2024年6月20日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

2019年 福岡県公立高校入試分析④(数学編)

第4弾は数学です。国語、社会、理科まで済みましたので、若干気がぬけていますが、あと2教科進めていきましょう。

     

例年通り大問6つの構成です。では小問ごとに見ていきます。

     

大問1は小問集合で、配点が例年よりも3点分下がりました。

(1)は正負の数の四則計算。

(2)は文字式。

(3)はルートの計算、有理化。

(4)は1次方程式。

(5)は2次方程式で、因数分解を使う。

(6)は反比例。

(7)は2乗に比例する関数のグラフ。グラフを書く問題は最近出てなかったと思いますが、難しくはありません。比例定数が負なのは注意です。

(8)は度数分布表から中央値をふくむ階級を求める。度数の合計が違う点に注意。あとは度数のたし算を間違えないこと。

(9)は標本調査。

昨年、正解率の低かった関数の式を求める問題がなくなり、基本的な問題が並びました。特段言うべきことはありません。

      

大問2は確率です。昨年の分析で「確率の大問を出してほしいなー」と書きましたが、今年は出してくれました。確率を解くときの思考は、中学の数学の中で非常に重要だと思っています。例年、確率は小問集合で出ていましたので、その程度の問題にしか慣れておらず、説明するような問題に取り組んだことがなければ、戸惑いは大きかったでしょう。「確率の大問が出るだろう」ということで対策をしていれば、何ら難しくありません。ただ、対策はあまりされていなかったでしょうから、得点率は低いと思われます。

(1)は玉の取り出し方について正しいものをすべて選ぶ問題。確率はどうしても言葉の言い回しがいやらしく感じますが、落ち着いて吟味すれば問題ないでしょう。

(2)は2通りのくじ引きについて、景品の当たりやすさを比較する問題。それぞれの確率を求めるだけであれば、ただの小問集合なので簡単ですが、それを樹形図または表を使って説明するとなると、正解率は一気に下がります。樹形図を使う方が無難でしょうか。説明問題は、出だしが重要です。いきなり計算、いきなり図ではなく、「いまからこのようなことについて説明します」とか「このような記号を使い、それはこういうことを意味しています」ということを言葉で示すことで、解答の意図が伝わりやすくなります。それは図形や文字式の証明でも、方程式の計算でも同じです。

       

大問3は「数あてゲーム」をつかった文字式の利用です。例年、文字式の証明が定番となっていましたが、今年は趣向を変えてきました。これまでになかったタイプの問題だったので、焦った受験生も多いでしょう。大問2、大問3と、慣れていない問題が出たことで、時間のロスが大きくなり、後半に十分な時間を確保できなかったかもしれません。全国的にはこのような「数あてゲーム」は決して珍しい問題ではありませんが、思考力にウェイトを置いた出題でしたので、受験生にとっては苦しい大問だったのではないでしょうか。

(1)は「12」という数字を使って計算する問題。手順通りに計算してもいいですが、それは面倒なので、「3a-1」に代入するのがベスト。これは簡単。

(2)は「3a-1」から「a」を導く方法を問う問題。面白い問題ですね。「1をたして3でわる」というのは、とても簡単かつ当たり前のことですが、このような形でいきなり問われるとびっくりします。言葉での説明ができなかった子も多いでしょう。昨年の「相対度数を比べるとよいとき」と同様に、数学の基本的なことを説明させる出題はこれからも続くのでしょうか。

(3)は手順を変えて新しい数あてゲームをつくる問題。今年一番の「思考力問題」でした。最初の数である「a」へとつなげなければならないので、手順⑥において②の数を足したときに、定数項のないaの単項式の形になっていなければなりません。手順⑥で「a+1」を足すので、⑤の数が「△a-1」でなければなりませんね。そのためには④の数「4a-4」を4でわるか、あるいは3を足します。むやみに計算してもうまくいきませんので、結論から逆算して考えていくことが必要です(逆算する力は数学に必須の力です)。

       

大問4は関数です。ようやくほっとする問題がやってきました。後半の大問3つはブレることなく毎年出題されますので、きっちり対策しておきたいところです。今年は事前の予想通り、時間と道のりの関数でした。今年も解答の過程を説明する問題が出てきましたが、やるべきことは昨年とほぼ同じですので、対策を積んだ受験生は5点分確保できたのではないでしょうか。

(1)はAさんの時間と距離についての表をつかって、9分後のAさんの位置を求める問題です。80m/分で進んでいますので、9分間で720m進みます。ただし、移動距離ではなく学校からの距離を求めるので、2100mから引くことを忘れてはいけません。これは簡単です。

(2)Bさんについてのグラフを選ぶ問題。Bさんの23分に対応する距離を求めると、650mなので、ウ、エは不適。アかイに絞られますが、Aさんの速さは60m/分、Bさんは75m/分なのでアも不適となりイを選びます。パッと見では面倒くさそうですが、なんてことない問題です。

(3)は2直線の交点の座標を求める問題。昨年は変域が示されていましたが、今年は自分で変域を設定しなければなりませんでした。ただし、それ以外は昨年と全く手順で解いていけましたので、練習の成果をいかんなく発揮できたのではないでしょうか。2年連続同じような問題が出てくると、来年はガラッと変えてくるのではないかと疑ってしまいます。

       

大問5はおなじみの円についての平面図形です。「AD=AE」となることの証明問題の解き方について、香さんと孝さんが会話しています。どうでもよいことですが、香さんの絵は昨年の花さんと同じです。孝さんの絵は昨年の浩さんと同じです。浩さんという名前は2年連続の登場です。

(1)は、「AD=AE」を証明するために、どの三角形の合同を証明すればよいかを答える問題。与えられた仮定や円周角をもとに考えればよく、簡単に導けます。

(2)は相似証明。相似条件の1つ目の円周角は簡単。もう1つの角はワンクッション挟まなければなりませんが、定番のものなので問題なし。

(3)は三角形の面積を求める問題。DCを底辺、AからDCにおろした垂線を高さとします。△ABCが正三角形であること、∠ACD=45°、∠ADC=60°であることが分かれば、あとは代表的な直角三角形の比を使って求めていけます。昨年が四角形だっただけに、今年の三角形の面積は容易に感じたかもしれません。上位層は短時間で求められたはずです。

        

大問6は空間図形で、円柱と円錐を組み合わせたものでした。しばらく角柱や角錐が続いていましたが、久しぶりの円柱・円錐です。円柱や円錐の方が解きやすいと感じる子は多いですので、そういう子にとってはラッキーでした。

(1)は体積を求める問題。円柱と円錐のそれぞれの体積を求めます。これは簡単です。

(2)は面積比の問題ですが、相似比を使えば一瞬で終わります。

(3)線分MFの長さを求める問題です。MFを斜辺とする直角三角形を見つけるのが基本パターンです。この問題の場合、Mから底辺に垂線を下ろし、垂線の足とFを結んで直角三角形をつくります。垂線の足とFを結んだ部分の長さを求めるのに面倒くささを感じますが、120°という特徴的な角度が与えられているので、決して難問ではありません。総じて、今年の空間図形は例年よりも難易度が下がっています。図形の勉強をしっかりと積んでおけば十分解けるという問題です。例年の得点率が1%というのが異常なので、正常な難易度に戻りつつあるということでしょう。

       

数学は例年よりも大問2~6の難易度のバランスがとれていると言ってもよいでしょう。後半の図形が易化した分、前半が難化したため、平均点は昨年とほとんど変わらないと予想します。また、文章を読む量がここ数年で急激に増加しています。一昔前は、連立方程式や文字式の証明など数行しかない問題も多かったのですが、今は問題文を読み、設定を理解するだけでも一苦労です。さらにそこに計算や説明が加わるので、特に下位層の受験生は、早々とギブアップしてしまいそうになります。大事なのは普段の勉強です。受験勉強は普段の勉強の延長線上にあるのです。普段から計算ミスが多ければ、入試本番でもミスをするでしょうし、普段から途中計算や言葉での説明を怠っていれば、本番では手が止まってしまうでしょう。問題を解くときに、ただ答えだけを求めて満足するのではなく、計算の過程を大事にしましょう。そして、その手順や説明の方法が適切か、矛盾が無いかを客観的に判断してもらうことです。塾では細かいことをグチグチ指摘されるでしょうが、そうすることで余計な失点を防いでいるのですよ。塾に通わない場合には、塾に通っている子以上に意識を高めて、定期的に学校の先生にチェックを依頼するなど第三者の目線を取り入れていくことが重要です。そういう小さな努力の積み上げが受験勉強に生きてきます。

      

      

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