2024年3月4日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

残り100日でやるべきこと(数学後編)

前回は数学の大問1~大問3まで見てきました。今回は、グッと難易度が上がる大問4~大問6を見ていきましょう。

 

大問4は関数です。関数の中でも、1次関数の範囲がメインとなります。よって大問4に関しては、1次関数の式をつくるのが基本です。1次関数の式のつくり方で、入試に出るものは大きく2パターンです。2点の値から求めるパターンと傾きと1点の値から求めるパターンです。1次関数の式をつくることができない、あるいは忘れてしまっている生徒は、まずは問題集の中の、この2つのパターンの演習を行うことです。ただし、問題集にのっている式をつくる問題は、数値が簡単なものが多いです。きれいな傾きや切片が整数になるものばかりであったり、そもそも与えられる数値が小さかったりします。しかし、実際の入試では数値が分数や小数であることは普通です。特にyの値は2400などの大きな値になることもあります(日常生活の中で、傾きや使用料金が「2」などの小さな値になることはめったにありません)。練習の段階で、分数や大きな値の式づくりに慣れて、短時間で完成できるようにしましょう。グラフの傾きが何を意味しているのかを考えるのも重要です。例えば、歩いたり走ったりする問題であれば1分間で進む道のり、つまり速さの値が傾きになります。水そうに水を溜める問題であれば、1分間に増減した水の量が(あるいは水位)が傾きになります。電気やガスの使用の問題であれば、1立方m(または1kWh)当たりの料金が傾きになります。よって分速80mで進んだと書いてあれば、それはグラフの傾きが80だと判断していくのです(もちろん絶対にそうなるとは限りませんし、グラフから傾きを求めなければならない問題もあります)。今年の入試で水そうの問題が出ましたので、来年は道のりの問題か電気・ガスの使用量の問題が出るのではないでしょうか。関数の問題の最後では、2つのグラフの交点を求める問題が出題されます。数年前までは、受験生が戸惑っている表情が目に浮かぶような、やや面倒な問題が出題されていたのですが、ここ数年は2つの1次関数の式を求めて、その式を連立して解く問題が出題されています。ポイントは、問題用紙にのっているグラフに、求めようとしている直線を書きこみ、「交点がどのあたりにできるのか」「傾きや切片の値がどのくらいになりそうなのか」を視覚的に確認することです。そうすることで、傾きや切片の符号のミスを防ぎぐことも、出てきた数値が明らかにグラフから外れていれば気づくこともできます。頭の中だけでグラフをイメージするのではなく、問題文を読んだら、いきなり式をつくるのではなく、グラフを書くことで確実性が高まります(高校の数学でも、関数の問題ではグラフを書くのが常識だと思いましょう。「読んだら書く」です)。これまでの入試では、ただ交点の値を求めればよかったのですが、今年の入試ではその過程を記述するようになりました。減点を防ぎたいのであれば、今年の入試の模範解答をテンプレートとして暗記するのがいいでしょう。「理由は簡潔に書くこと」と書かれていても、いったいどこまで簡潔でいいのか分からないという子は、模範解答の書き方を真似して解く練習をするといいでしょう。書き方に慣れたら、平成28年、29年あたりの問題を記述で解答してみて、学校の先生や塾の先生に採点してもらうことをおすすめします(平成27より前のものは、やや出題内容が違います)。関数の問題は3問ありますが、そのうち(1)(2)は比較的簡単です。ただ値を読み取ったり、式をつくったりするだけの問題です。この2問は確実に確保しておきたいところです。

 

大問5は平面図形です。円を使った相似証明と面積を求める問題が定番です。相似証明は「2組の角がそれぞれ等しい」に持っていく問題ばかりですので、いかに与えられた条件からそこにたどり着けるかが重要です。証明問題もある程度テンプレート化して覚えておくことをおすすめします。「平行線の錯角/同位角は等しいので」「等しい弧に対する円周角/中心角は等しいので」「対頂角は等しいので」「半円の弧に対する円周角は90°なので」など、証明に必要なフレーズを覚えて、その都度素早く引き出せる状態をつくっておくとよいでしょう。他の都道府県に比べて複雑な証明は出題されませんので、過去問の中から円の相似証明をピックアップして解いてみるといいでしょう。今年も円の相似証明が出るか分かりませんが、これまでの流れを考えると最も出題可能性が高いものが円ですので、まずはそこをできるようにするのが重要です。また、求積の問題は、受験生によって判断が分かれるところです。残り日数と優先順位を考えると、下位層の受験生であれば、さっさと諦めて他の問題の精度を高めるほうがいいかもしれませんし、上位の生徒であれば、今後のことも考えて図形を解く練習を積む方がいいかもしれません。いずれにしても、求積の問題を克服するのか、もう放置してしまうのかは、冷静に考えたほうがいいでしょう。毎年の正解率が1けたしかなく、解くのに時間がかかる上に、部分点が無いので、ミスしたときのリスクがあまりに大きいからです。面積と求めるためには、底辺の比と面積比、相似比と面積比、三平方の定理、適切な補助線を引くこと、円周角の定理など、さまざまな知識・技術が必要です。これだけ正解率を下げているのは、紛れもなくここにあります。一つひとつの知識は持っていても、それらを組み合わせることができないのです。さらにこれらの内容を学校で学習するのは、この時期から2月にかけてですので、使いこなすための演習があまりにも足りないことも要因です(受験に出る内容が、あまりに中3の内容に集中しすぎており、中3生の負担が大きくなりすぎているのも事実です)。ここに時間をかけすぎるくらいなら、よっぽど関数の問題に力を注いだ方が、点数に結びつきます。ただし、これは受験を戦う戦術面から言えることであって、三平方の定理や面積比の基本知識を身につけることは決して疎かにしてはいけません。

 

大問6は空間図形です。図形のパターンは様々です。平成28年度は三角柱と三角錐の組み合わせ、平成29年度は正六角柱、今年はシンプルな三角錐でした。ここ数年はねじれの位置の問題が出題されますので、ここは確実に押さえておきたいです(今年は大問1で出題されました)。同じ平面上にある辺は省く、平行な位置にある辺は省くが基本です(まれに伸ばしていったときにぶつかる辺があることもあります)。そのほかに、体積の問題、線分の長さの問題が定番です。立体から平面を抜き出す、展開図を書く、三平方の定理、相似比と面積比・体積比など、多くの引き出しが必要で、こちらもそう簡単には解けません。毎年の正解率は1けた~15%程度です。ちなみに今年は体積の問題が13.0%、線分の長さの問題が0.9%でした。1%程度の問題であれば、入試問題としてはいかがなものか、とも思ってしまいますね。図形問題だけ異常なほど難易度が跳ね上がっていますので、もう少し単元ごとの難易度のバランスをとることはできないのでしょうか。

 

関数と図形では、関数の最初の2問と図形の証明で点を稼ぐことです。余裕があれば関数の交点を求める練習も積むべきでしょう。図形の難問は、これまであまり勉強してこなかった子が、いきなりできるレベルの問題ではありません。費用対効果を考えると、他の単元、あるいは他の科目の勉強に時間を注ぐのが賢明です。受験は数学だけの点数で決まるわけではありません。5教科の総合力で決まるのです。短期間で成績を上げようと思うならば、短期間で成績が上がる単元、科目に取り組むのは当然です。自分の実力を知って、自分がどこで点を稼ぐべきかを知ることで、これから何をどう勉強すればいいかが見えてきます。闇雲に過去問や問題集をやっていてはいけません。どうすれば効率よく点数を上げられるかを考えて勉強していきましょう。受験には、受験を戦うための戦略を立てることが欠かせないのです。

 

 

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