授業の中では、前の学年の復習や別の教科の話をすることがあります。既に練習をして身につけ、理解しているであろうことであっても、今の内容を深めるためにあえて再度説明することがあります。そのときの生徒の反応は主に3つです。1つ目はそもそも前の内容が頭に入っておらず、ポカーンとしている。2つ目はすでに知っているからと話を聞き流している。3つ目はすでに知っている話であっても逃さずに聞こうとしている。1つ目は論外であるとして、大切なのは2つ目と3つ目の聞き方の違いです。大前提として、「知識は劣化する」ということを意識しておくべきです。ある時には100%できていたことであっても、しばらく離れていれば100%の状態は維持できでいないはずです。「知っている」「分かっている」と思っていることであっても、それらを使わず放置していれば必ずや忘却の一途をたどってしまうのです。ですから、忘れ行く知識を掘り起こすために授業の中では意識的に前学年の知識事項や前回の授業内容を繰り返し説明します。そこで、やってはいけないのは、「分かっている」と高をくくり、聞き流してしまうことです。授業の中では同じような説明をしますが、厳密にいうと全く同じ説明はしていません。説明の順番を変えてみたり、別な角度から具体例を示したり、あるいは説明のスピードの緩急を変えたりして、一つとして同じ説明はしていません。きちんと聞いていれば、気づかなかった自分の欠陥を発見できるかもしれません。せっかく塾に来ているのですから、みすみすそのチャンスを逃すなんてもったいないじゃないですか。成績が安定して上昇する子は、私が復習内容の説明をするときに、生徒自身も頭の中で同じような説明を繰り返しています。それも、私の説明よりも一歩先に繰り返し、その後に私が話す内容と一致しているのかの確認作業をしています。このような定期点検を行うことが習慣づいている子は、おそらく学校の授業であっても無駄にしないでしょう。「これは既に塾で習ったから」という理由で、学校の授業をろくに聞かない子がいますが、これはせっかくの確認の機会を無駄にするだけでなく、先生の評価をさげてしまう行為です。塾の授業で習得した知識を学校の授業で点検する(あるいはその逆も然り)ようになれば、こんなに効率のよい時間の使い方はないでしょう。
話は変わりますが、6月の定期考査の計画をボチボチ考えています(某S中学校の生徒が誰も学校の行事予定をもってきませんが、もらっていないのでしょうか。このまま誰も持ってこないようならばどうしましょうか。行事予定をもらっていないのであれば、定期考査の日程が分かったらすぐに教えてください)。昨年の定期考査の結果を見直したのですが、昨年度の4回分の定期考査における数学の平均点は90.2点だったようです。思ったより数学を頑張っているなという印象です。6月定期考査の数学はほとんどが基本計算ですので、何人の生徒が満点をかっさらってくるか楽しみです。反対に理科は70点そこそこしかありません。今年度から理科の講座を設け、勉強の順序、優先順位、覚え方、注意点など説明しています。短期間でギュッと詰め込んでいますので濃厚です。そのうえで学校の授業を受け、実験に取り組んでもらえれば、昨年とは比べ物にならないぐらい納得して頭に入るはずです。理解不足、演習不足という同じ失敗を繰り返してはいけません。ゆえに、いちばん子どもたちに期待している科目は理科です。少なくとも昨年のような大失敗はしないのではないかと思っています(が、油断はいけませんね)。