これから数年間、入試問題の1つのテーマとなりそうなもの、それが Sustainable Development Goals、略してSDGs(エス・ディー・ジーズ)です。日本語では、「持続可能な開発目標」とよばれます。ニュースで耳にしたことや、学校で勉強したことがあるかもしれませんが、多くの方はあまりよく分からなかったり、聞いたことがなかったりするのではないでしょうか。
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。 ※外務省ホームページより引用 |
簡単に言うと、国連加盟国が、2016年から2030年までの15年間で達成しようと掲げている17のゴール(目標)です。
17のゴールを見てみましょう。
1 | 貧困をなくそう |
2 | 飢餓をゼロに |
3 | すべての人に健康と福祉を |
4 | 質の高い教育をみんなに |
5 | ジェンダー平等を実現しよう |
6 | 安全な水とトイレを世界中に |
7 | エネルギーをみんなに そしてクリーンに |
8 | 働きがいも経済成長も |
9 | 産業と技術革新の基盤をつくろう |
10 | 人や国の不平等をなくそう |
11 | 住み続けられるまちづくりを |
12 | つくる責任 つかう責任 |
13 | 気候変動に具体的な対策を |
14 | 海の豊かさを守ろう |
15 | 陸の豊かさも守ろう |
16 | 平和と公正をすべての人に |
17 | パートナーシップで目標を達成しよう |
なお、1つ1つのゴールにはそれぞれ具体的なターゲットが10個ほどあり、全部で17ゴール169ターゲットで構成されています。
そして、このSDGsが、教育業界・受験業界では大きな広がりを見せています。来年度から小学校で使う教科書には、SDGsに関連する内容が盛り込まれています。また、昨年の公立高校入試では、いくつかの都道府県がSDGsをテーマとした問題を出題してきました。たとえば、長野県は社会の大問まるごと1つつかってSDGsを柱とした問題を、熊本県の英語はSDGsをテーマにした対話長文問題を出しました。それぞれのテーマが中学の学習内容と関連性があり、ロゴという視覚資料、ゴールやターゲットなどの文字資料もあることから、問題をつくりやすいというのもあるでしょう。今年の入試では、SDGs関連の問題はもっと増えるのではないかとみています。なんなら福岡県で出題されてもおかしくありません。ただし、SDGsという言葉や1つ1つの目標がそのまま出ることはありません。あくまでも、それらに関連した、中学校での学習内容が出るだけなので、受験生は教科書をベースとした受験勉強をしていけば十分です。