いよいよ公立高校入試が明日になりました。飄々とした表情を見せていますが、内心は様々な感情が渦巻いていることでしょう。当たり前ですが、私が子どもたちの代わりに受験してあげることも、試験中に耳元で「そこまちがっているよ」とささやいてあげることもできません。どんな問題が来ても、自分一人で戦わなくてはなりません。焦る場面も頭が真っ白になる場面もあるでしょう。ですが、そのためにできるまで何度も何度も、繰り返ししつこく練習してきましたはずです。最初は一次関数の立式すらできなくて、けちょんけちょんに言われていたのに、いつの間にか関数が得意になっていました。あんなに嫌がっていた年代も国名も、本気でやれば覚えられたじゃないですか。勉強をサボってきた分を取り戻そうと、やれるだけのことはやってきました。「もっと早く勉強を始めておけばよかったのに」なんて思わずに、堂々と戦ってきなさい。少なくとも最後の頑張りには、胸を張る資格が十分あります。明日は、点数をもぎ取ってきなさい。
受験の時期には毎年、「15歳で高校受験を迎えること」の意味を考えさせられます。入試にはたった一人で挑みます。楽しみ、不安、恐怖、情けなさ、戸惑い、後悔など、あらゆる感情を抱えて、たった一人で戦います。その戦いは、義務教育を卒業し、自分の道を歩きはじめる「自立」への最初の一歩です。高校受験で自分の人生がすべて決まるわけではありませんし、長い人生においては単なる通過点にすぎません。しかし、高校受験は自分の人生を多少なりとも左右する分岐点であることには違いありません。15歳で自分の将来に思い悩み、自分の可能性を知り、周りの大人の期待を一身に背負いながら、高校受験を迎えることで、子どもたちは人間的に成長を遂げます。できることなら避けて通りたい勉強から逃げずに、正々堂々と高校入試と戦うことで、知的にだけでなく精神的にも大きく成長を遂げます。入塾当初はあんなに自信なさそうにしていた子が、受験勉強を通して知識を身につけ、大きく順位や偏差値を伸ばしていくと、別人のように前を向き始めます。もごもごとしか答えられなかった子も、自信を持つことで、はっきりと自分の考えを伝えられるようになります。小学生の作文を引きずっていた子も、主張を的確に、端的に述べられるようになります。受験勉強を通して、子どもたちは子どもっぽい振る舞いや言葉、表現を卒業していきます。それはつまり、大人へと大きく近づくということです。ですから、高校受験、ひいては勉強には、手を抜かずに取り組んでほしいのです。そして、逃げずに最後まで頑張った受験生には尊敬の念を抱かずにはいられないのです。
保護者様、こんな実績も知名度も何もない塾にお預けいただきありがとうございました。保護者のご理解、ご協力のおかげでお子様の学力向上に専念することができました。明日は落ち着かない一日となるかもしれませんが、大人は子どもの力を信じて待つことしかできません。前向きに送り出し、帰ってきたら一人で戦い抜いたことに対し、ねぎらいの言葉をかけてあげてください。テストの手ごたえを聞くのはその後です。
周りの受験生や雰囲気に負けることなく、強い気持ちで戦ってきてください。
君たち以上に、君たちの志望校がふさわしい人間なんていない!