。長年、入試では相似証明が出題されていましたが、今の学校が再開できず、どこまで消化できるか分からないという状況もあり、そろそろ合同証明が出るのではないかと踏んでいます(私の「これが出そう」というのは、割と高い確率で的中します)。そのために全国入試をあさって、授業で扱う合同証明を探しています。
先にも書きましたが、中3のカリキュラムは「夏期講習の長時間学習ができない」という前提で進めています。数学のように、中3内容と受験対策を並行して行っている最大の理由は、「夏期講習ができない」と私が考えているからです。そうしておけば、もし通常とそれほど変わらないぐらいの夏期講習ができればラッキー、そうでなくとももともとの予定通りだと考えることができます。よく「夏は受験の天王山」と言われます。夏休みに学校で授業があるとなると、今の休校期間が「受験の天王山」になり得ます。夏休みがなくなるということは、足りない勉強を一気に補うチャンスを失うということです。今が不足分を補う唯一のチャンスなのかもしれませんよ。