平成の時代も今日で終わりです。人生のほとんどを平成時代で過ごしてきましたので、どこか寂しい気持ちもします。実に厳かな気持ちで平成最後のブログを書いております。
ゴールデンウィークのオープン時間は以前もブログに書いた通りです。分からない方はこちらをご確認ください。できれば小テストの再テストを新しい時代に残してほしくはありませんでしたが、半数の生徒が持ち越すことになりそうです。「やるべきことを溜めない・残さない」とさんざん言ってきたつもりでしたが、後回しにしてしまっているのは、私の指導の甘さに由来するのでしょう。小テスト以外にも、宿題をやっていない、解きなおしていない生徒には、ゴールデンウィーク中に提出しに来るように指示しています(宿題忘れなどはこちらから「やってきたの?」と催促する前に、自分から出せるようにしてほしいものです。能動的に行動できるというのも、学力を上げる一要素になるものです)。
昨日も今日も自習をしに来ている生徒がいます。雨が降っているとか、ゴールデンウィーク中だとか、平成最後の日だとか関係なく、当たり前に勉強できるというのは大事な姿勢です。往々にして、学力の低い子は条件がそろって初めて勉強しようとします。「部活が早く終わった」「おもしろいテレビがない」「友だちからLINEが来ていない」「テストが明日に迫っている」「やってきなさいと言われた」など、いくつもの条件を満たしてようやく重い腰を上げ、勉強を始めます。ゆえに、一日中部活があれば、「時間が無い」あるいは「疲れた」などと言い訳をして勉強することから逃げ出します。テストが迫ってなければ、テレビを見たり、You Tubeを見ることが最優先です。「やっていない宿題を提出しに来なさい」と言われていたとしても、「小雨が降っているから」などと自分で簡単な言い訳を見つけて、すぐに逃げ出してしまいます。しかしながら、学力が伸びていく子は、勉強に集中できる環境が簡単にはそろわないことを知っています。そしてそんな中でも常に当たり前に勉強するのです。たとえ一日練習があったとしても、1時間だけは宿題に取り組んだり、勉強しているときにはスマホの通知を消したり、テストがあるとかないとか関係なく、やるべきことをさっさと片付けようとしたりするのです。現状の環境を受け入れ、その中でできることを淡々とこなしていくのです。10年ほど前の日産のCMで「あなたは、あなたが選んだものでできている。」というキャッチコピーがありました。勉強ができるできないという話もまさにこの通りです。今の学力を生みだした原因は、過去の自分の勉強にあるのです。勉強をしていなかったり、何も考えずに惰性で勉強していたのでは、今日の入試が求めている学力は身につきません。勉強をできるようにするためには、何よりもまず自分の時間をできるだけ多く勉強に注ぐこと、そして考えることや読むことを面倒くさがらないことです(小中学生はビックリするくらい読むことを面倒くさがります。たった数行の文章ですら読みたくない子が多いです。授業では文章の読み方を教えることはできますが、そもそも読む気が無い子にやる気を与えることはできません)。きちんと時間をかけて、正しいやり方・考え方で取り組めば、できるようになるのが勉強です。「あなたの学力は、あなたがこれまでにしてきた勉強でできている。」ということです。
ところで、どうやらS中学校の定期考査は、今年度から回数が減るようです(年に2回と聞いています)。また、テスト中に自分でまとめたノートをもち込んで解くことができるそうです。また、テスト前の部活動休みもなくなるそうです。保護者の方もいろいろと思うところがあるでしょうが、与えられた条件でやるしかありません。ただし、自分の中学校の中だけで点数が取れていたとしても、他の中学生と比較するととてつもなく学力が不足しているという状況だけは気をつけなければなりません。まとめノートを持ち込みできるということは、覚えていなくても点数が取れますし、内容を理解していなくてもノートに教科書を写しておけば点数になる可能性が高くなります。定期考査が思考も暗記も捨てたものになるわけですから、額面上の点数と真の実力がこれまで以上に乖離する危険があります。これまでも、「定期考査で点数が取れているから大丈夫」という発想は危険だと書いてきましたが、これまで以上にその危険性は増すでしょう。なぜなら、一見良さそうに見える点数が、意味も分からずノートを写しただけの全く中身のないものであることも考えられるからです。もちろん子どもたちもそうですが、特に保護者の方は「井の中の蛙大海を知らず」ではいけません。我が子の中学校では点数が取れて当たり前であり、実力や努力を正しく測ることができないものであるという認識が必要です。他の中学校では必死に語句を暗記し、漢字を暗記し、意味や解法を理解し、英文を練習します。その一方、自分たちはただひたすらノートに書き、それを解答用紙に書くだけです。基本的な学力に差が生まていないだろうかという客観的な評価を忘れると、受験や高校で痛い目に合うのは子ども自身です。子どもには経験も判断力もありませんので、楽なやり方で通用してしまうのであれば努力を放棄してしまいます。ですから、そこは大人が正しく判断してあげなければなりません。定期考査がどうなろうと、入試の難易度が下がったり、求める学力が単純なものにになったりするわけではありません。ゆえに、当塾のやるべきことは今までとは変わりません。目指すべきところは「入試や高校での勉強に通用する知識・思考力の育成」です。そもそも定期考査で点数を取るという短期的・短絡的な勉強をしているつもりはありません(定期考査で点数を取るためであれば、定期考査対策も効率のよい別のやり方でやっています)。
定期考査の対策学習は難しいところですが、今のところ6月の定期考査でも、毎日徹底的に勉強して、知識と理解を深めた状態で挑んでもらうつもりです。子どもたちは「ノート持ち込めるならテスト勉強が楽になるじゃん」と思っているかもしれませんが、その油断によって足をすくわれる可能性だって考えられます。もし、私がテスト問題をつくる立場であれば、これまでよりも細かい知識を聞いたり、思考力を問う問題を出したり、問題数を増やしたりすると思います。ノートの持ち込みができるということは、ただ単に基本知識を問うことに意味がないからです。であれば、差をつけるためには細かなところまで踏み込むか、暗記や語句知識ではどうにもならない思考力を問うか、処理スピードを求めるかが必要です。それらはノートに書いてあるものを見るだけではどうしようもありません。実際に自分の頭で考え、失敗し、できるようになるという経験を重ねることにより自分のものとすることができます。ノートまとめというインプット作業(ただ書くだけであればインプットにすらなりませんが…)ばかりに時間を取られることなく、問題を解くというアウトプットを充実させることがより求められていくでしょう。特に、初回の定期考査では油断することなく、十分な演習を積んでテストに臨んでもらいます(個人的には、定期考査が新しい形式になる目的や詳細をあまり生徒が把握していないのが気になります。生徒が聞いたことを覚えていないのか、そもそも細かくアナウンスされていないのか、はたまた決まっていないのか分かりませんが、大事なところではないでしょうか)。
最後に、明日から始まる令和時代が由来通りの良い時代になってくれるといいですね。子どもたちに命令ばかりする時代にはしたくありません。このブログでも、生徒の成長や頑張りを伝える記事を多くしていきたいものです。