定期考査の1日目が終了し、今は明日のテストに向けて勉強に励んでいます。テストの日程が2日間しかないと、1日に技術・家庭科を含めて6教科のテストを行うことがありますので、テストを受ける子どもたちはかなり大変だろうと思います。学校によってはテスト日程を3日間設けて、1日3教科ずつのテストを行うところもありますが、この近隣の中学は2日にギュッと詰め込んで行います。学校も何とかカリキュラムを消化しなければなりませんのでしょうがないですね。
1日目の手ごたえを聞いてみたところ、「めっちゃ解けました」「完璧です」という反応はなく、「まぁまぁです」という感想ばかりですが、それは当然の反応かもしれません。テストに向けて必死に勉強すれば、たった一問でもできない問題があれば、悔しさが募るものです。大して勉強していなかったころであれば、80点取れば満足していたものが、勉強するようになると、90点を超えてもなかなか満足できなくなります。勉強をすることで知識が身についたり、できないことができるようになったりします。そして、勉強することで自分の中の基準(標準)が上がっていきます。80点で満足していた人間が、90点では物足りなさを感じるのがその典型例です。また、はじめは偏差値が50程度の高校に行ければいいと思っていた子が、勉強して目に見えて成績が上がっていくにつれ、偏差値55の高校に行きたい、偏差値60の高校に行けるかもと、上昇志向を抱きはじめるのもこのためです。偏差値が低い学校の方が生徒指導にうるさかったり、課題が多かったりするのは、多くの制約を設ければならない程生徒の基準が低いからです。偏差値が高い学校の方が生徒の自主性を重視したり、課題が少ないのは、生徒の意識レベルが高いので、強制する必要がないからです。ただし、低いところに留まることにも大きなメリットがあります。低いところにとどまっていれば、自分で考えなくても、周りから何でも指示され、与えられます。「自分で考えて判断する」という面倒くさい作業をせずに済むのです。とりあえず言われたことだけをやっていればいいのですから、こんなに楽なことはありません。
そして中学生の間には、「低いレベルに誘おうとする甘い言葉」があふれています。
・〇〇先生の授業、受けても意味がなくない?
・テスト期間になったら遊びに行こう!
・受験勉強なんて、部活引退してからでも間に合うって言ってたよ
・なんで昨日ライン返してくれなかったの?
・〇〇先生の授業中だったら、寝ててもバレないよ
・答えうつしたいから、ワーク見せて
・〇〇さんみたいに才能がないから…
・なんでそんな真面目に勉強してるの?
・勉強ばっかりで楽しいの?
もし、高いレベルに行きたいのならば、甘い誘惑の言葉には乗ってはいけません。中学生が使う甘い言葉は、相手を自分のレベルに引きずり下げようとする言葉です。決して悪意を持って使っているわけではありませんが、結果的にそれを信じた人を低いレベルへと導いています。自分のやる気の無さや根性の無さを正当化する言葉に騙されてはいけません。とりわけ受験生は、情報リテラシーではないですが、相手の甘い言葉を正しく読み取る力を養っておくべきです。ただでさえ受験が近づくと精神的に追い込まれ、簡単に甘い言葉に惑わされてしまいます。そうならないように、相手の言葉を信用し、相手の要求を聞き入れるべきかを冷静に判断することが必要です。15歳の子どもには難しいところもあるでしょうし、友達との付き合いなどもあるでしょう。しかし、塾生には、自分の目標に向けてどう判断し、どう行動していくかを主体的に決めていける、強い受験生になってほしいと思うのです。