誰も自分の将来なんて分からない。とりわけ、情報化、グローバル化、流行の入れ替わりの激しい現代においてはなおさらだろう。自分を変えようとせず、今までと同じ自分のまま居続けるのは、すなわち衰退を意味する。例えば、7年前につくられた携帯電話、スマートホンを使っている人がどれだけいるだろうか。おそらく半数以上の方が壊れてしまったり、新機種に買い替えたりしているのではないだろうか。そして、7年前の機種を見た多くの人が、「まだそんな古いの使っているんだ」という見方をしてくるだろう。当時は最新の機種を買ったつもりでも、数年たてば過去の遺産となってしまう。たった7年でもこれだ。これからを生きる子どもたちは、そんな入れ替わりの激しい時代を生きることとなる覚悟を持たなければならない。15歳の少年少女の7年後というと、大学を卒業して就職するタイミングである。もちろん子どもたちを取り巻く状況・環境は今とは全く異なるであろう。人間関係、家庭環境、景気など、刻々と変化する。甚大な自然災害が襲うかもしれない。大恋愛をしたり、大失恋をしたりするかもしれない。働き口があるかどうかも分からない。7年もたてば、人間がやらなければならない仕事というものは、ごく限られたものになっているだろう。多くは機械でも代用可能なものである。子どもたちには、「君が必要なんだ」「君にやってほしい」と、求められる人になってほしい。この仕事はこの人にしかできない、この人の意見やアイディアは価値がある、この人ほど仕事に真剣に取り組む人はいない、という人間になってほしい。しかしながら、またそれも未来のことなので分かりはしない。頑張っていても嫌味を言われることもあるだろうし、うまいこと上司の評価を上げていく人もいるだろう。では今を生きる子どもたちは何をするべきか。答えは簡単。学ぶことである。子どもに今できるのは、学習を積んで、自分の引き出しを増やすことである。学校の勉強然り、受験勉強然り、また本を読んで知識を増やすのもいいだろう。何にも精通せず、何に対しても努力せず、今のままでいいというのは、自分の価値を高めることにはつながらない。日々私たちを取り巻く様々な情報にふれて、情報を集めて、情報を更新していくべきだ。数年前にLINEのサービスが始まったときに、「LINEっていいね」と受け入れる人と、「LINEよりも今まで通りのメールの方がいい」と現状に留まる人がいた。そして結果的に、普段のコミュニケーションの中では、LINEがメールを圧倒している。もちろん何でもかんでも変えればよいというものではない。しかし、変化のスピードを侮ってはいけないということを、子どもたちは理解しておくべきだろう。そして変化の多い社会、情報にあふれた社会を生きていくときに、子どものときから蓄積した知識、経験というものは間違いなく生きてくる。知識を持った人間、努力をしてきた人間というのは魅力的だ。力を持っている。信頼に値する。中学生が今必死に取り組んでいる勉強が無駄になることはない。だから、思う存分勉強しなさい。きっと、将来の自分は、今努力している自分に感謝するだろうから。
(今日は気分を変えて常体にしてみた。ちなみにうちの塾生は作文で常体を使う子が多い。今度の作文練習は、今年の入試を参考にして、敬体で書かせてみようと思う。)